ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

バク夢姫のご学友

2015-05-04 09:57:05 | 本のレビュー

「バク夢姫のご学友」 柏葉幸子 偕成社

児童文学はかなり好きで、結構読んでいるのだけど、海外のものが多くて、柏葉幸子を読みだしたのも最近。
でも、この作家の本は、とびっきり面白い! この間読んだ「帰命寺横町の夏」などは、あんまり面白くて一気に読んでしまい、「こんな凄い想像力と文章力を持った作家を、今まで読まなかったなんて」と悔し涙(?)にくれたほど。

そして、この本。表紙を見たら、開いた扉のところに女の子と妙な動物が立っているのだけど、いかにも何か起こりそう。
まちがい電話がもとで、マンションの一室で、主人公五月がであったのは、カバと猪の合いの子みたいな妙な動物。そして、なぜかそのまま現実世界とは別の不思議な世界に運ばれて――というストーリー。そこでは、鼠もバッファローも人間と同じようにしゃべり、くだんの妙な動物は「夢姫」と名乗るバクだと判明。そして、彼らが出会ったのは、暗い森の中の、気味の悪い屋敷。ここには誰がいるのか? 最初出会った召使が「御主人様を楽しませてほしい」といったはずなのに、真夜中の屋敷を歩くとまるで人気がない。鼠のプップは「おいらは、家に人がいるかどうかはわかる。ここは誰もいない空き家さ」というのだが…。

圧倒的なスピード感と奔放なイマジネーションで、物語が展開していって、飽きさせない。有名作品でさえ、退屈してしまうことの多い私としては、「柏葉マジック」にはまって、物語の最後まで運ばれてゆくのは、得がたい読書体験だ。翌朝、五月たちの前に出てきた「御主人様」は、何と車いすに座った少女の人形。おつきのメイドは「人形のように見えるが、ちゃんと生きていて、ある朝突然、こうなったしまったのだ」などという。だが、実はこの屋敷はキラと呼ばれる怪物の屋敷で、気配はないが、どこかにこの怪物がいるらしい。屋敷をさぐろうと、部屋々に足を踏み入れる五月と夢姫の前に現れたのは、何と劇場だった――。

こんな風に、飽きさせない物語なのだが、何といってもバク「夢姫」のキャラクターが面白い。夢を食うバクという設定なのは、言うまでもないのだが、お上品ぶって、情け容赦もない言葉を吐き、その癖変に可愛らしいバク。こんなバクと不思議でおかしな世界を旅できたら、と願うのは私だけではないはず。
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ギャラリー その2

2015-05-04 09:24:52 | アート・文化

昨日で終わってしまったギャラリー。連休のせいか、初日をのぞいては、お客様の姿もちらほら気味でしたが、これもまた良し。
上の写真は、仲達さんの組み木ですが、このワンコの感じが何とも言えない! 以前、ゴールデンレトリバーをかたどった組み木を2体(今のノエルと前のノエルをモデルにしたもの)も頂いたことがあって、それはずっと飾らせてもらっているのですが、この犬たち、シッポをぱたぱた振って、今にも駆けだしそう。

組み木はこの他、蝶の標本を思わせるものもあって、見ていると、なぜか子供時代の夏休みを思いだすのであります。木工は、夏休みの宿題(思いっきり、簡単なやつだけど)でもやるし、昆虫オタクな男子は、蝶とかカブトムシの標本を作ったりして、女子に嫌がられたりしていた記憶が。 

       こちらは、近所の方が差しいれしてくれたお菓子。ジャジャーン、すごいでしょ? 目玉焼きがマドレーヌの上に載っているなんて。
と、そう思ってしまいそうですが、実はこれアンズのシロップづけに砂糖がけ(?)したもの――あんまりリアルなんで「えっ、目玉焼き?」と皆驚いたもんです。 何度見ても、「目玉焼き」(それも、ちょっととろとろ気味の)にしか見えないんだけどなあ。
でも、お味もとっても美味しい! あっという間にペロリと頂きました。
この他にも、スゴーク美味しい天むす(ちょっと醤油をたらしたエビの天ぷらが、おむすびと絶妙にマッチしているの)やお菓子、クッキー、お花などさしいれをどっさり頂き、幸せ気分です。

でも、このギャラリーも、あと一回、12月に開くだけで終わりにしようと思います。他にも色々忙しくなってきたので…。毎回欠かさず来て下さったお客様、遠くから来て下さった方、有難うございました。
ラストは、「ノエル」の名前にぴったりするくらい「クリスマス」ムードで終わらせようと思います。掉尾を飾る作家さんは、まだ決めていませんが…。
今まで、6年間THANK YOUであります。


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