ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

「檸檬」の万年筆

2020-11-28 15:32:00 | アート・文化

 

上の写真は、十数年も前、雑誌「Lapita」を購入した時、付録についていたものです。文面をよく読んでみると――そう、あの梶井基次郎の名作「檸檬」を万年筆🖋にしたもの。

こんな粋な付録もあったのですねえ……この間、取り出してみるまで、ほとんど忘れていました。

    

箱から取り出した、実物の写真。梶井基次郎が、作中で檸檬を「レモンイエロウのチューブから取り出したような」と描写している通り、ふるいつきたいほど、素敵なレモン色です。

「檸檬」は神経衰弱気味の青年「私」が京都の町をさまよった挙句、書店「丸善」に入り、檸檬を本を積み重ねた上に置いて去るというお話ですが、檸檬の紡錘形の鮮やかなイメージと、それが爆弾と化し、丸善の建物を破壊したら面白いだろうという過激(?)かつシュールな想像が、多くに人を魅了してきたことは、あまりにも有名。

そして、この🖋は、丸善とのコラボレートで出来上がったものだと――箱の裏側には由来が書かれてありました。

手にとっても、小ぶりで滑らかな手ざわりの、素敵な万年筆。何だか、文豪気分になってしまいそうであります。


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