↑写真は、今回の問題がおきた証明写真機(市役所第2庁舎1階、7月2日撮影)
草加市では5月13日までの約1か月半にわたり、証明写真機によるマイナンバーカードの発行業務が写真機設置会社のミスで大幅に遅れる問題が生じています。当問題について、現在までの市役所担当課から聞き取った内容をまとめました。
問題が起きたのは市役所第2庁舎の証明写真機
問題が起きたのは市役所第2庁舎の証明写真機です。第2庁舎1階にある証明写真機で行ったマイナンバーカードの申請について、設置会社の㈱プラザクリエイト(以下、プ社)が、発行業務を担うJ-LIS(ジェイリス:地方公共団体情報システム機構)に送るべき申請データを送信せず、プ社のサーバーに滞留したままとなっていました。
申請者193人に影響
未送信だった期間は、今年4月1日から5月13日までの約1か月半です。影響を受けた申請者は193件にのぼります。申請者(市民)から市に問い合わせがあり発覚。滞留していたデータは5月14日に送信されましたが、プ社によるとカード交付申請受付までの期間が通常より最大1カ月半程度も遅れるとのことです。(申請受付から実際にカードが交付されるまでには更に時間を要します)
なお、個人情報についてプ社は「厳重な管理のもと『暗号化』されており万全のセキュリティ体制をとっております」としています。
行政手続きオンライン化による新たな行政課題
今回の問題は、行政手続きのオンライン化や民間開放などが進むもとでの新たな行政課題と言えます。
そもそも、マイナンバーカードの申請・発行手続きは、すべて市役所が行っているように思われがちです。しかしながら実態は違います。例えば、証明写真機によるオンライン申請の場合、表の通り申請者(市民)が証明写真機で申請①し、写真機の設置会社がデータをJ-LISに送信②した後は、J-LISがカード発行作業③をおこないます。市役所は、完成したカードをJ-LISから受け取り申請者(市民)に交付する業務を担当します。
そのため、申請者とのやり取りや窓口対応は市役所が担う一方、市は「影響を受けた市民が誰か」といった情報を把握することすらできていません。J-LISとプ社との協議内容を聞き取る形でしか情報を得られていない状況です。
自治体が責任を持てないマイナンバー業務
また、プ社に対する行政処分などをすべて市ができるかというと、そうではありません。市とプ社との契約関係は、プ社が市から場所を借りて証明写真機を設置しているだけの関係です。自動販売機と一緒です。マイナンバーの申請作業に係る関係はあくまでもJ-LISとプ社との関係で、市の裁量が届かない部分となってしまっています。
市は現在、プ社に対してどのような対応を取ることができるか協議しています。その結果報告と併せて、J-LISがどのような対応を行うかや、申請者が受けた影響について詳細に調査するよう市に依頼しています。新たな情報が入り次第、当ブログにアップします。
プ社による明らかなヒューマンエラーであり、複数人のダブルチェックなどを行っていれば防げた問題です。仮に、市役所で同様のミスが起きたらただ事では済みません。カード交付の遅れにより、10万円の臨時給付金が遅れて交付したケースも生じているはずです。問題点を明らかにし、厳格な対応と再発防止策が必要です。
参考資料:設置会社が申請者に送った文書
【草加市役所第二庁舎内「自動証明写真機」でマイナンバーカードのオンライン申請をされたお客様へ(お詫びと返金のお知らせ)】
参考:J-LIS(ジェイリス:地方公共団体情報システム機構)ホームページ