政治屋に成り切れなかった猪瀬都知事、”生兵法は大怪我の元”を地で行って大火傷をしてしまった。これと比較して、壊しや小沢一郎は恩師角栄、金丸の公判を欠かさず傍聴して学んだ『ガクモン』が役立って秘書が3名も有罪になったにも関わらず、逮捕もされず、有罪にもならなかった。裏金を手にするには、小沢の悪智慧をもう一寸学習しておけば良かったのに、もう手を遅れだ。徳洲会徳田虎雄から5000万円貰ったが手を付けずに徳田側に返還した。この問題について都議会総務委員会では4日間20時間も集中審議で質問攻めをしたが猪瀬の答弁が壊れた柱時計の長針のようにクルクル変わっただけだった。17日には秘書の鈴木に尋ねろ、妻がやったかも知れないと、亡くなった妻にも転嫁しだした。死人に口なしだ。そして本人は関知していないと”政治屋の逃げ口上”の常套句を囀り出した。これに痺れを切らした委員会側が質問を切り上げた。今後強力な調査権を持つ100条委員会に移す模様だ。当初百条委に消極的だった自民、公明両党が急遽賛成に回ってしまった。猪瀬は副知事時代から持って生まれた性格で議会ともしっくりと行っていなかったので味方がいない。マスコミの記者にも”怒る、怒鳴る、出しゃばる”の”3る”が祟って、こちらにも人気がない。オリンピック招致決定がピークだった猪瀬、今後は急な下り坂を転がり落ちる石コロと同じでブレーキが効かず底まで落ちるか、その前に潔く辞職するかだろう。12月10日の総務委員会で、11月6日の徳田虎雄との面会時に徳洲会側から東京電力病院の売却についての質問の有無を訊ねられた猪瀬は、「徳洲会が東電病院に興味を持っていたことは全く知らない」と答弁している。一方関係者が東電病院の取得を目指す考えを徳田から猪瀬に伝えたと明らかにした。面会の2週間後に5000万円が提供されたのは紛れも無い事実だ。東京都が東電の株主でもあることから猪瀬が病院の売却を東電に迫っていたのは、かなり前に報道されている。委員会での虚偽答弁が証明されるといよいよ切羽詰る。何とも皮肉な事だが今日、猪瀬直樹著「勝ち抜く力」新刊が本屋に並んだ。著者は話題の主人公だ、ベストセラーになるかも知れぬ。今まで共通の『力』で突破、決断、解決のテーマで出版している。猪瀬センセイは止められぬタバコでも燻らせて”洛陽の紙価を高める”のを待つか。どうしてそんな余裕などはない、今や”俎板の鯉”の心境だろう。次のテーマは決まった。『耐え抜く力』はどうだ。『ごまかす力』だが、これは『力』がないのでテーマにならぬ。但し売れるかどうか保証の限りではない。