日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 越前國兼法 Kanenori Wakizashi

2018-05-17 | 脇差
脇差 越前國兼法


脇差 越前國兼法寛永五年

これも兼法。一尺三寸強、身幅広く鎬が張って重ね厚く、大鋒。江戸最初期の典型的造り込み。刃文は表が沸筋砂流し金線が交じって穏やかに流れる湾れが主体の構成、裏は互の目が顕著で、帽子はいずれも乱れ込んで先尖り調子に返る。表裏刃文を違えた作である。江戸最初期にはこのような奇抜な作風が好まれたようで、拵も派手であったり、奇妙であったりと、他者との違いを明瞭にする気風があった。地鉄は板目が強く現れて武骨な感がある。刃文の綺麗な出来である。□80





短刀 兼法 Kanenori Tanto

2018-05-17 | 短刀
短刀 兼法


短刀 兼法

 江戸時代最初期慶長頃の越前刀工。刃長一尺弱。身幅の広い、戦国期からこの時代にかけての特徴的覇気に富んだ姿格好。地鉄鍛えは古刀を想わせる板目が激しく現れたもので、地景が絡んでとても力強い景色となっている。刃文は湾れに小互の目が交じり、帽子は火炎風に激しく乱れて返る。焼刃は小沸が明るく、刃境にほつれが掛かり、淡い金線が横切る。湾れの谷部に配された小互の目の調子も強くなく、むしろ凄みが感じられる。