先日の本番の記事から、いつの間にか一か月以上経っていた。
問題の本番、遠方だったもののとても雰囲気の素晴らしい会場だった。出演者の方達は近所の方達が多かったようだったが、和気藹々とした雰囲気に好感を抱いた。ぎりぎりまで粘った、やっただけのことを発揮したいと思いながらピアノに向かった。
がちがちに緊張していた。けれどもここでくじけたら、今まで頑張ってきたことが無駄になる、なのでせいいっぱいがんばらなければと思った。手が震え自分の手ではないようなぎこちなさを感じた。体の硬さを感じたし、コントロールも驚くほどできなかったのだけど、最も難所と思えるところまでは、なんとか乗り切った。
しかし、今迄ほとんど間違えることのなかったコーダ部分で、魔がさした。どこを弾いたら良いのか分からなくなってしまい、弾きなおしてしまった。こんなはずではなかったという思いになった。
そして心残りのある状態で終了。何が何だかわからないうちに会場を後にし、呆然としながら帰路に向かった。おっと途中でやけ食いもかねてクレープをいただいたっけ。
いったい何が悪かったのだろう、確かに気持ちが、前向きになりきっていなかった面があった。少し落ち込むことがあったにせよ、それは言い訳にはならない。
そういえば演奏前に
「ピアノが大好きでたまりません」
というコメントを述べられていた方がいて、はっとしながらもその素直でまっすぐなコメントに心打たれた。私も本当は「ピアノが大好きでたまりません」だったのに。
その後しばらく心を入れ替えるつもりでピアノに向き合った。そうしたらある動きをすると右上腕部にぴりりと痛みが走った。あせった、しばらくピアノは弾けないかもしれないという気持ちになってあせりを感じた。
病院に行った結果、棘上筋が悲鳴をあげるという肩関節周囲炎ではないか、という診断。痛み止めを頂いた以外は特に処置もなく、ピアノも弾き続けてよい、ということだった。処置がないことに物足りなさを感じたものの、一安心した。痛みが自然になくなるまで、無理のないような使い方を考えていきたいと思った。
そして今も弾き続けている。選曲は一部一時的に変えたりしたものの・・・・来月にはまた人前演奏が待っている。個人的には、それ以前に治したいこともあったりするのだが、それでも、人前演奏で得られることも、多いだろう。そのようなチャンスがあること自体、感謝したいと思う。今度こそ、自分を信じて、まっすぐな気持ちで、臨むことができますように。