啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「戸神山とフユノハナワラビ」

2023-11-25 14:19:45 | 里山
「フユノハナワラビ」 ハナヤスリ科
 「ツーツーピィー」やや金属的なさえずりがようやく聞こえた・・待ちわびたヤマガラ。私の手のひらには、ヒマワリの種や細かく砕いたクルミの実をのせ、腕を伸ばし、「その時」を待つ。
「今頃きたの?私達もうお腹いっぱいだわ」と言わんばかりの素振りで、ちょこんと手のひらに止まり、頭を左右に振り、可愛い目で私を見た‼ 目が合った! 絶対あった‼くちばしで餌を選り好みし、ちょこんと口にくわえ、素早く飛び去ってしまった。手のひらには、可愛い足のちょっとくすぐったい感触が、今も残る。
 22日、小春日和。まさに山歩き最高の日。11月下旬なのに、800m近い山頂では半袖。ここは戸神山。紅葉真っ最中。3回目の山歩き。自身の好きな山、ベスト5に入る。それは、短時間で登れること、急な岩場が連続し、真正面を直登するが、適度にクサリやロープがあるものの危険はない。「いくら足が長くても、大股で歩くんじゃないよぉ~」と同行者に時々注意される。山頂は360度のパノラマ。武尊山、迦葉山、三峯山、赤城山、子持山、浅間山・・遠くには小さくうっすら富士山も。そして、そしてお目当てはヤマガラに会えること。今回も大満足の山歩き。

下山中、見つけた花は「フユノハナワラビ」。初冬に葉を出し、ワラビの花に似ていることからの命名という。個体を知らなければ、見過ごしてしまいそうな地味な感があるが、どことなく特徴がある姿なので、一度覚えてしまえば、きっと記憶に残ることでしょう。

雪を頂いた谷川岳。
 
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「ぐんま百名山・・崇台山」

2022-01-11 16:40:58 | 里山
 崇台山(そうだいさん)は里山。何と299mという低山ながら、実はぐんま百名山の一つに数えられている。ガイドブックにさえ載っていない山なのに・・。しかし、頂上では、その展望に驚かされた。360°の大パノラマ。上毛三山はもちろんのこと県内の山々、遠方は筑波山、八ヶ岳までの素晴らしい眺望!9日(日曜日)は快晴、絶好の山歩き日和。
 「春は桜がきれいなのよ」と案内してくれたのは地元のCさん。低山でハイキング感覚なのだけれど、彼女は多方面からアプローチしてくれ、冬の山を充分に愉しんだ。頂上では、地元の人に親切にして頂いた。地元の山には、誇りと情熱があり、こだわりを持った人が多いかも知れない。たとえ低山であっても山は気持ちがいい。山に入ると、傷んだ心をも沈めてくれる力があるように思う。自然が包み込んでくれるような気持になるのはなぜだろう・・。
 「ぐんまの山々」の過去の登山記憶をたどってみると、草津白根山、至仏山、浅間隠山、妙義山、榛名富士、水沢山、赤城山は連山なので荒山、鍋割山、黒檜山、地蔵岳、長七郎山、近くは牛伏山、観音山、庚申山、桜山、子王山、高崎自然歩道そして崇台山。その他玉原湿原、尾瀬ケ原・尾瀬沼あたり。中には2000m級の山もあるけれど、低山もたくさんある。今後、どれほどの山に行けるのかと考えるけれど、県内の山々をひとつ一つ愉しみながら、その山の魅力をアップ出来たら嬉しい。
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近づく雨の季節」

2019-05-14 13:54:19 | 里山
 「ミヤコワスレ」  キク科
 草むしりをしていた手元から、突然ピョンとジャンプし、飛び出した茶色のカエル。長い冬眠から目覚めたようだ。彼らは、11月頃から春先まで、およそ4か月程冬眠するらしいが、その場所は、落ち葉や石の下にもいるという。気温が上昇し、暖かくなり眠りから覚めたのだろう。すると、すぐに聴こえてくるのは、あの独特な鳴き声。特に、静まり返った夜などに耳にすると、思わず聴き入ってしまい、哀愁をおぼえる。
 古池や・・・・  やせ蛙負けるな・・・  童謡でも歌われているように、カエルの存在は身近だ。
自身にとり、カエルと言えば雨。まもなくやってくる梅雨。きっと、賑やかな合唱が聴こえてくるのだろう。
 ミヤコワスレ(都忘れ)。鎌倉幕府、承久の乱で、順徳上皇は佐渡に流され、20年余暮らす中で、時に、この花に慰められ、都恋しさを忘れた、とある書物に記されていた。そんな由来を持っている花。紫色の上品な色合いは、どことなく雅な印象を受ける。
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「えちご 雪割草街道 後編」

2019-03-26 19:02:26 | 里山
 「カタクリ」 ユリ科
 雪国の里山をそのままに、48万株のユキワリソウが群生する雪国植物園。のべ1万8千人もの市民ボランティアが参加して造成したという。手入れが行き届いた里山は、実に気持ちがよく、居心地がよい。ミズバショウ、フクジュソウ、ショウジョウバカマ、オウレン、キクザキイチゲ、ナニワズ・・・全てが大自然と調和し、絵本のような世界が広がっている。もうじき雑木林には若葉がしげり、そのもとには可憐な山野草が咲き乱れ、里山を彩ってゆくのにちがいない。
 白色のカタクリがあります、とガイドさんに案内されたその場所は、一面のピンク色。その中に、ポツンと咲いていた白色の花。この上品な佇まい・・表現する言葉が見つからない。雨で中の様子が見えない。晴れていれば、絵筆で描いた美しさが見えるのに。カタクリは、種がこぼれてから花が咲くまで、8年かかるという。

チョウジサクラ
 まだ、冬枯れの里山に、何と桜が咲いていた。説明によれば、チョウジは、丁字であって、花の形を横から見ると丁の字に見えることからの命名という。どうですか?・・横向きのサクラ”丁”に文字に見えますか?
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「受け継ぐDNA」

2019-03-15 10:20:55 | 里山
 「ヒメリュウキンカ」  キンポウゲ科
 男爵、キタアカリ、メイクイーンこれらは、じゃがいもの種類。JAの店先には、多種類の種が並べられている。今年初めての畑仕事は、じゃがいもの植え付け。とはいっても、当家では僅かばかりで、ままごと状態なのだが。苦土石灰、堆肥、化学肥料をまいて耕し、畝を作る。種イモを切り、木灰で乾燥させてから植え付ける。他人からは、スーパーで買った方が早い、といわれるけれど、親が土と共に生活してきたし、そんな関わり方を見てきたものだから、そのDNAを自身も受け継いでいるのかもしれない。4月中頃になれば、芽が出て茎や葉がグングン伸び、花が咲く・・待ち遠しい。
 ヒメリュウキンカ(姫立金花)。鉢に植えた個体を、そのまま土に埋め、かれこれ3年は過ぎただろうか。植え替えもせず、肥料も気がついたときだけ、という自身の怠け者ぶりで、春先になると、花が咲いてくれるだろうか、とヒヤヒヤする。しかし、この心配をよそに、この花、なかなかの根性持ち。寒さにも、乾燥にも、暑さにだって強い。草丈15cm程度、黄色の花は春の色。
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「えちご 雪割草街道 雪国植物園」 (後編)

2018-04-13 10:00:42 | 里山
 「コシノコバイモ」 ユリ科
 「この花が川中美幸、ニリンソウです」 「あらっ、こっち3本茎があるんですけど・・」 「それはフリンソウです」と。何食わぬ顔で、しら~とおっしゃるボランティアガイドさん。うふっふ~。完全に、Over Sixtyと思われる男性のガイドさん。とっても親切な方で、植物の説明を丁寧にしてくださり、草花に”愛”を持って接してことを、そして、植物園を大切に思うお気持ちを、言葉の端ばしに感じた。私は、写真を撮るので、つい遅れ気味になるのだが、時々、時間調整をして待ってくださった。ガイドさんがいなかったら、”この花の名前、何だろう”と疑問を抱えたままの状態で、散策したように思う。
 数年前、夫のもとに、”雪国植物園の花々、二百選”の本をIさんから頂き、よくながめていたので、どうしても一度訪れたいと考えていた。予想通り、素敵な里山で、自然の中を楽しみながら、ゆっくりと散策でき、心の栄養をたくさん頂いた。
 コシノコバイモ、何と可愛いのでしょう。初めてであった花だけれど、どこかで見たような? あれっ、バイモユリに似ているよ。勿論、葉などは全く違うけれど、花が似ている。早速、図鑑で調べると、球根を貝に見立てたもので、越(こし)の小さな貝母(ばいも)と記されてあった。”どおりで”と納得。草丈、10cm程、小さな花なので、近距離から見たいと思った。

 「イワウチワ」 イワウメ科
 葉の形が団扇(うちわ)に似ていることからの命名。岩陰や岩場に多く生える、とされるようだが、必ずしも岩場とは限らないとのこと。淡いピンクの優しそうな色は、甘くせつない初恋の色。草丈10センチ程、小さくて、目立たないようで目立つ山野草。
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「えちご 雪割草街道 雪国植物園 (前編)

2018-04-10 20:57:15 | 里山
 長岡駅から車でおよそ30分、東京ドーム7つ半の広さを持つ里山、雪国植物園。ここは、越後の里山の自然をそのまま利用した自然植物園。友人のIさんも、里山づくりに一役買い、樹木1本くらいにはなったかな、とおっしゃっていた。萌え出づる若葉と青い空。緩やかな斜面には、山野草が春を待ち構えていたかのように咲きほこる。ユキワリソウ、ミズバショウ、カタクリ、ザゼンソウ、キクザキイチゲ、イカリソウ、シュンラン、ニリンソウ、ホクリクネコノメソウ、エンレイソウ、コシノコバイモ・・なんとシラネアオイまでも。樹木では、純白の花、タムシバ、淡い黄色の花をつけたクロモジも、やわらかな春の陽をうけて輝く。全部アップしたい草花だけれど・・
 「ユキワリソウ」 キンポウゲ科
 見てください、この可憐な花。斜面のあちこちに、淡いピンク、淡い紫、白色など、何とも言えない美しさ。雪にじっと耐え、春を待ち焦がれて咲いた花かと思うと、可愛さが一層つのる。言葉はいらない。ただ、ただ眺めていたい花。

 「サンカヨウ」 メギ科
 好きな花。自宅では、育たないことを覚悟して、あまりの美しさについ買い求めてしまい、庭に植えてみたものの、わずか2年程で絶えてしまった。日陰の湿った場所を好み、フキのような大きな葉に、白い小花がいくつも顔を出す。上品で清楚。知らなければ、通り過ぎてしまいそうな花だけれど、ひっそりと咲き、主張しない魅力的な花が好き。
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「えちご 雪割草街道  大崎雪割草の里」

2018-04-07 21:03:21 | 里山
 ”雪割草を見にいらっしゃい”。長岡駅で迎えてくれたIさん夫妻。ご自宅に伺えば、それぞれの鉢に、種類の異なる可憐な、珍しい雪割草の数々、玄関の植え込みには、清楚な白い花、一人静が佇んでいた。長岡で、友人Nさんが同乗し、向かった先は、田中角栄元首相が好んだという”のっぺ”を、角さんの台所というレストランで堪能。勿論、お米も美味しい。さらに車を走らせ、大崎雪割草の里へ。約30万株が群生とのこと。しかし、訪れたのは、閉園2日前、花も終盤。従って、雪割草は次回アップの予定。園にはその他たくさんの花が咲いていたが、初めて出会った、面白い植物を掲載したい。
 「コシノカンアオイ」  ウマノスズクサ科
 これって花? 不思議・・。果実が熟して、はじけ落ちたような姿で、ペタッと土にくっついているかに見える、変わった花。花びらに触れていないので分からないが、パッと見た感じでは、硬そうな印象。漢字で、越の寒葵。越は、最初の発見地の越後、寒葵は、冬でも枯れない葵に似た葉の植物からの命名とか。なお、図鑑には、コシノカンアオイはギフチョウが葉の裏に卵をうみつけ、幼虫は、その葉を食べて育つと記載。なお、方言でブンブクチャガマとも言うらしいが、当方、想像の翼を働かせても、この花から、ブンブクチャガマがちょっと・・?

 「キンギョバツバキ」
 もし、植物の横にネームが示されていなかったら、その存在に気がつかず、通り過ぎるところだった。名を見たときは、どこで区切って読むのか戸惑ったが、葉を見てすぐに納得。ねっ、ねっ 葉っぱがキンギョみたいでしょう?日本海の強い風に吹かれ、葉が痛んだのかと思ったが、どの葉をみても、皆こんな形をしているのです。ユニークですね~。
 
 
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「ガマズミ・・・たぶん」

2015-10-12 09:47:32 | 里山
「ガマズミの実」 スイカズラ科
 朝からぬけるような青空。空気は澄み、まさに行楽、洗濯日和。気持ちの良い一日となりそうだ。この天気に誘われてか、野鳥達も賑やかにのど自慢。たくさんの鉦を、ならしてあげたくなるほど上手。
 実りの秋というけれど、当家の柿もだいぶ色づき、甘くなったのか、野鳥がつついて、無惨な実もちらほら。近所の家のフェンスには、アケビのツルがからみ、大きな実が紫色に熟し、なかには、割れて黒い種が見え、白い果肉があらわれている。このアケビ、美味というほどでもないが、口に含めば、ほのかに甘く、独特な食感だ。山に行けば、ご馳走になること間違いがない。また、秋の楽しみは、色とりどりの実が見られることだ。当家の庭の片隅では、きれいに色づいた、ムラサキシキブの実、ハマナスの実が青空に輝いている。
 “あの時、もっとしっかり聞いておけばよかった”と思うことがしばしば。山に野に、河原の堤を散歩している時でも、夫に植物の名前を尋ねれば、ほとんど教えてくれる。その時は、“なるほどね”と覚えたつもりでいたが、今になると、こころもとない名前が多い。たぶん“音”として聞いていたのでしょう。忘れても、いつでも聞けば教えてもらえる、という安易な気持ちでいたので、何時になっても、名前が覚えられない。このガマズミもその一つ。
初夏には白い小花をたくさんつけ、秋には真っ赤に熟す。この赤色が、何ともあざやかで美しい。たぶん、ガマズミ・・・と思う。
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「キブシ」

2014-04-06 07:22:15 | 里山
「キブシ」キブシ科
「春眠 暁を覚えず 処処啼鳥をきく・・・・・」と孟浩然の詩にあるように、春の夜が、しらじらとあけはじめた頃の眠りは、格別快いものに感じた、一昔前までは。最近は、朝早く目が覚めてしまい、ウトウトすることもできず、すぐに起きてしまう。「眠る」という行為そのものに、体力が必要という事か。けれど、春の昼はちょっと違う。光はのどかで明るい。身体もなんとなくものうく、ついウトウト眠りたくなる。そして、ついにお昼寝タイム。これって体力はどうなの?
野山で、いち早く春を告げるキブシ。別名黄藤。高さ3m位。落葉低木。日かげ、林のへり、谷ぞいで見られる。葉より先に、短い釣鐘形の花を連ねた房を、枝にたくさんつけ、まるで、かんざしのようだ。可愛らしく、房の列が連なる姿は見事!色は淡い黄色。優しく、春の息吹を感じる。
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