先日、SNSであべとしゆきさんという方の水彩画の存在を知り心惹かれた。自然の一コマ、目立たないかもしれないけれどきらりと輝きが感じられるシーンを濃やかに描いていてたちまち気に入ってしまった。そのあべさんの水彩画展が開催されるという。行こうと思えば行ける距離にいる今、行かずしてどうすると思い出かけてきた。
一コマ一コマを、優しく包み込むようなまなざしをもって描かれたと思われる数十枚の絵が美しく飾られていた。雨上がり、水滴には繊細な光が差し込み、緑もいつもよりも鮮やかに見える。何気なさそうな世界も、見方を変えたらこんなに美しく素晴らしい世界に見えてくるんだと感じることができた。
書籍売り場にはポストカード集、画集、水彩画の技法について解説した本があったので、私は詩の入ったポストカードと画集を購入した。香りに絵を描くための感性を学んだと語り、大きな自然のように暮らしたいと思っているあべさんの、優しきまなざしを少しでも日常に採り入れていきたいと思った。