啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

池の平湿原の花 Ⅳ 「アキノキリンソウ」 「ヤナギランの実」

2013-09-30 19:42:52 | 高山植物
「アキノキリンソウ」 キク科

多年草。高さ70〜80cm位。8月〜10月に黄色の鮮やかな花をたくさんつける。その花穂の形を、酒が発酵するときの泡立ちに見立てて、別名をアワダチソウ(泡立ち草)とも呼ばれるのだそうだ。草原から明るい森林に生育する。当家にも数本、アキノキリンソウは咲いているが、夏の暑い日差しにさらされ、葉がやや茶色にやけてしまいあわれ。やはり、山のものは山で見るのが一番美しいのですね。

ヤナギランの実 アカバナ科

湿原を彩る代表的な花で、池の平には、いたるところに群生していて知名度が高い。花期は6月〜8月。個体のものは、その実。群生しているところでは、あたり一面綿の海。果実は細長く、綿毛をつけた種子が風にのり飛び散る。花の咲き誇る季節も、豪華で美しいが、役目を終え、次にバトンタッチしていく過程の姿も、わびしさと共に凛とした美しさを感じた。
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池の平湿原の花 Ⅲ 「ゴゼンタチバナ」 「イワインチン」

2013-09-28 17:33:16 | 高山植物
「ゴゼンタチバナ」 ミズキ科

高さ5〜15cm位の常緑半低木。花期は夏。花の色は白。林の中で育つ日陰の花。和名は「御前橘」で、発見地の石川県白山の御前峰(ごぜんがみね)とカラタチバナに似た赤い果実が名の由来という。湿原に行く山中、何度か目にしたが、よく見ると葉が、4枚のもの、5枚、6枚とさまざま。これらすべてに実がついているわけではなかった。当地の方に伺ったところ、葉が6枚ないと絶対に実をつけないとのこと。そういわれて観察していると、実際その通りであった。


「イワインチン」 キク科

別名「イワヨモギ」。インチンとはヨモギの漢名。東北地方から南アルプスにかけて分布。日当たりのよい乾いた草地や岩がれ地に生える多年草。黄色の小花が密集してつく。開花は8月〜9月。日本固有種。草丈10〜30cm位。葉は深くさけ互生。あちらこちらで目にした珍しい名の植物。他の花が終わるころに咲く。花の少ない登山道で、黄色は鮮やかできわだっていた。
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池の平湿原の花 Ⅱ 「ヤマハハコ」 「シラタマの木の果実」

2013-09-27 12:07:31 | 高山植物
「ヤマハハコ」 キク科

多年草。高さ30〜70cm位。山地の日当たりのよい草原などに群生。花期は8月〜9月。枝の先に多数の花をつける。過去に、これとよく似た植物を記憶していたが、なかなか名前がわからず悩んでいたところ、丁度登山道で出会った当地の管理員の方が、個体のものは「ヤマハハコ」と教えてくださった。「これが、ヤマハハコとわかる決定的な特徴は何ですか?」とお尋ねしたら「葉のテリ」と教えていただいた。現物で確認すると、確かに細い葉にはツヤがあり、こんな細かい部分まで知識がないと植物の名が特定できないのかと、またまた落ち込んでしまった。

「シラタマの木の果実」 ツツジ科

常緑小低木。亜高山や高山の林の縁や草原に生える。枝は地を這う。葉は楕円形で互生、縁はギザギザがあり硬い。花は7月ごろに、可愛らしいちょうちんのような形で、下向きに咲く。個体のように白玉になるのは9月。
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池の平湿原の花 「オヤマリンドウ」 「マツムシソウ」  

2013-09-25 13:50:21 | 高山植物
「オヤマリンドウ」 リンドウ科

秋の湿原を代表する花の一つ。多年草。実は「エゾリンドウかな?」(蝦夷竜胆)とも思い、判断が難しいのだが、「オヤマリンドウ」は(御山竜胆)は青紫色の釣鐘形で、茎の先に数個集めてつけるが、開花時でもあまり開かないという特徴がある。それに対し「エゾリンドウ」は花つきが良く、茎の上部に何段かにわたって花をつけるので、私は個体のものは「オヤマリンドウ」と思うのだが、違っていたらご指摘ください。


「マツムシソウ」 マツムシソウ科

夏から秋にかけ紫色の花をつける。マツムシが鳴く頃に咲くことからつけられたという。この花との最初の出会いは、数年前の高峰高原。花の色が、淡く気品があり、風にそよぐ姿が可憐そのもの。なんとなくせつなさを感じ印象深かった。とても美しく大好きな花だ。

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「池の平湿原」

2013-09-23 10:41:39 | 低山歩き
台風18号が去った翌々日、Ⅿさんの友人ご夫妻(Hさん)に誘われ、Iさんご夫妻と共に池の平湿原へ。当日は雲一つない抜けるような青空で、「もうこれ以上崩れようのない1円玉天気」と気象予報士が伝えていたように、素晴らしい天気に恵まれた。
藤岡IC〜小諸〜高峰高原〜池の平湿原へ。約2時間30分。この湿原は標高2000m。三方ケ峰火山の火口原に広がる高層湿原。高山植物の宝庫である。コースは、駐車場〜見晴らし歩道、雷の丘〜雲上の丘広場〜ピグミーの森〜コマクサで有名な三方ケ峰〜鏡池(画面の左)を横目に見ながら、湿原を散策。以前にも何度か訪れており、軽い気持ちで散策を楽しめる。
今回訪れたのは、9月中旬であり花のシーズンは過ぎてしまい、あまり期待していなかったが、たまたま出会った当地の指導員の方にお話を伺うこともでき、新たな発見と共に楽しい山行きとなった。
Iさんの奥様は花を見つけるのが得意。「○○さ〜ん、ここに咲いてるよ〜。名前わからないけど、ここにもあるよ〜。このリンドウは年の頃なら18歳だねぇ〜・・・・・」(18歳のリンドウは後ほどアップしますね) とか。とにかく楽しく、久方ぶりに大笑いの私は、シャッターを押すのに大忙し。又、Hさんの奥様は、花を撮影しているので最後尾になってしまう私を、いつも気づかい所どころで待っていてくれる優しい方。素敵なご夫妻と、またいつかご一緒できることを願っている。次回から池の平湿原に咲く花々を掲載します。
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番外編 「辻井伸行とアシュケナージ」

2013-09-21 18:05:24 | その他
昨年、12月高崎音楽センターで行われた「辻井伸行日本ツアー」のコンサートに行ってから、すっかり彼に魅了された。今回は、「辻井伸行とアシュケナージ(指揮)によるオーケストラ・アンサンブル金沢東京公演」。渋谷、Bunkamura オーチャードホールにて。東京で2回だけの公演とあり、会場は満席。半年前、ようやくゲットしたチケット。Мさんと一緒に楽しむはずだったのに・・・。
それにしても、またまた素晴らしい演奏会だった。前から7列目という幸運もあり、身体全体で音色をかもしだす迫力、その息づかい、神技とも思えるテクニックに圧倒された。プログラムは
ベートーヴェン:プトメテウスの創造物 序曲
グリーグ:   ピアノ協奏曲 イ単調
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 田園
以上の中で、知っているのはピアノ協奏曲と田園。あまりに有名なので聞けばすぐ「あ〜この曲。知っている」と、高校生の頃学習した記憶がよみがえった。音楽は好きであるが、得意分野とはいえないし、よくわからないが「この曲、聞いたことがある」という感覚は、学校教育のたまものであると思った。今回は、オーケストラとの共演であり、ピアノは1曲のみ。アンコールに応えた後、ピアノの片隅に手をおき、深々と頭を下げ、ぎこちなく手を振るそのしぐさが何とも言えない。しかし、しかし、生の演奏は迫力満点。弦楽器の心の底に響く音色は、精神を豊かにし安定させてくれる。満席のホールからは拍手の嵐がわきおこり、いつまでも鳴りやまず。私も同行者とともに力の限り、手が痛くなるほど拍手をした。    
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「シュウカイドウ」

2013-09-19 11:07:13 | 庭の花木
「シュウカイドウ」 (秋海棠) シュウカイドウ科

庭に数株咲きだしたシュウカイドウ。友人が突然茎からちぎり口へ。 「・・・?」「茎が固いし、すじがある」のお言葉。尋ねると「シュウカイドウの茎は少し酸っぱいので、子供の頃は茎を噛んで遊んだのよ」・・・初めて知りました。
中国が原産。江戸時代初期に持ち込まれた帰化植物。花期は8月から10月。茎の頂点から花序を伸ばし、2〜3cmの淡紅色の花を咲かせる。雌雄同株異花。
雄花・・・花弁が開き、小さな花弁が2枚と大きな花弁のように見えるガクが2枚。
雌花・・・花弁がなく、大きなガクがわずかに開く。
花は下向きに咲き、黄色の球状のものが大粒の涙に見えるのは、私だけか。楊貴妃のなみだ・・・?
葉は一般に大きく、葉にはシュウ酸が含まれる。花言葉は「片思い」。ハート形の葉の片方が大きくなつところからつけられたと言われる。半日蔭、湿気の多い場所を好むが、案外丈夫で結構繁殖する。
茶花としても重宝しているが、、難点は水揚げが良くない。
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「カクトラノオ」

2013-09-16 18:03:14 | 庭の花木
川の氾濫、土砂災害、数十年に一度の記録的な大雨をもたらした大型台風18号。強い風、落雷、突風そして停電。早朝、当地域に大雨警報、土砂災害注意、浸水警戒の発表ホツトメールあり。一時怖い思いをした。今年は各地域で災害が多いと感じませんか?それから・・・あれから100日です。

「カクトラノオ」 シソ科

原産地は北アメリカ。明治の終わりから大正初めに渡来した。毎年花を咲かせる多年草。高さ60〜1m位。地下茎からたくさんの茎をのばす。繁殖力が旺盛。痩せた土地や日当たりが悪い場所でも育ち、放っておいても大丈夫。葉は縁にギザギザがあり、茎は四角く、花の名はそこから来ている。また、花が美しいので「ハナトラノオ」とも呼ばれている。庭の花がややさびしい今の時期、ちょっとしたアクセントを添えてくれる。夏から秋にかけて花穂を伸ばし淡いピンク色の花が、まるで号令でもかけられたかのように、お行儀よく横向きに並んでいる。下からだんだん上に咲き、全部咲きそろうと結構豪華。「○○トラノオ」は多種類あり。「虎の尾」の名は花穂が長く、虎のしっぽのような感じなので名がついている。当家の「トラノオ」は栄養不足なのか「トラ」になりえていない。来年は肥料をたっぷりあげ、春になったら株分けしてあげよう。
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「サクラタデ」

2013-09-13 12:25:22 | 庭の花木
「サクラタデ」  タデ科

いつの間にか朝晩めっきり涼しくなり、戸を開けると、朝の涼やかな風が、サーッと部屋に流れ込む。日中はまだ蒸し暑い日々がつづいているが、空に目をやれば、夏の雲とともに鱗雲など出ている時もあり、秋の気配を感じる。
タデ科の中でも、イヌタデは雑草中の雑草で、退治するにはなかなか骨の折れる仕事。でも、サクラタデはちょっと感覚が違う。9月〜10月が花のシーズンで穂状についている。色は淡紅色で5つの小さな花びらが、桜にそっくり。やわらかく、何となくはかなげで、1つ1つよく見ると、かわいく美しい。茎は高さ60cm位。根は地中で長く伸び群生する。
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「ウドの花」

2013-09-11 13:16:06 | 庭の花木
「ウドの花」 ウコギ科

最近、当ブログへ訪問してくださる方が増え、心から嬉しく思っている。時には、折れそうな心に励みを頂き、感謝申し上げたい。。これからも、応援お願いします。

畑の片隅に咲いていたウドの花。いつもはほとんど目に留まらないのだが、今や畑は見るも無惨な草、草〜。
少しは退治しなければと思い、足取り重くいざ畑へ。目をやれば1本ポツンと咲いていたウドの花。ウドそのもの自体は香が強く、調理方法は多様だ。天ぷら、酢みそ、炒めもの、和え物。山菜として最高の食材だ。ところが、ウドの花も食べられるのだそうだ。オーソドックスなのはやはり天ぷら。酢の物も美味だとか。花には蜜が多いのか、蝶々やハチがブンブン。今朝、当地域は小雨がふり、ハチも一休み。可愛らしいウドの花を一枝切り、葉とともに茶花として備前の花入れに活けてみた。ところで、ウドを漢字で書くと「独活」。風もないのに動くように見えるので「うごく」と呼ばれ、しだいに「うど」になったとのこと。「独活」も字もそこから来たらしいのですが。ほんとうかなぁ〜?
コメント (2)
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