ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

コスモスの中で・・・

2014-09-26 09:16:59 | ガーデニング

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変なことを考えた。 ハーブガーデンに、たおやかに揺れるコスモス。 温室の前の一角にコスモス畑(?)があって、それほど広くはないし、無茶苦茶狂い咲きしているわけでもないのだけれど、それでも旺盛な繁殖力である。

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これが、どこか遠い草原で、見渡す限りにコスモスがいっぱいだったら、どうしょう? 満州の広野みたいなところで、地平線の向こうにまでコスモスが海のように広がっているとしたら・・・。おまけにコスモスが背が高く、私の身長よりも高いところで、ゆうらりゆうらりと風に揺られているのである。

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桃紫の花々が、一帯を染め上げていて、あたりには誰もいない。 夕暮れも深くなって、いつか中空には月がかかっている。そのようなところに、迷い込んだとしたら、怖くてならないだろうなあ――。 この世のどこかには、そんな場所があるに違いない。 9月のしんと静かな夕暮れ、そんなことを想像しては、ノエルハーブガーデンのコスモス畑の中で震えているのも、退屈しないかもね。     

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比叡の休日

2014-09-26 08:58:30 | 旅のこと

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京都へ一泊の短い旅行へ行ってきました。 泊まったのは、比叡山の山頂近くにある「ロテル・ド・比叡」。 フランスのオーベルジュをイメージした、このホテル、とっても簡素で小粋で、居心地の良いところです。 客室も、「ノルマンディー」、「パリ」、「サヴォワ」などフランスの地方名が冠され、私たちが泊まったのは、「プロヴァンス」。 だから、ご覧のようにベッドもこの地方独特の植物文様の布で、色もプロヴァンスの太陽を思わせる、暖かな黄であります。

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ホテル内のカフェも、プチフランスの趣。

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そして、ディナーがトレ・ボー! お料理が美味しいとは聞いていましたが、出されるプレートがすべて、とても美味なのです。上の写真は、「天使の海老とずわいがにのプレッセ 根セロリ風味」と名付けられた一品ですが、小さなサイコロ状に切られた野菜が、色とりどりに散らされたいて、その合間にあるのは、何と薔薇の花びら。 どんな風味?と思ったのでしたが、花びらそのものは、ふんわりとした感触で、「味」はなかったかも・・・。見てるだけで、目の保養になりそうなのに、味もとても繊細で上品。

 

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料理が盛られた食器は、すべてフランスの「ベルナルド」のもの。 わたしも、ここの器は、いかにもフランス!の香りがして好きです。 このスープ皿の下に置かれたプレートも赤と白のだんだら模様が、サーカスを思わせて楽しい!

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食事の最後のハーブティーにいたるまで、瀟洒なセンスが感じられて、とても美味しいのです。 う~ん、京都市内からシャトルバスで一時間という、不便な場所にあることを押しても、やっぱり来てよかった!

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ロビーのつるつるに光るテーブルの上に映った青空であります。標高何メートルなのか、わからないけれど、このくらい山の中にいるだけでも、雲が近く感じられるから不思議。吹き抜けの空間にはめ込まれた大きな、大きな一枚ガラス。その向こうに広がる草地と風に揺れる木立、高い秋の空の風景は、そのままかの国の画家が描くところになるもののよう。

ただ台風が通過するという微妙な時期だったので、このホテルで夜開かれるという「星空観測」はできなかったですね。 秋の夜空、降るような星が蒼穹に輝いて、さぞ見ものなのだろうと思いますけど・・・。

心地よい静けさと、オーベルジュのお料理を満喫した、秋の断章でありました。

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