これを読むと不景気な昭和の初め頃に、知識と個人の独立を目指して文學を苦闘した若者たちがいた。小林秀雄、河上徹太郎、青山二郎らがモガキ、他人の金(田河水泡というのが面白い)を当てにまでして活字に残す文士の自由障壁を取り払おうとした。 それこそ後に文藝春秋に引き継がれる『文學界』だったことがよくわかる。 野々上慶一*がここで述懐するには、「小林秀雄さんと初めて会ったのは、忘れもしない昭和八年秋。場所 . . . 本文を読む
今はこれを読んでいる。この話の背景を解説し始めると現代政治を深く理解しなければならない上に、多くが歴史的推測を重ねて埋めてゆかなければならないので、キーワードだけ抽出しておく。
一つ目はもっとも重要な占領前からのプレーヤーDillon, Read & Co. ディロン社だ。
この本には8人の米人の名前が出てくるが、裏側の構造を理解していないと、末端の作業者が戦後の日本の支配構造を形 . . . 本文を読む
今読んでる。『昭和天皇とワシントンを結んだ男ー「パケナム日記」が語る日本占領』『一九七九年 、ロッキ ード事件につづいて起こったダグラス 、グラマン事件のなかで 、対日売り込み工作コンサルタントとして 、それまで水面下にいて報道されることのなかったハリ ー ・カ ーンの名前が 、突然 、浮かびあがった 。一月四日 、米証券取引委員会 ( S E C )はグラマン社が自社の早期警戒機の売り込みのため . . . 本文を読む
佐野さんは、世界をあっと言わせる仕事はもう十分にしてくれました。ご自身の言葉で決着を付けていただきましょう。
オリンピックエンブレムはもう1964年のこれで行きましょう。1964→2020 に変えて。
さらには亀倉氏のご遺族の了解をいただいて。
第17回亀倉雄策賞受賞記念
受賞のことば
いいたいことはたくさんあるが、
それはデザインで還す。
亀倉雄策の仕事で一番好 . . . 本文を読む
『中国の天津市で起きた大規模爆発事故で、地元当局は15日の記者会見で、死者が85人になったと発表した。なお721人が入院しており、このうち重体・重傷が計58人。一部の中国メディアは20人近い行方不明者がいると伝えており、被害はさらに増える可能性がある。』
被害が大きくなっているが、未だ原因物質を発表していない。カーバイドなどと憶測されているが、クレーターができるほどにはならない。
準備金はもう . . . 本文を読む
消えることのない傷はお詫びによっても消えないだろうが、それにもかかわらず関係者に慰霊の寛容があったことを心に留め、感謝の気持ちを表したい。
戦後しか知らない「将来の世代に謝罪を背負わせてはならない。」と表明したことは前進ではないだろうか。 . . . 本文を読む
いい風が吹いてくる 今日は外苑の花火大会
浴衣姿が10人ほど車両に
なきやまず
鄙びた故郷 蝉の殻
草の上
青空目に沁む 文庫本
薄紫の紫煙の花
清く居ずまう
残りあり
と睾丸握る秋の夜
残響を楽しむ子らの
谷遊び
白桃の香る姿か
. . . 本文を読む
ポール・ファッセルの日本降伏時の安堵感【「誰にも書けなかった戦争の現実」 単行本 – 1997/7
ポール ファッセル (著), Paul Fussell (原著), 宮崎 尊 (翻訳)】を引用して、ウォール・ストリート・ジャーナルは日本人の原爆観を批判している。
原爆投下を神に感謝した方がいいというのが記事の趣旨だ。ウォール・ストリート・ジャーナルを読むほどのインテリなら忘れないで . . . 本文を読む
「連合国が犯した間違いは、かなりあとになるまで明らかにならなかったが、休戦条約の結果、過半数のドイツ人が当初祖国の敗北を実感せずにいた。」p212 ドイツ問題
こうした反省が欧米知識人に共有されていることを、改めて認識した。つまり休戦の段階からドイツ国内が連合国に軍靴によって蹂躙されることがなかった事実が、歴史を一層困難なものにした。
その反省が日本を敗戦に追い込んだ後の徹底した蹂躙である。戦 . . . 本文を読む
イスラエルを批判できる資格を持つのはイスラエル人だけである。このシリーズは米国におけるイスラエル・ロビーの過剰な権力を告発しているが、これほどのイスラエル批判を米国内で出版したり記事にしたりすることができないという告白事実自体が米国民主主義システムの深刻な腐食を表している。この本の存在形態自体が告発である。当時、相当の衝撃を中東研究者に与えたと思われる。
「キリスト教の西洋で、ユダヤ人が受けた苦 . . . 本文を読む
一息
飽きに飽き猛暑を祓う梨の味
左から、矢野 純一(レナセラピューティクス株式会社 代表取締役社長)、横田 隆徳(東京医科歯科大学脳神経病態学分野 教授)、森田 育男(東京医科歯科大学 研究・国際展開担当理事、副学長)、浜辺 哲也(株式会社産業革新機構 専務取締役)、芦田 耕一(株式会社産業革新機構 戦略投資グループ 執行役員)←いいとこ行きましたね良かった良かった。
. . . 本文を読む
『蠅は車体の屋根の上から、馭者の垂れ下った半白の頭に飛び移り、それから、濡れた馬の背中に留って汗を舐めた。
馬車は崖の頂上へさしかかった。馬は前方に現れた眼匿しの中の路に従って柔順に曲り始めた。しかし、そのとき、彼は自分の胴と、車体の幅とを考えることは出来なかった。一つの車輪が路から外れた。突然、馬は車体に引かれて突き立った。瞬間、蠅は飛び上った。と、車体と一緒に崖の下へ墜落して行く放埒 . . . 本文を読む