若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

密室

2008-09-14 23:32:18 | その他
仕事終了!と乗り込んだエレベーターで、アブ?ハチ?と二人きりになってしまいました。向こうも、じーっとしているし、私も刺激しないように固まっていましたが、時々ジジジッなんて羽音をさせて威嚇してくるので、「早く~」と扉を睨みつけて時間の過ぎるのを待ちました。

そして、『この感覚、過去に経験があるような……』と思い出しました。留学中の寮でのこと。そこのオンボロ・エレベーターに閉じ込められたことがあります(いつもガッタンガッタンと鳴いているかなりヒドイ代物でした)。

一人だったらまだしも、全く知らない大きな男の子と二人で閉じ込められてしまい、その気まずさに、「早く~」と心から願ったのを覚えています。彼も、『うわ、この小っさいアジア人、英語分かるのかよ』と居心地が悪かったかもしれませんが、HELPボタンで助けを呼んでくれて、マシンガン・トークでその不安な時間を和ませてくれました。実は、早口で、スラングバリバリで、何を言っているのか大半分からなかったんだけど、エレベーターの墜落などをイメージして、永遠に感じられる時間をじっと待つよりは、何倍もましだったな。

散々、扉の向こうから、「OK,OK」と言われ続けて、暫く待った挙句、外に出してもらい、彼とはバイバイしました。もう少し英語が分かるようになってからだったら、友達になれたかもしれなかったのに、惜しかったな。

子どもの頃、家に泥棒が入ったり、雷が落ちたりすると、翌朝クラスの人気者になれるのと同じ原理で、その夜の私はフロアの『時の人』となったのでした。

白髪になるまで

2008-09-13 10:53:36 | その他
まだ午後2時だというのに、ゴロゴロゴロ……俄かに空が暗くなり、いまにも雷雨という日曜日。「せっかく張り切って洗濯物干したのにー」とぶぅぶぅ言いながら、雷に喰われない内にパソコンの電源を落として、オシゴト中断。同じくパソコンから引き離されてしまった二代目もやってきたので、遅めのお昼ご飯でも食べようかという時に、友人Aから今テレビで『歓喜の歌』なる番組をやっているとの情報が。仕事中断の折、ちょうどいいですねぇ、とテレビ鑑賞(ホントは雷とテレビも相性悪いのですが)。

確か去年映画でもあった気がしますが、おじいちゃん指揮者(大滝秀治)率いるママさんコーラスの発表会と市の行事をダブルブッキングしてしまった市民会館の主任(大泉洋)。最初は「ママさんコーラスなんか延期してもらえばいいでしょ」と軽く構えていたけど、それぞれのママさん達にとって練習の末に迎えるはずだったその舞台がいかに大切なことなのか、ということに気付き、絶妙な解決に導いていくという物語。ママさん達個人個人の事情には泣かされ、主任の活躍には笑わされ、結果、とっても楽しいドラマでした。

自分たちの将来を見てるみたいだなーと思いつつ、我らが初谷敬史先生が大滝秀治さんのようになるまで足唱を教えてくれるかな、それ以上に、私達がその頃、第九歌えるのか!?なんてことを考えながら、「まぁ、多分歌えるな」と明るく思って、いつの間にか雷も去った青空を見上げ、ボォーーンと、またパソコンを立ち上げたのでした。

9.11

2008-09-12 09:02:14 | その他
四次元・五次元の研究についてのニュースを目にしました。結局なんだかよく分からなかったけど、そういった研究・実験の末にブラックホールが出来る可能性があるとか。でも、とりあえずソレは原子くらいの大きさだから危険がないとか。

物事を悟った大人の顔で、「とはいえ、四次元なんか発見したら、人間は悪い方向に利用するに決まってるよね」と私が言うと、二代目も「そうそう」と。

わたし「四次元にゴミ捨てちゃえとか言うよね」
二代目「まず軍事利用されるからね」

大人的差が出た瞬間でしたが、二代目は続けて、飛行機もロケットも、まずは軍事利用のために研究され、民事利用は二の次だったことを説明してくれました。

9月11日は、世界中の人にとって忘れられない日付になりました。当日、わたしはテレビで偶然その瞬間を伝えるニュースを一人で見ていました。現実のコトとは信じられず、カラダが震え、大声で二代目に助けを求めました。

どんなにヒドイ仕打ちをしても、どんなに仕返ししても、何も結果は出ないし幸せが生れないことを、私達はみんな分かったはずなのに、どうして争いが無くならないのでしょう。

マツモト写真のお店には、1995年に二代目が写したニューヨークの写真が飾ってあります。大好きな写真だったのに、あの日以来、悲しみを伴う写真になってしまいました。

シュート!

2008-09-09 11:16:38 | その他
洗濯物をたたみながら、「そうだ、今パラリンピックやってるんだっけ」とテレビをつけてみたところ、男子車椅子バスケットボールの試合を放映中。

数年前の近所の男子校文化祭。通りかかった体育館で、車椅子バスケの招待試合がある模様。「へー」と覗き込んでみると、ルール等を説明していました。『コートの広さも、ゴールの高さも普通のバスケと同じ』とか『三回漕ぐとトラベリング』とか、新たな知識を得て、試合を少し見学してみることに。

さっき、穏やかな顔して(半ば照れくさそうに)ルール説明をしていた青年(おじさま?)が、突如激変。ガツンッ!ガチンッ!!とものすごい音を響かせて車椅子同士が激突、その速さ、ゴールの的確さ、パス回しの正確さ、そのスポーツとしての面白さは想像を超えるものでした。気付いたら、仕事(撮影)を放棄し、私はその試合に釘付けになったのでした。

そして今日、初戦は落したという全日本男子バスケチームは、強豪(らしい)ドイツ相手に、すっごい接戦を繰り広げ、試合終了4秒前に勝ち越しゴールを決めて、見事勝利!!あまりにも冷や冷やする試合で正視していられず、たたみかけの洗濯物を放り投げて、クマのように部屋の中を歩きながら最後まで観戦しました。

次の試合も、観たいなぁ(ちなみに女子バスケチームは現在2勝。車椅子バスケは日本チーム強いみたい!)。どうして北京の新体操個人にしても、全米オープン(テニスです。フェデラー君、おめでとっ)にしても、私が観たいスポーツって中継がないのかなぁ。

大切なのは集中力!

2008-09-08 08:57:46 | その他
自称『たこ焼き番長』は、意気揚々と友人T宅に殴りこみ。細かい心配りの材料買出しも一手に引き受けて、皆より早く現地入りし、友人Iの息子さん(小2)が着いたときには、準備万端。「大人は揃ってないけど、今すぐ焼いてあげるからね!」と、完璧な滑り出しでした。

しかし、たこ焼き器に流し込んだタネの色がどうも薄い。でも、すぐに原因を突き止めました(突き止めたつもりでした)。「我が家のリビングって、暖色照明使ってるんだー。だから、色々かなり黄色く見えるんだよね。」なんて、物知り顔で友人Aに説明しつつ。

でも、何やら様子が変、固まる様子がない。一応……と作り方を見直して、「卵を2個入れます」の文言に愕然。忘れてました。しゃべったり、得意そうにしたり、はしゃいだりするのに夢中で、つい一番大切な部分がおろそかになってしまいました。先日の、『キャベツ指負傷事件』を知っている友人には、「ちゃんとたこ焼きに集中してた~?」と冷やかされ、心で泣きながら真っ白なタネを焼き、集め、処分し、少年のガッカリした視線に耐えつつタコを洗い、改めて集中して、仕切りなおしたのでした。

ワインを3本開け、全員が音楽評論家になって勝手なコトを言い合って、夜中にWiiFitして騒いで、深夜に代行デビューして帰った家で、ヘロヘロ失敗談を話す私に二代目は一言、「ちゃんとたこ焼きに集中してなかったんだろう!」。

ほんの数日前の学習をちっとも生かすことの出来なかった私。昨夜、負傷以来初のキャベツの千切りを試みていたところ、「テレビはつけけちゃダメ、俺に話しかけても駄目だからね」と、二代目が少し距離を保って、私を見張っていたのでした。

デビュー

2008-09-07 12:51:25 | その他
足利に戻ってから、めっきりお酒を飲まなくなりました(まぁ、東京に居た頃から『飲む』と言えるほどではありませんでしたが)。

理由は、代行車。絶対的な足が車であるこの町では、飲んだら必ず代行車を頼みます。知らないおじさんと2人で夜中のドライブ、しかも酔っ払った頭で我が家までナビしなくてはならないという高いハードルに、なかなか『代行車デビュー』を果たせずにいたのでした。

しかし、昨夜は遂に念願の『たこ焼きパーティ』。思い切って飲むことにして、代行車で帰ってきました。最初は沈黙ドライブで、「うぅ、気まずい。何か洒落た会話をすべき!?」と怯えていたのですが、一言、「こんな遅くに迎えに来ていただいてスイマセン」と言うと、後は、おじさんが一方的に『自分はいつもどんなに遅くまで働いているか(大体朝4時までだそうです)』、『どんなに遠くまで送っていったことがあるか(東京で代行業をしていたころの熱海が最高だそうです)』……といった話題を展開してくれて、あっという間に家に着きました。なーんだ、恐れるコトは無かったじゃない、これからは気分が盛り上がったら、「私も飲む~」と言ってみようっと。

それにしても女子4名(本格参戦2名)で、ワイン3本っていう量はどうなのでしょうか?友人Tが『二日酔いデビュー』しているという今朝の情報からすると、結構多目!?


ちなみに、足利に遊びにきた先輩が「代行車って何?」と言っていたので、念のため説明しておきますが、タクシーのように電話でお願いすると2人で迎えに来てくれて、1人が私の車を、もう1人が軽自動車を運転して、我が家まで送ってくれます。そして、2人で軽自動車で帰っていく、というサービスです。

英語力

2008-09-06 16:10:45 | その他
全米の女子ゴルフツアーに参戦するには、英語テストに合格しなくてはならない、というルールが出来たそうです。

なんだか、意外。

短い留学生活(10ヶ月)の中で、大切なのは英語力ではなく『何を言いたいのか、お前の考えはどうなのかハッキリ主張すること』、あくまでもコトバは意見を主張する、相手の意見を聞く、大切なコトを伝える……そういった目的のための道具に過ぎない、と学んだ気がしていたからです。

だから、英語力だけあっても、自分をアピールする話題、考え方、ワザ(スポーツ・音楽なんかもココに入るかな)といったモノがないと、面白いヤツじゃない、と思われそうで、留学生活の後半は、そっちの方が苦労が多かった気がします。あまりYes/Noをハッキリ主張する性格ではなかったので、「で、Naomiの意見は?」と聞かれる度に、自分の中で明確な答えとそのクリアな理由を見つけ出すことに苦労していたのです(その後の社会人生活でも様々な試練を超え、今では結構自己主張が出来る性格になったと、思うけど、自分では)。

ゴルフ界で、ゴルフの実力以外に語学力が求められるというのは、何かコミュニケーションの段階でトラブルでも頻発しているのでしょうか?挨拶も出来ないような人が沢山いるのかな?チームワークが必要な競技とも思えないし(キャディーさんとかは居るけど)、とても意外。

テニスの錦織君だって、13歳で渡米したとき、全く英語は分からなかったらしいし、ある程度の基礎知識さえあれば、別にスポーツ界にそんな英語力ルールなんて、いらないような気がしますけどね?

背伸びグセ

2008-09-05 15:01:34 | その他
カフェで一人でまったり……なんて、都会の女性っぽくてカッコイイけど、私は苦手。長居してるな、って店員さんに睨まれているような気がしてたまらなくなってしまい、超速攻飲みして出てきてしまうんです(そんなコトは決してないんですけどね。どこのカフェも皆さん親切な店員さんばかりで)。

というわけで、東京で生活していたとき、街中での『時間潰し』というのが苦手でした。例えば午前中に用事を一つ済ませて、友人との待ち合わせは夕方。一度帰るには短いが、ぼーっと待ち合わせ場所で待つには異様に長い。そんな時に私の避難場所は、メガ書店でした。最上階から1階の雑誌売り場までくまなく見て回れば、簡単に数時間過ごすことができます。万が一妙な衝動買いをしても、デパートに比べると被害が少なくて済むのも利点です。

そんなメガ書店で私が陥りがちだったクセが、「理想の女性ぶりっこ買い」でした。例えば、最上階の洋書売場で、ついベストセラーを買ってしまったり(翻訳で読んだ方が100倍速く、100倍意味もわかって楽しめるのに)、日経が出版元の政治学者の書いた本を手にとってしまったり(出来る女っぽくてカッコイイが、読んでもなかなか理解できない)、賢いOLの着まわし1ヶ月や彼氏との仲直りの仕方がテーマの雑誌を抱えてしまったり(着まわす材料や情熱、仲直りする彼氏もなかったのに)……。

先日、本屋さんで少し時間潰しをする機会がありました。すっかり大人になった(ハズな)のに、私はまだちょっとした背伸びクセが治っておらず、「このミステリーがすごい大賞」の本と、「全く新しい恋愛小説。きっと読んでみて!」と店員さんのお薦めコメントがついていた本に、めちゃめちゃ惹かれていたのに、つい隣にいた高校生と、この後「何買ったの?」と絶対聞く二代目に、いい格好をしようとして、夏目漱石の『こころ』を買ってしまいました。

毎晩布団の中で古きよき文学に親しんでおりますが、古きよき文学はあっという間に眠りの世界に誘います、ぐー。




ホセ VS エスカミーリョ

2008-09-02 10:52:02 | その他
考えても時間の無駄シリーズ(昨日に続き)に、『私が結婚するなら○○』、『私のタイプは○○』(○○には著名・芸能人が入る)というジャンルもあります。

先日、合唱団の女子で、自分達の舞台『カルメン』のDVDを観ていました。「ホセとエスカミーリョなら、どっちがタイプ?」という話題になり、私が「ホセだなー」と発言すると、「えーーーーーっ!?」とブーイングの嵐、圧倒的多数でエスカミーリョ派でした。

因みに、ホセというのは、田舎にカワイイ許婚(いいなずけ)がいた真面目な青年だったのに、カルメンというセクシーダイナマイトに誘惑されて、コロっといき、尽くして全てを捧げた末、あっさり捨てられて、追いすがり邪険にされて(指輪まで投げ返されて)、結局、正気を失ってカルメンを殺してしまうという可哀想な人。

一方、エスカミーリョは、闘牛士の超一流スター。ルックス、ファッション共に超かっこよくて、女子の憧れの的。カルメンを気に入って、さっさと口説き落し、さっさと彼女にしてしまうイケメンの代表。

私は、「お前のためなら何でもする」な~んて言われたら、多分「わっかりました。付いていきます!」と言ってしまう気がするけどなぁ。だって、エスカミーリョは浮気も心配だし。

ところが、女子チームでは、「お前のために何でもすると言うならば、エスカミーリョとの幸せのために、去って欲しい」、「あそこまで言われたら、かえってひく」などの厳しい意見が相次いでおりました。

たはは、ホセ惨敗。

バス(低音)の魅力

2008-09-01 11:17:41 | その他
「次に生まれ変わったら○○になりたい」、考えてもしょうがないことなんだけど、ついやってしまう時間の無駄遣いのひとつです(「宝くじに当たったら何に使うか」も、このジャンルに入ります)。

私の「次」は、「かなりイイ声のテノール歌手で、第九のソロを歌う男性」が希望です。24歳で初めて第九を歌ったときに、後ろからテノール・ソロを堪能し(堪能してる場合じゃないのですが)、『なんて素晴らしいんだ!』とカラダが震える感動を味わい、『うー、私も歌いたい』(その発想がおかしい)と思って、それ以来、「次に生まれ変わったら」と考える度に、「テノール歌手」と思わずにいられないのです。

そんな訳で、ずっとテノールがいい!と言い続けてきましたが、先日ふっとした瞬間に、バスの魅力に気付きました。それは「歌う側」の「ソプラノ」として感じたのですが、合唱団の練習で、ずっとバスパートが上手に出来なくて、苦労していた部分がありました。ところが、先週の練習でその部分を見事パス!上手に歌っていたのです。そのとき、先週に比べて、ソプラノである私がとっても歌いやすいことに気付きました。『あぁ、コレが低音が合唱を支えるということか』と初めてきちんと実感したのでした。

アルトとバスの低音はとっても魅力的、テノールはやっぱりスキ、ソプラノは勿論大好き。この4つが合わさって作られる合唱ってやっぱり、ええなぁ。