1.ハワードの田園都市構想
2.田園都市論の現代的意義
3.日本型田園都市構想
4.和歌山市都市計画と学園城郭都市
5.近代ニュータウンの系譜
-理想都市像の変遷-
6.世界遺産登録に向けた取り組み
7.街道と湖上交通と都市形成
7-1 稲部遺跡と歴史背景
16日、彦根市は、弥生時代後期から古墳時代中期(2~
5世紀)時代の大規模な遺構が見つかった彦根市稲部町か
ら彦富町にかけての稲部遺跡を保存するため、彦根市は当
初予定していた道路計画を見直す。今後は道路を含めた稲
枝駅西口開発の早期実現を目指す地元側との調整が必要と
する。
17日、同市は稲部遺跡の国の史跡指定を目指すと発表。
市教委文化財課では発掘中の稲部遺跡のうち、重要な遺構
部分の範囲確認を本年度に実施。範囲確認後に国の史跡指
定を受けて、保存整備を行う予定。
市はまた稲部遺跡の保存に伴い、稲枝駅西口の道路計画の
見直しを決定。当初は稲部本庄線と芹橋彦富線をT字路型
に合流させ、稲枝駅につなげる予定だったが、稲部遺跡を
避ける形で新たな路線を築くことになり、総延長も約2百
㍍延びる。
この遺跡は、弥生時代末期から古墳時代初期にかけて、鉄
製の武器や工具を作っていた当時の国内最大規模の鉄器生
産センタだった可能性がある遺構が発見。また古墳時代前
期の巨大な倉庫が建っていたとされる建物跡も見つかり、
当時の物流拠点の中心地だったことが判明する。これらか
ら、稲部遺跡の集落は弥生時代後期から古墳時代中期まで
約400年間続き、3世紀前半の邪馬台国時代には最盛期
を迎え、当時の倭の国にあった約330のクニの1つに数
えられる重要な遺跡として全国的に注目されている。
そこで、疑問になるのは原料の鉄鉱石・砂鉄(平安時代に
砂鉄に一本化する)をどこから調達してきたかと言う点。
弥生時代後期には需給ギャップにより朝鮮半島に依存して
いたという見方が主流、そこで、近江の製鉄技術は渡来人
がもたらしたと考えられているが、朝鮮半島に先立つ事例
はなく、その由来については様々な見方があり、製鉄は当
時の朝鮮半島や中国大陸でも先端技術、機密扱いで、外に
漏れることはなかった故、国内・畿内で調達され、独自に
技術開発されてきたとする見方があるなかでの、稲部遺跡
の発見である(「鉄鉱石の採掘地と製鉄遺跡の関係につい
ての試論―滋賀県の事例を中心に―」注2)。
7-2 湖上交通史
彦根市と街道史についてはすでに、「城郭都市の設計史」
などで触れており、必要に限り記載していくことし、ここ
では、用田政晴 著「信長 船づくりの誤算―湖上交通史
の再検討」注3)を参考に湖上交通と都市形成として記述す
る。
7-2-1 人の移動
全国的に見ると丸木舟の初現は、長崎県伊水力遺跡で縄文
時代早期末(六千年ほど前)、縄文時代前期には、若狭の
鳥浜貝塚でも丸木舟が出土。このころは、全国的に丸木舟
の出土例か増え、琵琶湖でも、4遺跡20例をはるかに越
える全国一の出土例を誇る琵琶湖の丸木舟で、縄文時代後
期以前(約四万年前)のものは知られていない。
彦根市松原内湖遺跡では、内湖のさらに奥まった入り江で
12隻の丸木舟が発見されている。一つの集落には、ある
程度の数の丸木舟があったとされる。こうした丸木舟は、
波が穏やかだと時速3.6キロメートルで航行が可能である
という実験結果もある。また、製作途中の丸木舟とすでに
完成していた丸木舟が、松原内訓遺跡では近接し見つかっ
ている。琵琶湖のほとんどの丸木舟は杉で作られているに
もかかわらず、この未製品は桜の木材が用いられているこ
とや、製作中に舟の中はとがら切断されていることなとが
ら、丸木舟であることを疑問視する向きもあるが、木を火
で焦がしながら削られている。
この項つづく
● 松原内湖遺跡
彦根市の北にはかつて松原内湖が広がり、米原町の入江内
湖と今の矢倉川で一部がつながっていた。戦後の干拓事業
でその多くは水田になってしまったが、旧松原内湖の東側
湖岸付近は、山に囲まれた内湖で、さらに湾のような地形
であった。このかつての湾に面した湖岸付近が松原内湖遺
跡として知られ、下水道東北部浄化センター建設に先立ち、
1985年から87年にわたって発掘調査が実施。その結
果、旧内湖の湖岸およびその沖のヨシが堆積してできた厚
い腐植土層から、縄文時代後期~古墳時代を中心としたた
くさんの遺物が出土。この層は、一般にスクモと呼んでい
るが、これは非常に軟弱な層で水分をたくさん含んでいる。
近くでバックボーなどの重機が作業していると地面がゆら
ゆらとゆっくり揺れるほどである。それだけに木製品の保
存状況は非常に良かった。余談になるが、今は下水処理場
であるが、天保年間以降の彦根藩の火薬庫跡も発掘されて
いる。中でも12隻見つかった縄文時代後期を中心とする
丸木舟は、琵琶湖周辺での遺跡の中では最も多い出土量。
縄文時代晩期の四弦琴、弥生時代の小銅鐸として使われた
銅織、古墳時代の木製短甲、蓋、奈良時代の巻胎漆器をは
じめ多くの木裂品は、注目を集める。
【脚注及びリンク】
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- 古代の都支えた湖畔の製鉄炉 古きを歩けば(49)源
内峠遺跡 2013.03.12 NIKKE STYLE - 鉄鉱石の採掘地と製鉄遺跡の関係についての試論―
滋賀県の事例を中心に―」(大道和人 滋賀県文化財
保護協会紀要 No.9 2012.06.08 - 淡海文庫 「信長 船づくりの誤算―湖上交通史の再
検討」用田 政晴【著】1997.07.20 - 世界遺産の保全と住民生活-「白川郷」を事例とし
て-」才津祐美子、福岡工業大学、環境社会学研究
(12)、 23-40、2006-10-31) - NPO法人 彦根景観フォーラム 第4回世界遺産を目
指す彦根の課題 2008.02.29 - 世界遺産所在自治体の保全と観光活用に関する取組
事例集 国交省観光庁 2014.10.24 - 世界遺産登録による経済波及効果の分析 えひめ地
域政策研究センタ 2007.01.11 - 世界遺産登録と持続可能な観光地づくりに関する一
考察『地域政策研究』(高崎経済大学地域政策学会)
新井直樹 第11巻,第2号,2008年9月 - 世界遺産を活用した観光振興のあり方に関する研究
運輸政策研究所 第35回 研究報告会 小室充弘
2015.08.05 - 世界遺産登録に向けた取り組み(2014年度)彦根市
- 世界遺産に登録されるまで|世界遺産検定 NPO法
人 世界遺産アカデミー - 高句麗平壌城の都市形態と設計 閔徳植、 国際日本
文化研究センター学術リポジトリ - 松本市の都市計画 松本市
- ひこにゃんがいてもダメ? 彦根城はなぜ世界遺産
になれないのか 週刊朝日 2013年6月28日号 - 利用者が“便利”だと思えるパーク&ライド ECO
JAPAN インタビュー前編 2007.03.02 - 利用者が“便利”だと思えるパーク&ライド ECO
JAPAN インタビュー後編 2007.03.09 - 第1回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々
木啓明 2011.10.05 - 第2回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々
木啓明 2011.10.07 - 第3回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々
木啓明 2011.10.19 - 第4回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々
木啓明 2011.10.26 - 第8次彦根市交通安全計画 2012,03.22
- Core Strategy (2013) - Milton Keynes Council
- "The New Towns: There Problems and the Future”
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2002.11.21 - 日本エシカル推進協議会(Japan Ethical Initiative) -
エシカル日本 - 明治期廃絶城郭の公園化について ―史跡の保存
活用の前史として― 佐々木孝文 2015.06.26 - 都市とは何か 都市計画なぜ必要か - 東北大学
奥村誠 2015.10.15 - 和歌山市都市計画マスタープラン 和歌山市
2017.01.12 - 和歌山市立地適正化計画 2016.12.22
- 日本型田園都市構想―イギリス田園都市と比較し
京田辺市を見直す―2001.12.11 西村利也 - 田園都市とエソテリシズム 吉村正和 2004.03.05
- 田園都市論の現代的意義 中井検裕 家とまちなみ
45、2003.7.8 - 住宅地計画論 1.ハワードの田園都市構想園都市
- 都市思想の二人の巨人、ジェイコブズとハワード:
宮﨑洋司市 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.06 28 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.07 26 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.07 26 - 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
佐藤健正、2016.07 03 - 平成 28年度 主要事業 彦根市
- 都市づくりの基本方針(全体構想) 彦根市 橋梁長寿
命化修繕計画による対策橋梁について
滋賀県 - 彦根市都市計画道路網見直し検討調査
- 「まちづくりはひとづくり」をめざし 市民主導
のまち創る-近世城下町彦根市本町地区の2例の
場合-(これからの都市づくりと都市計画制度全
国市長会) 中島一 2005.05.09 - 中国城郭都市社会史研究 川勝守 著 汲古書院
- 都市計画の世界史、日端康雄 講談社現代新書
- ドイツ流 街づくり読本 水島信
- 続・ドイツ流 街づくり読本 水島信
- 完・ドイツ流 街づくり読本 水島信
- 都市計画1 日本の都市計画制度の概要 大谷英一
- 都市計画2 都市の歴史と都市計画 大谷英一
- 都市計画の理論 系譜と課題 高見沢実編集
- 「道路をどうするのか 五十嵐敬喜・小川明雄 岩
波新書 - 日本の道路史 武部健一 中公新書
- 道のユニバーサルデザイン 鈴木敏 技報堂
- 道路が一番わかる 窪田陽一 技術評論社
- 「道路」についての国際比較 藤井聡 2010.3.14
- 彦根市都市計画道路網見直し指針
- 地域別のまちづくり方針(地域別構想)-彦根市
- 彦根市新市民体育センタ整備基本計画 2016.10.31
- 彦根市立図書館|簡易検索
- 中心市街地の活性化に関する法律 Wikipedia
- 富山市におけるコンパクトなまちづくりの進捗と展望
2014.11.26 - アウガ Wikipedia
- 富山市 人と環境に優しいまち 公式HP
- 青森市 都市計画マスタープラン 公式HP
- コンパクトシティはなぜ失敗 するのか 富山、
青森から見る居住の自由 2016.11.08, Yahoo!ニュース - <アウガ>2副市長辞任 青森市政混迷増す 河北
新聞 2016.01.28
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