iPad用の音楽アプリ「KORG Gadget」を買った。15種類のソフトウェアシンセサイザーとシーケンサー(自動演奏装置)で手軽に音楽を作りましょうというアプリである。
KORG GadgetのEngadget記事
それなりに高価なので(3900円。2/23までは2900円)、詳しい使い勝手を知りたくて実際に買った人のブログなどを探したのだが、メーカーのリリースを自分の言葉で書き直しただけみたいなのが多くて、あまり参考にならなかった。
しょうがない。私がやりましょう。
というわけで、今日はKORG Gadgetの、まだネットではあまり語られていないところを、というか僕が語りたいところを語ってみる。
KORG Gadgetのガジェット(ソフトウェアシンセサイザー)の中で、まず僕が弄ったのは「Phoenix」である。YMOやJAPANの主力シンセとして有名な、シーケンシャルサーキット社の往年の名機「Prophet-5」を模したと思われるバーチャルアナログシンセサイザーだ。
ちなみに僕はProphet-5の実機は店頭で触ったことがあるだけ。Prophet-5を完全シミュレートしたPC用のソフトシンセ「PRO-52」は持っている。
普通ならこのアプリでどうやって曲を作っていくのかの全体像をざっと説明してから、楽しいとか手軽だとか簡単にできるとか、でも本当の初心者は用語が分からないとか書いて締めるのだろう。が、僕はいきなりフェニックスの音色エディットの話をする。
左側がOCILLATORセクション。オシレータ(音色の元になる波形を発振する部品)は2基あり、それぞれに PULSE、TRI、SAWが左右に一個ずつある。オシレータ1と2でばらばらに波形を選べる。
波形の癖がProphet-5にそっくりで、たとえば、1にPULSE、2にSAWを設定し、BALANCEを真ん中にして50対50で混ぜると、JAPANの「錻の太鼓」で使われている琴の音色になった。もちろん、エンペロープをいじってからだけど。
気になるのはNOISEがないことだ。なんでもかんでもProphet-5に似せろとは言わないが、ここまでパクってリスペクトしておいてNOISEだけないのはどうなのかと。
真ん中はFILTERセクション。タイプはローパスフィルターのみ。ENV AMTでエンベロープ(音の時間的変化)をフィルターのカットオフ周波数に反映させる量を決める。マイナスまで回してエンベロープが逆さになる機能はない。プラスのみ。
右がENVELOPESセクション。フィルターと音量の時間的変化を別々に設定できる。ここでサスティン0、音量よりフィルターのディケイとリリースを速く減衰させるとJAPANの琴っぽい音色になる。
フェニックスの音色エディット画面は二つある。左上のスイッチをMOD/FXにずらすと、二つ目の画面に切り替わる。
左側はピッチベンドホイールとビブラートのホイール。割りと普通。むしろ平凡。
中央はMODULATIONセクション。これがProphet-5=Phoenixの売りの部分。WAVEFORMで選んだ波形でDEPTHの三つのターゲット、PULSE WITH(オシレータがパルス波の場合の縦横比)、FILTER(のカットオフ周波数)、AMP(音量)を変調する(揺らす)ことができる。いわゆる「ポリモジュレーション」というやつである。※
だが、Prophet-5と効き具合がかなり違うように思う。RATEを上げてもFM変調的にならないというか、レートの最高速が遅いというか。まだ買って二日目なので、わかってないだけかもしれんが。
右側はDELAYセクション。効きが柔らかいのでリバーブっぽく使えるような。これはProphet-5というよりPRO-52から持ってきたような気がする。
さらに右はMASTERセクション。LEVELは全体音量。UNISONを押すと5音(?)同時発音のユニゾンモードになる。この場合、発音はモノで、鍵盤を二つ押さえても後から押した方しか鳴らない(後着優先)。DETUNEを回すと、ユニゾンで鳴る音達の音程のバラつき具合を増減できる。ほどよくばらつかせると、分厚いリードシンセ音色になる。
右上の小さな液晶画面は音色名。ユーザー音色の名前を全角文字にすると化ける。入力できないようにしておいてくれよ。
--------
いままでPRO-52やODITTYなどのソフトウェアシンセサイザー、KORG MS2000やELECTRIBEシリーズなどのハードウェアバーチャルアナログシンセサイザーを何個も買ってきたが、まずセッティングが面倒で、曲作りに入る前に疲れきっていた。KORG Gadgetは、セッティング時間がほとんどゼロなのが素晴らしい。
--------
※Prophet-5のポリモジュレーションとは違うかも。普通のLFO?
KORG GadgetのEngadget記事
それなりに高価なので(3900円。2/23までは2900円)、詳しい使い勝手を知りたくて実際に買った人のブログなどを探したのだが、メーカーのリリースを自分の言葉で書き直しただけみたいなのが多くて、あまり参考にならなかった。
しょうがない。私がやりましょう。
というわけで、今日はKORG Gadgetの、まだネットではあまり語られていないところを、というか僕が語りたいところを語ってみる。
KORG Gadgetのガジェット(ソフトウェアシンセサイザー)の中で、まず僕が弄ったのは「Phoenix」である。YMOやJAPANの主力シンセとして有名な、シーケンシャルサーキット社の往年の名機「Prophet-5」を模したと思われるバーチャルアナログシンセサイザーだ。
ちなみに僕はProphet-5の実機は店頭で触ったことがあるだけ。Prophet-5を完全シミュレートしたPC用のソフトシンセ「PRO-52」は持っている。
普通ならこのアプリでどうやって曲を作っていくのかの全体像をざっと説明してから、楽しいとか手軽だとか簡単にできるとか、でも本当の初心者は用語が分からないとか書いて締めるのだろう。が、僕はいきなりフェニックスの音色エディットの話をする。
左側がOCILLATORセクション。オシレータ(音色の元になる波形を発振する部品)は2基あり、それぞれに PULSE、TRI、SAWが左右に一個ずつある。オシレータ1と2でばらばらに波形を選べる。
波形の癖がProphet-5にそっくりで、たとえば、1にPULSE、2にSAWを設定し、BALANCEを真ん中にして50対50で混ぜると、JAPANの「錻の太鼓」で使われている琴の音色になった。もちろん、エンペロープをいじってからだけど。
気になるのはNOISEがないことだ。なんでもかんでもProphet-5に似せろとは言わないが、ここまで
真ん中はFILTERセクション。タイプはローパスフィルターのみ。ENV AMTでエンベロープ(音の時間的変化)をフィルターのカットオフ周波数に反映させる量を決める。マイナスまで回してエンベロープが逆さになる機能はない。プラスのみ。
右がENVELOPESセクション。フィルターと音量の時間的変化を別々に設定できる。ここでサスティン0、音量よりフィルターのディケイとリリースを速く減衰させるとJAPANの琴っぽい音色になる。
フェニックスの音色エディット画面は二つある。左上のスイッチをMOD/FXにずらすと、二つ目の画面に切り替わる。
左側はピッチベンドホイールとビブラートのホイール。割りと普通。むしろ平凡。
中央はMODULATIONセクション。これがProphet-5=Phoenixの売りの部分。WAVEFORMで選んだ波形でDEPTHの三つのターゲット、PULSE WITH(オシレータがパルス波の場合の縦横比)、FILTER(のカットオフ周波数)、AMP(音量)を変調する(揺らす)ことができる。いわゆる「ポリモジュレーション」というやつである。※
だが、Prophet-5と効き具合がかなり違うように思う。RATEを上げてもFM変調的にならないというか、レートの最高速が遅いというか。まだ買って二日目なので、わかってないだけかもしれんが。
右側はDELAYセクション。効きが柔らかいのでリバーブっぽく使えるような。これはProphet-5というよりPRO-52から持ってきたような気がする。
さらに右はMASTERセクション。LEVELは全体音量。UNISONを押すと5音(?)同時発音のユニゾンモードになる。この場合、発音はモノで、鍵盤を二つ押さえても後から押した方しか鳴らない(後着優先)。DETUNEを回すと、ユニゾンで鳴る音達の音程のバラつき具合を増減できる。ほどよくばらつかせると、分厚いリードシンセ音色になる。
右上の小さな液晶画面は音色名。ユーザー音色の名前を全角文字にすると化ける。入力できないようにしておいてくれよ。
--------
いままでPRO-52やODITTYなどのソフトウェアシンセサイザー、KORG MS2000やELECTRIBEシリーズなどのハードウェアバーチャルアナログシンセサイザーを何個も買ってきたが、まずセッティングが面倒で、曲作りに入る前に疲れきっていた。KORG Gadgetは、セッティング時間がほとんどゼロなのが素晴らしい。
--------
※Prophet-5のポリモジュレーションとは違うかも。普通のLFO?