8月の終わり、所用があって、東京へ行ってきた。残暑の厳しい頃のはずなのに、ひんやりと涼しく、空も雨の気配。
以前から行ってみたかった代官山の蔦屋書店に。 中は三棟に分かれ、さまざまに楽しめる仕掛けが--。 雑誌や文学のコーナーはそれほどでもなかったけれど、宇宙や自然科学のコーナーは一つの部屋になっていて、鉱石の本が並べられているさまも、なかなか洒落ている。 北欧のファブリック製品や雑貨をところどころに売っていたり、「スターバックス」とタイアップして、カフェコーナーになっていたりなどして、楽しめる空間。
大人も楽しめる知的アミューズメントという感じ。1990年代、西部池袋駅中にあった「LIBRO」を思い出したけれど、あちらの方が純粋に「本屋」という趣だったな。 リブロは大好きで、2時間くらいは過ごしたものだけれど、当時買った本は、今も離れの「ノエルの本棚」に幾つも並べられている。
そして、これは蔦屋書店の前のベンチのところにあったもの。ドッグ用リードをつなげるフックでありましょう。 読書好き、犬好きの東京人が、一休みがてら利用するのだろうな。うらやましい・・・。
ここ数年、東京へ来るたび、何だか自分が頼りなくなっていくような危うい感じがつきまとう。街を歩いても、渺々たる空間に風に吹かれて、かろうじて立っている心持がするのだ。 街のざわめきやイルミネーションの輝きが、心を躍らせたのも遠い昔のことなのかもしれない。
6,7年来、定宿にしている神楽坂のホテルに一泊。パリの古いアパルトマンのような小じんまりとした場所なのだが、私がここに泊まるのも、エレベーターを使わずにすむため。 上の写真はホテルの隣にある、パティスリーショップ「コワン・ヴェール」。ホテルでも、ここのケーキやお菓子が提供されるのだが、とても美味しい。 夜。ホテルに戻った時は、暖かな灯りのこぼれる、このお店でちょっとしたクッキーを買って、部屋で「夜のおやつ」として楽しむことにしている。
P.S 年のせいばかりかと思っていたのだけれど、東京の街を歩いても、そんなにファッショナブルな人はいないし、全体に活気や熱気が感じられないような気がする。