啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ヤグルマソウ」

2011-06-30 10:52:56 | 山野草

大型の植物は写真に撮るのが難しい。普段、出来る限り花の部分と葉の部分を一緒に撮ろうと思っているのだが、私のカメラ技術ではなかなか思うように行かない。花の部分を接写すると何が何だか判らなかったり、離れるとその逆になる。背の高い植物で、花に特徴が無いと余計に難しくなる。

「ヤグルマソウ」は調べてみると意外なことにユキノシタ科。多年草。花茎を1メートル近くまで伸ばし、葉柄も4,50センチで大型の5枚の濃い緑の葉をつける。葉の先は3-5個のギザギザができる。大形だけにユキノシタのイメージと合致しにくい。花序は蕾の頃はグリーンぽいが、ひらくと白っぽくなってくる。武尊牧場の作業道沿いのやや湿った場所に咲いていた。

花は何とも目立たない佇まいで、葉は大雑把。1000メートル前後の山道を歩いていると良く見かける。鯉のぼりのポールの先につける“風車”に、5枚に輪生する葉の形が似ていることからこの名がついている。葉と花が一緒になって存在感が増す。
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日光「太郎山」

2011-06-29 09:48:30 | 低山歩き

自由な時間がたっぷりあるだけに、梅雨の今に時期は“晴れたら登る”のが私のやり方。昨日は微妙な天気だったが、7月下旬の聖岳登山に向けた足慣らしと、雨が降ったら雨具装着の勉強と割り切った。大分前の話だが、友人とこの山に登る計画で出掛け、志津側から登る予定だったが、登山口が見つからず断念したことがある。今回は山王帽子山経由で出掛けた。

「太郎山」(2367メートル)は日光の男体山の北側にある山。戦場ヶ原の北東にある光徳から、志津林道を経由するコース、奥鬼怒林道の山王峠付近から入るコースがある(この中間を行くハガタテ道は閉鎖中)。前回の失敗もあるので、歩行時間は片道1時間程度長くなるが、展望が良さそうな山王峠付近から登った。

太郎山の案内板から登山道に入る。いきなり急登が続き、カラマツ?など針葉樹林に囲まれ、展望も熊笹以外の植物もゼロ。先行していた4人のグループを抜く。45分で「山王帽子山」(2077メートル)。写真を撮り、水分を補給してスタート。今度は急な下りが続き、帰りの登り返しが思いやられる。


「小太郎山」(2328メートル)に近付くとシャクナゲの花が登山道に落ちていた。コイワカガミも多い。小太郎山への登りもかなり厳しかった。ミヤマキンバイ(?)の黄色い花が満開。太郎山の山頂が目の前に近付いてきた。


小太郎(太郎山西峰)から尾根道に入る。南側が絶壁でドキッとするヤセ尾根もあった。この辺には名前の知らない白い花やミヤマカタバミ、コケモモ、ヒメイチゲなど花がいっぱい咲いていた。ゆっくりと時間をかけ、写真を撮りながら山頂へ。3時間5分で到着。山地図の想定時間より25分早かった。今日は快調だった。

山頂ではやや雲があったが、日光白根山の勇姿、南の男体山や戦場ヶ原、東の大(小)真名子山、北の燧ケ岳など展望もとれた。岩陰でランチとコーヒータイムにゆっくりと約1時間。急に湧き上がってきた雲に促されるように山頂を後にした。




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「ベニバナイチヤクソウ」と「イチヤクソウ」

2011-06-27 08:25:54 | 山野草

“私にとって新種の花(植物)”を見つけても、種を限定できず、調べているうちにそのままになってしまうと言うこともたまにある。名前が判った時には、季節がずれてしまっている。この花も、昨年の7月に武尊牧場の最上部、三合平から田代、花咲の両湿原を歩いた時、登山口へ歩き始めて直ぐの場所に群生していた。ブログに載せたいと思っていたが、ヒメカイウやミヤマオダマキ、ギンリョウソウなど目新しい花がいっぱいあって、そのままになっていた。今年は、咲き始めたばかりの初々しい個体をゲット。高崎自然歩道で見つけたイチヤクソウも一緒に掲載した。

「ベニバナイチヤクソウ」はイチヤクソウ科の多年草。深山から亜高山帯の腐食の富んだ林に群落を作る。常緑の濃い緑の葉は地表近くに開き、ここから10-20センチ近い花茎を伸ばし、可愛らしいピンクの総状花序をつける。三合平から武尊方面への登山道(遊歩道)に入って直ぐのブナ林の中に群生している。昨年の経験から、咲いていることは想定していたが、まだ咲き始めたばかりだった。

「イチヤクソウ」はイチヤクソウ科の多年草。丘陵から中・低山帯で腐食の進んだ林の中などに生える。撮影した場所は高崎自然歩道の根小屋城址付近。遊歩道沿いにヤブコウジが多いところで、15-20センチほどの花茎を突き出し、可愛い白い花をつけていた(10日ほど前)。写真中の緑の葉はヤブコウジ。

両種とも薬効が顕著なようだ。イチヤクソウ=一薬草で“薬草の一つ”とか“薬草として一番効く”とかの意味もあるようだ(ネット)。利尿剤(イチヤクソウ)強心・抗菌剤(ベニバナイチヤクソウ)などのほか、ベニバナでは生の葉を揉んで、切り傷や虫さされに効くという情報もあった。それぞれご確認を・・・。

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「マイヅルソウ」

2011-06-26 06:20:26 | 山野草

登山道脇の半日陰の林の中でマイヅルソウを良く見かける。群馬県内では千メートル前後の標高から亜高山帯までの高さに多い。可愛い名前が印象的だが、写真に“撮ろう”と思うほどの花をつけているものにはなかなか会えない。武尊山への登山口の三合平から歩き出して間もなくのところ。ブナ林の中の登山道脇に群生していた。

「マイヅルソウ」はユリ科の多年草。草丈は低く10-15センチ程度。新しい植物の分類方法ではスズラン科に分類されることもある。ハート型の葉と湾曲した葉脈の形をツルが舞う姿に見立てたことで可愛らしい名がついている。葉が虫に食われており、鶴の優雅さは感じられないが、これは撮影者の鈍感さ故と理解いただきたい。

カメラを向けた理由は、この花としては珍しく大きめの花をつけていたこと。白い小さな(1・5センチほど)の総状花序(花が房状に咲く様子)で、元々目立たない。群生していることが多く、多少花が咲いていても“いつでも撮れる”と思い後回しになってしまっていた。

写真を撮るのはなかなか難しい。接写しようとすると1輪だけになってしまう。もっと賑やかにしようと思うと良く判らない白い花にしかならない。
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「レンゲツツジ」

2011-06-25 11:08:15 | 山野草

武尊山への一番ポピュラーな登山口が武尊牧場スキー場。スキー場というか牧場の最上部まで歩いて一時間弱。リフトで10分ほどで三合平。正式にはここに登山口がある。あたり一体はレンゲツツジの群生で今の時期は人気スポットとなる。赤城山、湯の丸高原などレンゲツツジの名所は多く、この花が群馬の“県花”となっている。

「レンゲツツジ」はツツジ科の落葉低木。草原などの日当たりの良いところに群生している。牛や馬が食べると毒になると言うことで、牧場などに自生しても“食べられない”だけに群生するようだ。真夏の直前に、種類の多いツツジの中では一番遅く咲く種のひとつ。筒状の赤い花が一本の枝に3-5個ぐらいまとまって咲く。群落になっているので咲き揃うと見事。

三合平のツツジは咲き始めたばかりだった。登山道(遊歩道)脇の白樺の木と赤のレンゲツツジが妙にマッチしていた。


再掲載です。尾瀬の山々が最高でした。
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「シラネアオイ」と「ミネザクラ」

2011-06-24 10:46:07 | 山野草

長時間の登山道歩きの確認と花を期待して歩いた武尊山。花の季節には少し早すぎたようだが、熊笹の間からしっかりと顔を出し、残雪に映える「シラネアオイ」に感激。残雪の上を歩くトラバース道には「ミネザクラ」が咲いていた。

過日のブログで六合村・野反湖の「シラネアオイ」を掲載したばかり。素晴らしかったが残念ながら自生していたものではない。武尊山のアオイは誰も手を加えず、自然の中で咲いていたもの。深い熊笹の中、残雪の近くでしっかりと咲いていた。

昨年、この花の“本場”?の日光白根山にこの花を見たくて登った。残念ながら、花の時期は過ぎており、鹿の食害対策で厳重に鉄条網が張り巡らされた中で、葉だけが元気だった。登山口に下りて、群馬中高年山岳会の方から「残雪が残るぐらいの頃にシラネアオイは咲く」と聞いたが、その通りに残雪の残る場所に咲いていた。

「ミネザクラ」は中ノ岳への鎖場を越えて、ハイマツ帯のトラバース道に出たところ。残雪の上を歩いていると、笹薮の中から桜の花がついた枝が飛び出していた。桜の仲間では一番高いところに咲く。木の高さもあまり高くならず3-5メートル。

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「武尊山」

2011-06-23 09:01:37 | 低山歩き

久し振りの長時間の山歩き。ガイド本の歩行予定時間をかなりオーバーしてしまった。梅雨の合間の好天にタイミングを取ったが、残雪歩き、雪解け水と泥道に悩まされた。山頂からの大展望は圧巻。昼飯・コーヒータイムの予定時間を大幅にオーバーしてしまった。

上州「武尊山」(2158メートル)は高さは無いが日本100名山に数えられる名山。沼田市から日光方面に抜けるR120号線を利根村で武尊牧場方面に左折。武尊牧場スキー場の駐車場からスタートする。3合平までの一時間も歩く予定だったが、目の前で動くリフトに目が眩み800円の片道切符を買ってしまった。

レンゲツツジの咲き乱れ白樺が見事な3合平で標高は1400メートルほど。ベニバナイチヤクソウ、マイズルソウ、エンレイソウ、ツクバネソウなど花が豊かなハイキング道から歩き出す。本格的な登山道となる避難小屋まで緩やかな登りで約1時間。ここからが大変だった。前日までの雨に雪融けが重なって、登山道は泥田の状態。ある程度は想定して靴も古いのに変えていたが、泥だらけになるのが耐えられずまともに歩けない。

ゼビオス岳から中ノ岳直下の鎖場辺りまでは残雪も残り最悪だった。鎖場の急登は好天だっただけに乾いており難なくクリア。上りきるとかなりの残雪。残雪の上を本格的に歩くのは初めて。友人から頂いた“軽アイゼン”は持参したが、試着はしているが本番でつけたことは無かった。すれ違った人に聞くと「つけなくても行けますよ」にほっと一息。

日光白根、皇海から赤城まで山々の遠景が凄い。雪の上を小足でゆっくりと歩く。笹清水で喉を潤し、急な雪道を登ると日本武尊の石像。間もなく360度見渡せる頂上に着いた。至仏、燧ケ岳や平ヶ岳から谷川連山、巻機山など越後の山々、赤城方面などさえぎるものがない。富士山は展望できなかった。

展望に見とれ、美味しいおにぎりを食べ、コーヒーまで煎れてまったり。予定時間を大幅にオーバーしてしまった。帰りには少し余裕も出た。上りでは気付かなかったが、鎖場の下でシラネアオイの小群落を発見した。

ガイド本には歩行時間で「7時間40分」となっていた。駐車場から3合平までリフトに乗った。その分を差し引くとかなりオーバーしていた。まあ、いいか・・・・。

手前の笠ヶ岳、至仏山とそのおくの平ヶ岳など尾瀬方面。

山頂近くの日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の石像と遠景
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「バイカオウレン」

2011-06-21 09:17:42 | 山野草
登山道などを歩きながら「変わった花だな」と思ってもカメラを向けないこともある。帰りに撮ろうと思いそのままになってしまう。同行者に遅れがちになる苦しい急登では良くあること。逆に、撮影を口実に一服するということも・・。形やいろがで似たようなものが多く、調べるのが大変そうに感じる小型の葉名が多い。バイカオウレンもこうした花のひとつ。どこかで見たような記憶はあるが、写真には撮ってなかった。

「バイカオウレン」はキンポウゲ科の常緑多年草。亜高山帯の林の中などに自生する。草丈は10センチほどと小型で、切れ込みのある濃い緑の葉からニョキッと花茎を伸ばし、5舞の花弁の小さな花をつける。

花が梅の花に似ていること、黄色いヒゲ根を伸ばすことから“梅花黄蓮”の和名が付いている。根の部分は健胃薬など薬用に使われるという。
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「バイカオウレン」

2011-06-21 08:42:21 | 山野草

気まぐれと言うか、適当と言うかーー見たことが無いような花を見つけてもカメラを向けないこともある。特に、同行者に追いついていくのが大変な急登では“帰りに撮ろう”としてそのままになってしまう。逆に“撮影を口実に一休み”ということもある。似たような花が多く、識別に苦労しそうな花も同様。バイカオウレンももその一つ。どこかで見掛けたが、写真に撮ったのは今年が初めて。

「バイカオウレン」はブナ帯の林の中などに咲く。キンポウゲ科の常緑多年草。草丈は10センチほどと小さく、濃い緑の切れ込みのある葉から花茎を伸ばし、5弁の小さな花をつける。花が梅の花に似ていることと、黄色いヒゲ根を出すことから“梅花黄蓮”の名が付いた。健胃薬など根を薬用にする。

この個体は野反湖の弁天山への遊歩道脇に咲いていたもの。尾瀬ノアヤメ平の木道脇にもポツポツと咲いていた。亜高山帯に咲く花のようだ。
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「ツマトリソウ」

2011-06-20 08:32:53 | 山野草

草津温泉に近い野反湖の周辺は高山植物のお花畑からハイキング、本格的な山歩きが楽しめる快適スポット。湖では釣りも楽しめるようだ。電車での草津温泉への入り口である長野原草津口駅の先を六合村・野反湖方面に右折(R142→R292)。川原に大きな露天温泉がある尻焼き温泉などの先にある。ダム建設で反対、賛成ともめている“八ッ場ダム”の道路工事が進み、テレビで有名となった大型クレーンは片付き、天空を走る道路ができている。温泉やハイキングに是非一度訪ねてください。お勧めです。

「ツマトリソウ」はサクラソウ科の多年草。亜高山帯の草原や林の縁などに生えている。高山植物に入れて良いと私は思うが、微妙なところ。図鑑で知っていたが、この花を始めて見たのは野反湖の南西側の三壁山ーカモシカ平を歩いた時。高沢山(1906メートル)の山頂付近に咲いていた。三壁の反対の位置にある弁天山(1652メートル)にハイキングすると、草丈10センチ程度と小さいが、妙にキリッとした小さな白い花をつけるツマトリソウが咲き始めていた。

花の名前が印象的。登山中の2人が、この花を愛でながらプロポーズをして成功したのでこんな名がついた・・・・・のではないようだ。漢字では「妻とり」ではなく「褄取り」なのだ。鎧の端を別色の糸や皮でつなぎ合わせるという意味なのだと言う。1センチほどの小さな七片の花弁の先に薄紅の“褄”が入ることがあり、これを見てついた名のようである。
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