
戸隠高原から戸隠の山々は植物が豊富なところだ。40年ほど前にドライブした時は、運転していて恐いほど霧が深かったことぐらいしか覚えていない。昨年、カミさんと自然園を散歩し、植物や小鳥が多い場所と気付いた。今年、戸隠山に登ったのは、夏の花が終わる9月の頃。それでも、色々な花がいっぱい残っていた。
「ダイモンジソウ」はユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。深い山地の崖や岩の割れ目など厳しく、水気の多い場所に咲いている。戸隠の奥社から八方睨に向かう登山道。岩場が近付いてくる辺りの登山道で小さな一株を見つけ、思わずシャッターを切った。その後、鎖場の岩の割れ目などにポツポツ咲いており、鎖場の緊張感を癒してくれた。九頭龍山を回り戸隠牧場に降りる沢沿いの岩場でも咲いていた。
ユキノシタやキンポウゲに似た形の濃い緑の葉の間から、花茎を2,30センチ伸ばし、白っぽい花をつける。花弁の下の2枚が大きく伸び“大の字”に見えることからこの名がついている。
自然の中で自生しているダイモンジソウを見たのは多くない。最初は魚沼の八海山のトラバース道。岩の割れ目に可憐に咲いていた。それ以外には戸隠しか記憶に残っていない。ところが、農協のグリーンセンターの山野草コーナーなどでよく販売されているのを見る。当家にも、お茶の先生から頂いてきたというダイモンジソウが、かろうじて生き残っている。草丈はわずか2-3センチしかないが・・。園芸店では八重咲、ピンクの花が咲くタイプなど改良されているという。魅力は感じない。