日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 肥前國忠廣 Tadahiro(Tadayoshi-ⅴ) Katana

2018-05-18 | 
刀 肥前國忠廣

 
刀 肥前國忠廣(五代忠吉)

 二尺五寸強の身幅広く重ねの厚い堂々たる体躯。上三代があまりにも有名であったが故、以降の忠吉は少々影が薄くなってしまったが、代々の忠吉はこのような美しく力強い、優れた作品を遺している。地鉄は伝統的肥前肌でこれも綺麗。刃文は小互の目乱刃。刃境が互の目に小丁子、尖り調の刃などを交えて複雑に出入し、肌目に沿ったほつれが掛かり、沸筋、金線が長く絡んで変化に富んだ景色となっている。帽子も丸く返るのではなく、湾れ込んで掃き掛けを伴い返りはごくわずか。古作を手本としたものであろうか。





刀 和泉守國貞 Kunisada Katana

2018-05-18 | 
刀 和泉守國貞


刀 和泉守國貞

 初代國貞のかなり強い乱刃出来。安定感のある姿格好に、網目状に淡い地景の入る地鉄。無地風の微塵な梨子地風といった感じではなく、また荒いわけでもなく肌目に強みが感じられる。刃文は綺麗な小互の目乱刃。沸が深く強く、鍛え目に沿ってほつれが強く入り、足を切って砂流し状に掛かる。このような沸の美観が國貞一門の特徴であり、子の真改がさらに沸深い焼刃を完成させている。