どうしたら部下がやる気を起こすか。
管理職セミナーに講師として参加したとき、ある会社の営業支店長で、十数人のセールスマンを抱えるFさんから、そんな質問を受けた。
業績が悪いので職場の意識改革を行い、何とか成績を良くしたいという。
柔道選手のようなガッチリした体格のFさんを見て、「根性とか忍耐とか書いた色紙を飾ったりしていませんよね」と聞いて見ると、心配したとおり「根性!!」と大書きした模造紙が、掛け時計の横に貼ってあるという。
根性がいけないわけではない。しかし、トップダウン式に「根性」を強要し、叱咤激励してその気にさせるのは、もう時代遅れのやり方だ。
テレビでもスポ根ものは流行らない。
経済成長期のピラミッド型マネージメントの中では役立ったけれど、ビジネスマンのプロ化時代にはもう通用しない。
私がFさんにアドバイスしたのは、ホメるということだ。
古くからある手法だが、これを実践している管理職は皆無に等しい。
欠点を指摘するのでなく、ホメてホメてホメまくる。
ホメるところが無くなったら、欠点までホメ上げてしまうくらい、徹底的にホメまくるのだ。
「本人がそれに自信を持てば、弱点も長所に変わる」というのがツキの大原則だった。
また、期待して期待して、期待しまくる。
なぜなら、「周りの人にどう思われるかが、人間を変える」というツキの大原則があるからだ。