日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 相模守泰幸 Yasuyuki Wakizashi

2018-05-24 | 脇差
脇差 相模守泰幸


脇差 相模守泰幸

 この泰幸は寛文頃の刀工。美濃の出で、他の刀工と同様に移住した尾張を活躍の場とした。やはり他の多くの美濃刀工と同様に相州伝を強く意識した作風である。地鉄は詰んだ小板目肌で地沸が厚く付く。刃文は小互の目に厚い沸が帯状に絡んだ出来で、肌目に沿った金線、砂流し、沸筋などが流れ掛かり、沸の粒も大小変化に富んで荒々しい雰囲気。互の目の高さは高低抑揚があり、これも焼刃に変化を与えている要素。沸が綺麗な出来である。