
今回は難解だった。
依頼者はメグミちゃん曰く「キモイ女」。依頼は、水上バスで通勤中に毎日見かける恐ろしく速い市民ランナーの調査。
そのランナー・間宮が滝藤賢一。テレビ中継のフルマラソンと同時にスタートして2時間を切る。現在の男子の世界記録は、ウィルソン・キプサング(ケニア)の2時間3分23秒である。信じようとしない探偵社のメンバーだったが、もののけか人間か見極めたいということで、依頼を受けた。
村木が調査をしてみると、間宮は毎朝10キロを25分台で走っていた。1万メートルの世界記録はケネニサ・ベケレ(エチオピア)の26分17秒である。フィクションなのでアレだが、間宮のスピードは本物だった。
滝藤賢一が実際に走っている…んだと思うが、かなり速い。撮影の為にフォームの指導とかはあったと思うけど、素人じゃない感じ。だが、調べると彼の特技は和太鼓で、ランニングではなかった。ものすごく役作りに拘る人らしいので、今回の撮影のために練習したのかも。
しかし、往復500メートルのコースを行ったり来たりするのはどうなんだろう。折り返しのところでスピードが落ちるし、雨の日は滑りやすそうだった。それでも世界記録より速いタイムが出るんだから、相当速いんだな。設定として。
どうでもいいけど、間宮が走る隅田川沿いのホームレスのテント街は、映画「容疑者Xの献身」にも出てきた。
間宮の自宅ポストを調べて、ドーピングをしていることが判明。大会に出られない理由も判明。人間が動物より走るのが遅いのが許せないので、ドーピングしまくって記録を追い求めているらしい。顔を歪ませ、目を剥いて唾を飛ばしながらまくし立てる間宮は実に不気味だった。滝藤氏らしく、ちょっとやり過ぎの感はあったが。

熊本マラソンで、また同時スタートを切った直後、間宮が心臓発作らしきもので倒れて死亡。のたうち回るのだが、これもやり過ぎかつ迫真の演技。それを双眼鏡で見ていた依頼者が身を乗り出しすぎて落下。頭から血を流して、こちらも死亡…。

間宮が死ぬだけなら、過度のドーピング、肉体改造、整形は良くないぜっていう話かなと思うが、依頼者まで死ぬと分からなくなってくる。魅せられた者もタブーを犯した者と同罪。ってことかな…。依頼者に報告するときの村木の嫌悪感に満ちた口調といい、上から死体を見下ろす村木の冷たい目といい、監督が心底ドーピングを嫌っていることはわかった。

メグミちゃんの胸が「天然」だというくだりが伏線になってるんだな。メグミちゃんは基本的に正義なので。