啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ゴゼンタチバナ」 「オオバノヨツバムグラ」 「ホソバコゴメグサ」

2016-08-01 12:45:14 | 高山植物
 「ゴゼンタチバナ」  ミズキ科
 和名、御前橘。名は、発見地の石川県、白山のピーク(峰)名、御前峰に由来するという。白く、4枚の花びらのように見えるのはガク。そのガクに包まれて、真ん中に集まっているのが本来の花。非常に小さく、秋には赤い果実が数個つく。その果実が、橘に似ていることから、ゴゼンタチバナ。葉は輪生。すべてに花がさくかというと、そうでもなさそう。葉が、個体のように、6枚でないと花は咲かないという。確かに、4枚の葉では、花は咲いていなかった。草丈、10cm位、日陰の中で、白と緑色のコントラストが清らかで雅な名。

「オオバノヨツバムグラ」  アカネ科
 同行者に、これ、なんていう名前ですか?と尋ねられ、すぐ名前が出て来ない。姿、形、葉の様子から、ムグラと思うけれど・・とお答えした。図鑑でしらべたら、オオバノヨツバムグラと判明。ホッ・・。ヨツバというように、4枚の葉、4枚の花びら。尾瀬を代表する花というのではなく、気にかけていないと、人には気づかれない地味目な花。

「ホソバコゴメグサ」 ゴマノハグサ科
 細葉小米草。個体に関して、手持ちの資料乏しく、ネットを参考にさせていただいた。個体は、限られた場所にしか生存していないらしく、至仏山、笠ケ岳、月山、谷川岳などの、乾いた草地にしか分布していないという。1年草なので、今年あった場所に、必ず来年も同じように咲く、とは限らないとのことだ。唇形で、全体的に白く、黄色い斑点が、1つあるのが特徴という。何気なく撮った写真だけれど、貴重な1枚となった。
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「モミジカラマツ」 「キンコウカ」 「ギンリョウソウ」

2016-07-29 11:16:21 | 高山植物
 「モミジカラマツ」  キンポウゲ科
 草原で、ひときわ目立つ真っ白な花、モミジカラマツ(紅葉唐松)。花径、1cm位、糸のように、花びらが細かく、散らばって咲いている姿は、楚々として、優しく可愛らしい。花が、カラマツの葉の付き方に似ていること、葉が、モミジの葉に似ていることからの命名という。カラマツソウにも、いろいろな種類があるが、葉をみれば、容易に区別できる。花言葉「光栄」。清らかな個体をみることができ、私も光栄です。

「キンコウカ」  ユリ科
 鮮やかな黄色の花。キンコウカは、「金黄花」、「金光花」とも記すようだ。黄色の花びらが、草原では確かに、光を放って、輝いて見える。草丈、30cm位、多年草。下から開花し、個体には毒性があるという。

「ギンリョウソウ」  イチヤクソウ科
 何だか不気味。真っ白で、形がかなりインパクトがある。至仏山への登山道脇、やや湿った林の中で発見。個体は、気にかけていないと、なかなかみられないというが、以前、登山した折、夫から教えられたので、おおよそ場所は記憶していた。腐生植物。印象の強い花だけに、怖いもの見たさのように、再度みたくなる変な花、と言ったらかわいそうかな?
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「ハクサンチドリ」と「ホソバツメクサ」

2016-07-26 17:51:28 | 高山植物
 インドネシアから、日本に嫁いだ女性を、友人から紹介された。光栄なことに、以前から会いたいと思っていたとのことで、本日、実現した。40代前半の彼女は、日本語が達者。なのに・・友人(英語ペラペラ)は、会話は英語で大丈夫、と彼女に告げている。ダメだよ~と心の内では、強く思ったのだが、私の顔は、ちょっと微笑んで・・グレーな感じ。ボディランゲージで四苦八苦しながらも、何とかクリア。時々、よその国の方とお会いするチャンスがあるのだが、そのたびに自己嫌悪に陥る。将来、英語を話すことがあるのか未知数だが、ボケ防止の環境づくりと思って、少し、お勉強頑張ろうか?
 「ハクサンチドリ」  ラン科
 ハクサンチドリは和名で白山千鳥。名前が素敵。石川県の白山に、多く生えることからつけられた名前、と図鑑に記されていた。花色は、本来ならば、もう少し紅色が強い。草丈、30cm位で、多年草。花がとがって、茎の先にまとまって咲く。背丈の低い緑の草の中で、鮮やかな花は、際立つ美しさ。

「ホソバツメクサ」  ナデシコ科
 岩場の、たくさんの石に挟まれて、白い小花が、まとまって咲いている。草丈、10cm位で、もしかすると、あまり、意識されそうにない、地味な花だが、高山に咲くけなげな花。ホソバツメクサは細葉爪草。葉の形が、鳥の爪に似ていることからの命名という。長期間、雪に閉ざされ、厳しい風雨に耐え、7月上旬から8月上旬の短期間、精一杯美しく咲き、世代をつなぐ。
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「タカネナデシコ」と「タカネバラ」

2016-07-23 15:35:15 | 高山植物
 「タカネナデシコ」  ナデシコ科
 彼の歌は、平和を願う数々の言葉に満ちていた。“今日は、皆さんが聴きたいと思う曲より、僕が歌いたいと思う曲を歌います”という言葉のとおり、当方が知っていたのは、案山子くらい。約、2000人が入る会場は満席で、およそ3時間、興奮と笑いの渦。会場を、どっと巻き込む手腕は、さすがプロ。以前、著書「眉山」を読んで、感動した記憶があるが、豊富な想像力と語彙力はさすが。美しい歌声、ギターやバイオリンの調べ、巧みな話術・・まるで、魔法にかかった心境。初めて、さだまさし氏のコンサートだったけれど、彼の持つ上質な価値観に、少し触れた思いだった。
 さて、これから数回、高山植物にお付き合いください。
 小さな石が、瓦礫のように崩れている岩場から、ピンク色の花を咲かせるタカネナデシコ(高嶺撫子)。実際は、個体よりもっとピンク色。花は、カワラナデシコよりもっと切れ込みが深い。強風が吹けば、花がちぎれて、バラバラになってしまいそうで頼りないが、草丈、20cm位の美しい花だ。

「 タカネバラ 」  バラ科
 ガレ場は歩幅も狭く、長時間の歩行は、身にこたえる。写真を撮る元気もなく、カメラをザックにおさめてしまったが、やはり珍しい花に出会うと・・。当方、ザックを背負ったまま、仲間にカメラを取り出してもらい、ようやく撮影。(高嶺薔薇)。当家にある、ハマナスに似ていると思った。ほのかな香があり、50cm位の高さ。岩場の中で、ひときわ目立つ美しさ。
 タカネナデシコにしても、タカネバラにしても、高嶺の花!
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「ユキワリソウ」

2016-04-06 16:04:45 | 高山植物
 ミスミソウ (三角草) キンポウゲ科
 長岡のIさんから「ユキワリソウのお祭りが、4月3日までなので、来られる?」との連絡を受けたが、3月下旬から4月上旬にかけて、旅行、結婚式、ボランティア活動、その他諸々の行事でハードスケジュール。せっかくのお誘いなのに、伺えなくて、本当に残念で、残念でしかたなかった。いつも、ご夫妻で待っていてくださるのに・・・悲しい。そして、親切にも、越後丘陵公園、雪国植物園のリーフレットを送ってくださり、さらに、ご自宅での“雪割草„をラインで送ってくださった。それらを、パソコンにとりいれ、サイズの処理をし、アップさせていただいたのが、この一枚。デリケートな植物なのに、このように見事に花を咲かせるには、愛がないと出来ない事だと思う。
 ミスミソウは、別名ユキワリソウ(雪割草)ともいう。葉っぱの形に特徴があり、葉が、3つに分かれ、しかも先がとがっている(三つの角のある草)なので、それが名前のいわれになっている。一方、ユキワリソウは、冬に降り積もった雪を割るように茎を伸ばし、花を咲かせる様子にちなんで、つけた名とも。Iさんが送ってくださった写真には、木立の中で、群生して咲いている画像もあった。白色、ピンク色、ブルー、紫色の花が可憐。
 新潟県では、県の草花に指定されているという。以前、夫からピンク色のユキワリソウをプレゼントしてもらったことがあったが、数年は、細々とでも咲いていたのだが、今は絶えてしまった。いくら、山野草の土を入れても、高山植物は、群馬の乾燥した土地では適応しないのかも知れない。花言葉「信頼、自信、期待、和解、優雅、はにかみや・・・」など多数あり。
 「日程があったら、いつでもお待ちしています」とお手紙が添えられていたが、美しい里山の風景の資料を眺めていたら、明日にでも飛んでいきたい気持ちになった。
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池の平湿原の花 Ⅳ 「アキノキリンソウ」 「ヤナギランの実」

2013-09-30 19:42:52 | 高山植物
「アキノキリンソウ」 キク科

多年草。高さ70〜80cm位。8月〜10月に黄色の鮮やかな花をたくさんつける。その花穂の形を、酒が発酵するときの泡立ちに見立てて、別名をアワダチソウ(泡立ち草)とも呼ばれるのだそうだ。草原から明るい森林に生育する。当家にも数本、アキノキリンソウは咲いているが、夏の暑い日差しにさらされ、葉がやや茶色にやけてしまいあわれ。やはり、山のものは山で見るのが一番美しいのですね。

ヤナギランの実 アカバナ科

湿原を彩る代表的な花で、池の平には、いたるところに群生していて知名度が高い。花期は6月〜8月。個体のものは、その実。群生しているところでは、あたり一面綿の海。果実は細長く、綿毛をつけた種子が風にのり飛び散る。花の咲き誇る季節も、豪華で美しいが、役目を終え、次にバトンタッチしていく過程の姿も、わびしさと共に凛とした美しさを感じた。
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池の平湿原の花 Ⅲ 「ゴゼンタチバナ」 「イワインチン」

2013-09-28 17:33:16 | 高山植物
「ゴゼンタチバナ」 ミズキ科

高さ5〜15cm位の常緑半低木。花期は夏。花の色は白。林の中で育つ日陰の花。和名は「御前橘」で、発見地の石川県白山の御前峰(ごぜんがみね)とカラタチバナに似た赤い果実が名の由来という。湿原に行く山中、何度か目にしたが、よく見ると葉が、4枚のもの、5枚、6枚とさまざま。これらすべてに実がついているわけではなかった。当地の方に伺ったところ、葉が6枚ないと絶対に実をつけないとのこと。そういわれて観察していると、実際その通りであった。


「イワインチン」 キク科

別名「イワヨモギ」。インチンとはヨモギの漢名。東北地方から南アルプスにかけて分布。日当たりのよい乾いた草地や岩がれ地に生える多年草。黄色の小花が密集してつく。開花は8月〜9月。日本固有種。草丈10〜30cm位。葉は深くさけ互生。あちらこちらで目にした珍しい名の植物。他の花が終わるころに咲く。花の少ない登山道で、黄色は鮮やかできわだっていた。
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池の平湿原の花 Ⅱ 「ヤマハハコ」 「シラタマの木の果実」

2013-09-27 12:07:31 | 高山植物
「ヤマハハコ」 キク科

多年草。高さ30〜70cm位。山地の日当たりのよい草原などに群生。花期は8月〜9月。枝の先に多数の花をつける。過去に、これとよく似た植物を記憶していたが、なかなか名前がわからず悩んでいたところ、丁度登山道で出会った当地の管理員の方が、個体のものは「ヤマハハコ」と教えてくださった。「これが、ヤマハハコとわかる決定的な特徴は何ですか?」とお尋ねしたら「葉のテリ」と教えていただいた。現物で確認すると、確かに細い葉にはツヤがあり、こんな細かい部分まで知識がないと植物の名が特定できないのかと、またまた落ち込んでしまった。

「シラタマの木の果実」 ツツジ科

常緑小低木。亜高山や高山の林の縁や草原に生える。枝は地を這う。葉は楕円形で互生、縁はギザギザがあり硬い。花は7月ごろに、可愛らしいちょうちんのような形で、下向きに咲く。個体のように白玉になるのは9月。
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池の平湿原の花 「オヤマリンドウ」 「マツムシソウ」  

2013-09-25 13:50:21 | 高山植物
「オヤマリンドウ」 リンドウ科

秋の湿原を代表する花の一つ。多年草。実は「エゾリンドウかな?」(蝦夷竜胆)とも思い、判断が難しいのだが、「オヤマリンドウ」は(御山竜胆)は青紫色の釣鐘形で、茎の先に数個集めてつけるが、開花時でもあまり開かないという特徴がある。それに対し「エゾリンドウ」は花つきが良く、茎の上部に何段かにわたって花をつけるので、私は個体のものは「オヤマリンドウ」と思うのだが、違っていたらご指摘ください。


「マツムシソウ」 マツムシソウ科

夏から秋にかけ紫色の花をつける。マツムシが鳴く頃に咲くことからつけられたという。この花との最初の出会いは、数年前の高峰高原。花の色が、淡く気品があり、風にそよぐ姿が可憐そのもの。なんとなくせつなさを感じ印象深かった。とても美しく大好きな花だ。

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尾瀬の花 Ⅶ 「ヨツバヒヨドリ」 「ハンゴンソウ」

2013-09-05 11:10:41 | 高山植物
「ヨツバヒヨドリ」 キク科

昨夏、8月下旬 東電小屋の周辺に個体の花が群生していた。「もう、フジバカマが咲いているんだね」と言ったら、Ⅿさん「それはフジバカマの仲間だけれどヨツバヒヨドリだよ」と教えてくれた。よーく似ていて区別が難しいが、やはり注目は葉。
フジバカマ・・・・・一枚の葉先が3つに深くさけている。
ヨツバヒヨドリ・・・葉が4枚(3〜5枚もある)輪生。
その他ヒヨドリバナというのもあり、なかなか厄介ですね。名の由来は、ヨツバヒヨドリの花は、枯れてよく燃え、ひおこしの材料になるから、「ひおこし」から火を取る(ひおとる)に転嫁してヒヨドリの名になったのだそうだ。これは、山の鼻周辺で撮影した。


「ハンゴンソウ」 キク科

またまた難解な植物。花期は8月上旬〜9月上旬。茎の上部に2cm位の黄色の花をたくさんつける。高さ1・2〜2m位。キオンによく似ているが、見分け方はやはり葉に注目。深い切れ込みを持つ手のひらの形。漢字で「反魂草」。盂蘭盆会のころに咲くことに由来しているという。
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