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京都へ一泊の短い旅行へ行ってきました。 泊まったのは、比叡山の山頂近くにある「ロテル・ド・比叡」。 フランスのオーベルジュをイメージした、このホテル、とっても簡素で小粋で、居心地の良いところです。 客室も、「ノルマンディー」、「パリ」、「サヴォワ」などフランスの地方名が冠され、私たちが泊まったのは、「プロヴァンス」。 だから、ご覧のようにベッドもこの地方独特の植物文様の布で、色もプロヴァンスの太陽を思わせる、暖かな黄であります。
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ホテル内のカフェも、プチフランスの趣。
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そして、ディナーがトレ・ボー! お料理が美味しいとは聞いていましたが、出されるプレートがすべて、とても美味なのです。上の写真は、「天使の海老とずわいがにのプレッセ 根セロリ風味」と名付けられた一品ですが、小さなサイコロ状に切られた野菜が、色とりどりに散らされたいて、その合間にあるのは、何と薔薇の花びら。 どんな風味?と思ったのでしたが、花びらそのものは、ふんわりとした感触で、「味」はなかったかも・・・。見てるだけで、目の保養になりそうなのに、味もとても繊細で上品。
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料理が盛られた食器は、すべてフランスの「ベルナルド」のもの。 わたしも、ここの器は、いかにもフランス!の香りがして好きです。 このスープ皿の下に置かれたプレートも赤と白のだんだら模様が、サーカスを思わせて楽しい!
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食事の最後のハーブティーにいたるまで、瀟洒なセンスが感じられて、とても美味しいのです。 う~ん、京都市内からシャトルバスで一時間という、不便な場所にあることを押しても、やっぱり来てよかった!
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ロビーのつるつるに光るテーブルの上に映った青空であります。標高何メートルなのか、わからないけれど、このくらい山の中にいるだけでも、雲が近く感じられるから不思議。吹き抜けの空間にはめ込まれた大きな、大きな一枚ガラス。その向こうに広がる草地と風に揺れる木立、高い秋の空の風景は、そのままかの国の画家が描くところになるもののよう。
ただ台風が通過するという微妙な時期だったので、このホテルで夜開かれるという「星空観測」はできなかったですね。 秋の夜空、降るような星が蒼穹に輝いて、さぞ見ものなのだろうと思いますけど・・・。
心地よい静けさと、オーベルジュのお料理を満喫した、秋の断章でありました。