大賀ハスのふるさとの会

東京大学からハス見本園の管理を引き継ぎ、観蓮会の開催・ ハス文化の継承と普及を行うため組織されたボランティア団体です

2019年7月6日 活動報告② 見本園の蓮の開花状況

2019-07-08 17:47:22 | 日記

ひきつづき、見本園にある100種以上の蓮の一部をご紹介します。

真如蓮です。真如とはサンスクリット語(梵語)のタターターの訳で、実体、真相などを意味します。まさに静かで厳かな気持ちにさせてくれる蓮です。

即非蓮(そくひれん)です。小・中型の一重咲き。即非蓮の名は、江戸時代前期に中国の僧・隠元(いんげん)の高弟である即非如一が日本に本種を持ち込んだとされる事に由来します。ちょっとマニアックですが、花弁の先端がとがり、左右両側が少し折れ込んた形をしていますので、観蓮会で咲いていたらぜひご確認ください。

蜀紅蓮です。今は蕾だけですが、観蓮会の朝には咲きそうです! 中型の一重咲きで、日本の花ハスの中で最も濃い紅色をしています。花弁の外側中央部はやや黒ずむほどの鮮やかな深い赤です。花が散ったあとの花托も紅色を帯びます。
妙蓮です。大変貴重な品種のため、今年の春に植え替えを行いましたが、浮き葉も出ていません・・・! 咲いていれば、花弁数300~6000枚の大型の八重咲きで、分岐したそれぞれの花托に花をつける珍しい品種。雄ずいはなく、蓮根からしか増えません。
瑞光蓮です。ひときわ目をひく、中・大型の爪紅種です。花色が白地にピンク色の爪紅となり、光によって微妙な陰影ができます。開花初日は、ピンク色が比較的濃いめですが、開花2~3日目では退色して白っぽくなります。
廬山白蓮です。花弁数100枚ほどの八重咲きです。開花1~2日目は、マッシュルームのような独特の形になります。聖人蓮とも呼ばれるのは、随筆集『甲子夜話』(かっしゃやわ)などで道元、隠元、あるいは大眉によって中国からもたらされた蓮として紹介されているからです。
大酒錦と大賀蓮の交配種です。かけあわせた新しい品種には名前がついていません。
天高雲淡です。
翠薇夕照(すいびゆうしょう)です。とても花つきが良く、強い風で蕾が倒れてもしっかり開花します。
艶陽天です。花期の長い蓮で、中国品種では一番濃い紅色を出すと言われています。退色もほとんどありません。
寿星桃です。
艶新装です。
敷地の入口にある修景池の大賀蓮です。先週ひとつの花が咲き、今は蕾がもうひとつ出ています。
ムクロジ科のモクゲンジです。今は花盛りの蓮たちが主役ですが、他の植物たちも元気です。
 
以上で26種の蓮をご紹介しました。現在、見本園にある100種以上の蓮の約4分の1が開花しています。それぞれの品種の蕾・花期は異なりますが、見本園では、全体で6月中旬から10月初旬まで次々と蓮たちが咲き誇ります。
 
7月13日の観蓮会でお待ちしています! さらに、今年は蓮の見本園の開放日として、7月14日、15日、27日、28日をご用意しています。じっくりと蓮を観察されたい場合は、観蓮会のあとの開放日がおすすめです。
 
今日の報告は以上です。
 
(担当: れい)
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2019年7月6日 活動報告① 観蓮会まであと7日

2019-07-08 07:26:25 | 日記

今日は小雨、気温22℃の梅雨空のもとでの活動となりました。大賀ハスのふるさとの会にとっての最大のイベントである7月13日の観蓮会まであと7日、最終的な環境整備と当日の役割分担の確認などが行われました。テントの設営、会場の準備作業もはじまっています。

観蓮会のメイン会場となる旧東京大学緑地植物実験所の見本園では、例年より開花が遅れ気味のため、今咲いている蓮たちも来週の観蓮会のころまでもちそうです!
開花中の蓮たちの一部をご紹介します。まずは、背の高い天昇です。
透き通るような白さの西光寺白蓮です。外側の花弁はわずかに緑色で、花弁は細め。大阪府和泉市の西光寺に伝えられている白蓮です。
容姿端麗な紅黄蝶です。アメリカ系の黄色い蓮とアジア蓮との交配種で、双方の色や形状が入り混じった生育旺盛な品種です。
伊豆沼です。宮城県にある東北最大の低地湖沼・伊豆沼に咲く品種で、そこでは毎年「はすまつり」が開催されています。
紅君子蓮です。即非蓮と白君子小蓮との交配種。1987年にこの旧東京大学緑地植物実験所でつくられた品種です。
輪王蓮です。王子蓮(アメリカ系の黄色い蓮)と金輪蓮(アジア系の白い蓮)との交配種です。花弁の基部が黄色。この品種も1987年に、ここ旧東京大学緑地植物実験所で作出されました。
漁山紅蓮(ぎょざんこうれん)です。花弁数30枚前後の中型・半八重咲き種。開花1日目の花色は桃色ですが、下の写真のようにすぐ退色します。中国の漁山(魚山)は、声明の起源地として伝えられています。
やわらかな夜をイメージさせる清月蓮です。花弁数24~26枚の白の一重咲き種、外側の花弁は緑がかっていて、先端がやや尖っています。花茎は18センチ前後で、小型の鉢(25~30センチ)でも育てることができます。
天上蓮です。下の写真は4日目の花ですが、花弁数80枚前後の華麗な八重咲きです。雄ずい(おしべ)が突出する異形雄ずいになることあります。
錦蘂蓮です。蘂(ずい:花の生殖器)がきれいな蓮という意味です。うつくしい八重咲きで、外側の花弁の幅が広く、5センチほど。他は1~2センチの細い弁。

姫蓮です。花弁数14~18枚の一重咲きです。比較的小型の品種ですが、今年は大きな花を咲かせています! 花弁の縦に入った筋(条線)が鮮明で、葉が少しザラザラしているのが特徴です。
まだ咲いていませんが、検見川蓮です。
この検見川蓮は、実生(種から育った)の大賀蓮です。見本園では、すべての蓮を系統保存のために蓮根から育てています。この種から育った蓮は、近くの別の蓮と交配している可能性もあるために大賀蓮ではなく、「検見川蓮」と呼んでいます。

白万々(はくまんまん)です。雨にうたれ、うなだれていますが、花弁数100~120枚の八重咲きです。花色は蕾から開花直前まで緑色を帯び、開花すると純白になります。存在感抜群の品種です。
開花中の蓮の報告がつづきます。


(担当: れい)
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