派閥のパーティー券の資金環流の件から自民党内は大きな台風に晒されている。いの一番で岸田派解散を打ち出した首相だが、本来総裁の号令一下「自民党内の派閥は今後禁止する」と言えばいいのだが、首相になった経緯も自分の人望でなったわけではないので、言ったところで反発も多いと計算したのだろう「まずは自分の精錬さをだして、その内派閥自体世間が許さなくなるだろう」と踏んだのか、現時点で茂木派、麻生派以外は解散したか、解散の意向を示している。麻生元首相は「自民党の政策研鑽のために…」といって粘っているが、派閥から離脱する議員が出てきている。元々、麻生派は大所帯ではなく権力を持つに従って増えてきた経緯があるのでコアメンバーでない議員ほど離脱していったり、地元支援者からのプレッシャーもあるだろう。
立民をはじめ、野党には自民党の集金/配金マシーンにあたるような派閥は無い。そもそも派閥パーティーで十分な集金がないので仕方ないのかも知れない。しかし、小沢一郎が築き上げた「新進党」や「(大)民主党」には派閥が存在していた。それは急ごしらえの野党集団であったから、それぞれの支持母体を背景として派閥は出来ていたが、新進党出身や弱小野党から転身してきた議員は「勉強会」「政策グループ」というものに所属し、その影響力もあった。そもそも今の自民党の中で「政策研鑽のために…」というのは志を一つにした政党の中にあるのはおかしな話しだ。
善し悪しはあるが田中角榮は派閥を越えて人望があったし、可愛がってもいた。それは自分の派閥を肥えさせる方策でもあったろうが、田中派になびかない人間と承知していても可愛がっていたという話しはよく聞く。
野党にお金が集まる道理が無い。野党が政策作成に参加することは少なくせいぜいのところ、自民党と相談し「自民8割/野党2割」という法案が成立し「我が党の政策が通った!」と威張り飛ばしている程度。力なき所に金は集まらないのが政治の厳しい一面を表していて、それが派閥の存在を肯定する論理の裏付けにもなっている。
よく「三人寄れば派閥ができる」というが、そういうことが集団生活のをすることで生き延びてきた人間の性、習性なのだろうが、しかし国民の信任を得て国会議員になり、また首相になった人間はよりお金に関してキレイでなくてはならない。
おそらく、しばらくして「勉強会」なるものが自民党内に出来てきて、「お金は配らない」といいながら、支持者から勉強会にお金が集まってくるだろう。昨今で言えば安倍首相のような強力な自民党内に力があるような総理・総裁が誕生しないと「脱派閥」ができるような自民党内のシステムを作るのは難しいだろう。
法律の改正云々という話が出ているが、政治家に確固たる倫理観と管理能力があれば法改正なんて要らないわけだ。
台風が去るのを待って、また復活し、また糾弾されるこの繰り返しが続いていくことだろう。
こんなの占い師じゃなくてもわかる。
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