1.ハワードの田園都市構想
2.田園都市論の現代的意義
3.日本型田園都市構想
4.和歌山市都市計画と学園城郭都市
5.近代ニュータウンの系譜
-理想都市像の変遷-
都市計画・景観・歴史まちづくりについての計画 | 彦根市
5-4 イギリス:ニュータウン政策の新展開
5-4-3 ミルトン・キーンズの新たな成長
ミルトン・キーンズの都市構造とその問題
「選択の自由と機会」、「移動の容易さとクセス」を目
標に掲げ、それまでのニュータウンとは異なる全く新し
い都市構造を目指すミルトン・キーンズの当初マスター
プラン(1970)には、その実施段階で様々な変更が加え
られることとなった。結果的に現在のミルトン・キーン
ズは多くの都市構造上の問題を抱えている。Milton Key-
nes Partnership のレポート“The New Plan for Milton Keyn-
es:Draft Directions Papers” 2005.8 は、それらの問題と
都市再生における課題を次のように分析している。
① 格子状道路網の構造
計画の実施段階で、格子状道路網の計画速度の大幅な変
更(30mph→ 60-70mph)が行われ、加減速のための空間
や大規模なバッファーゾーンを含む道路幅員の大幅な拡
張が行われた。そのために、格子状道路でのバスの安全
便利な利用が困難となり、バスストップはgrid square の
内部に移された。この結果、著しいバスサービスの低下、
利用の低下が生じ、結果的に自動車利用への過度な依存
が生じている。格子状道路が大幅に緑化され、Green City
のイメージが強化された反面、単調な景観が生まる。格
子状道路を歩く人の姿を見ることはなく、道路空間の防
犯性にも問題が生じている。
② グリッドスクェアとアクティビティ・センター
道路構造の変化によって、隣接する二つの地区(Grid
Square)が視覚的にも物理的にも分断され、それぞれが
孤立する状況が生じた。道路沿いの開発は回避され、開
発がGrid Square の内部に押し込められる結果となった。
当初、隣接する地区を結びつけるように格子状道路にま
たがって計画されていたアクティビティ・センターは、
地区の中央部またはバッファーゾーンの背後に設けられ、
本来のキャッチメント・エリアを確保できていない。地
区相互の間の歩行者動線も適切に連絡されず、結果的に
ローカル・センターの多くは十分な選択性やサービスを
提供できずに終わっている。これらが当初意図された「
移動の容易さとアクセス」、「選択の自由と機会」の実
現を阻んでいる。
③ 住宅地
都市全体を通じて低密度につくられた住宅地は、コミュ
ニティ施設と公共交通の存立が困難な状況を招いた。均
質な土地利用と低密度の開発が、多様性や活力、活気に
乏しい場所をつくりだしている。また、異なるタイプの
住宅が混じり合うことなく、別の地区に分離されて建設
された結果、社会的、経済的階層の分離が生じた。住宅
の選択性や多様性の欠如は、バランスのとれた、多様で
活力あるコミュニティの形成を阻んでいる。
④ 土地利用ミックス
当初計画に反して住宅地と就業地とが分離され、意図さ
れた用途のミックスは実現していない。結果的に住宅地、
就業地の双方に歩行者が少なくなり、まちの安全性にも
問題が生じている。また短い距離を自動車で通勤するよ
うな状況が生じている。
⑤ ペデストリアン
都市構造の大幅な変更によって、ペデストリアンは施設
利用動線としては用いられず、レクリェーション利用に
とどまっている。人通りも少なく、安全上、防犯上の問
題も生じている。
参考になることが掲載されているので連載することに拍
車がかかる。
この項つづく
新年会報告
昨夜、無事盛大に表示会をおえることができました。出
席者皆様方にお礼申し上げます。当日は、春慶節とあっ
て中国の宿泊者でにぎあう彦根キャッスルホテルで、5
日から改装に入る常磐の間(今夜で見納め)で、各自の
近況報告と幹事かから2つの提案(①ナショトレ調査活
動と②里山薪ストーブ事業)をさせていただきましたが
提案につきましては不採択となりました。尚、①につき
ましては、守る会とは切り離し活動を継続し行っていき
ます。
続いて、柳本様の乾杯の音頭で新年会を開宴、幹事の方
から不参加の会員の近況報告をさせていただき、「大老
御膳」コース料理を堪能、肝胆相照らし話に花を咲かせ
ました。吉田様からは料理の味がこの上なく美味しいと
の、幹事(有山)冥利に尽きる感想を頂き、吉田様の〆
で千秋楽させていただき。ここに皆様方にお礼申し上げ
ます。
幹事敬白
尚、不足分二百円は、辻様から義援いただきました。お礼申
し上げます。
【脚注及びリンク】
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- 田園都市 Wikipedia
- Core Strategy (2013) - Milton Keynes Council
- "The New Towns: There Problems and the Future”
Department for Communities and Local Government,
2002.11.21 - 日本エシカル推進協議会(Japan Ethical Initiative) -
エシカル日本 - 明治期廃絶城郭の公園化について ―史跡の保存
活用の前史として― 佐々木孝文 2015.06.26 - 都市とは何か 都市計画なぜ必要か - 東北大学
奥村誠 2015.10.15 - 和歌山市都市計画マスタープラン 和歌山市
2017.01.12 - 和歌山市立地適正化計画 2016.12.22
- 日本型田園都市構想―イギリス田園都市と比較し
京田辺市を見直す―2001.12.11 西村利也 - 田園都市とエソテリシズム 吉村正和 2004.03.05
- 田園都市論の現代的意義 中井検裕 家とまちなみ
45、2003.7.8 - 住宅地計画論 1.ハワードの田園都市構想園都市
- 都市思想の二人の巨人、ジェイコブズとハワード:
宮﨑洋司市 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.06 28 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.07 26 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.07 26 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.07 03 - 平成 28年度 主要事業 彦根市
- 都市づくりの基本方針(全体構想) 彦根市
橋梁長寿命化修繕計画による対策橋梁について
滋賀県 - 彦根市都市計画道路網見直し検討調査
- 「まちづくりはひとづくり」をめざし 市民主導
のまち創る-近世城下町彦根市本町地区の2例の
場合-(これからの都市づくりと都市計画制度全
国市長会) 中島一 2005.05.09 - 中国城郭都市社会史研究 川勝守 著 汲古書院
- 都市計画の世界史、日端康雄 講談社現代新書
- ドイツ流 街づくり読本 水島信
- 続・ドイツ流 街づくり読本 水島信
- 完・ドイツ流 街づくり読本 水島信
- 都市計画1 日本の都市計画制度の概要 大谷英一
- 都市計画2 都市の歴史と都市計画 大谷英一
- 都市計画の理論 系譜と課題 高見沢実編集
- 「道路をどうするのか 五十嵐敬喜・小川明雄 岩
波新書 - 日本の道路史 武部健一 中公新書
- 道のユニバーサルデザイン 鈴木敏 技報堂
- 道路が一番わかる 窪田陽一 技術評論社
- 「道路」についての国際比較 藤井聡 2010.3.14
- 彦根市都市計画道路網見直し指針
- 地域別のまちづくり方針(地域別構想)-彦根市
- 彦根市新市民体育センタ整備基本計画 2016.10.31
- 彦根市立図書館|簡易検索
- 中心市街地の活性化に関する法律 Wikipedia
- 富山市におけるコンパクトなまちづくりの進捗と
展望 2014.11.26 - アウガ Wikipedia
- 富山市 人と環境に優しいまち 公式HP
- 青森市 都市計画マスタープラン 公式HP
- コンパクトシティはなぜ失敗 するのか 富山、
青森から見る居住の自由 2016.11.08, Yahoo!ニュー
ス - <アウガ>2副市長辞任 青森市政混迷増す 河
北新聞 2016.01.28
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