☆ 知新 温 (Arata On) ☆ のお菓子だぁ~い好き!

食空間カメラマン 知新 温 (あらた おん)の日々是修行←話題脱線中
◆ 最近、不定期更新になってます!(詫) ◆

【 オピニオンリーダーが語る 「厨房談義」 第23回 】

【オピニオンリーダーが語る「厨房談義」第23回】
2016年1月25日開催、東京ガス様 業務用厨房ショールーム
『「BO!セミナー」料理撮影セミナー 』
~美味しそう!の先へ、魅力を表現する料理写真講座~
の様子を掲載して頂いております!
作例写真も合わせて掲載しておりますので、お時間のある際にご覧下さいませ。

Chamber of Curiosities レポート

2007年04月23日 | 展覧会な1日

’あらた おん’のHPはこちら。

若葉が目映い季節になりました。フレッシュマンさん、新しい環境に慣れましたか?

明るい日差しのせいなのでしょうか?はたまた、爽やかな薫風のなせる技なのか。
この季節には、決まって。勢いで入学した写真学校、初日の授業を思い出します。

 教室に現れた先生は、第1声で、その部屋の露出を尋ねました。次に、ご自分の
 作品をスライド上映しながら、ある1枚の写真の画角を、生徒に答えさせました。
 そして、「今日から皆さんは、撮れちゃった写真は卒業しましょう。」と仰いました。

その時。先生の言葉に、いたく感銘を受けてしまい。『そうだ。イメージを形にするの
だから、カメラに使われるのでなく、撮影の最初から最後まで、コントロール出来る
ようになろう!学生でいる間に、全ての技術を身に付けるんだー!』 などと~。
目の中に炎を燃やす私、がおりました。(当たり前ですが、全ての技術は無理でした ・・・。泣)

今、改めて考えてみると。カメラマンは、商業写真であってもなくても関わりなく。
自分だけの表現方法を追い求めて行くこと。いつまでも、ずっと。納得するまで。
大切なことは、ただひとつ。それ以外にない、ような気がしています。

現在、東京大学総合研究博物館で開催されている、”Chamber of Curiosities ”
は、【オリジナリティーを真摯に探求する】素晴らしさを、目の当たりに出来る
展覧会だと、感じました。

「写真家上田義彦のマニエリスム博物誌」の題名通り、広告写真家:上田義彦氏が、
東京大学の学術標本を、ありのままを再現する記録写真の枠を超え、幻想的な
作品として描き出すことに成功しています。

 技術的な側面に言及すれば。(おそらく)8×10のラージフォーマットカメラの持つ、
 精緻な描写力と、カメラ性能による遠近感の表現。(画素数がどんなに上がったとしても、
 35㎜デジタルカメラでは再現不可能な。)
カーボンブラックを使用した際だった明暗&質感。
 そこに、柔らかなライティングを織り込む選択。確固とした信念が伝わってきます。

さらに、特筆すべき点は、展示会場の空間演出のデザイン性です。作品の配置、
照明、ソファーの設置に至るまで。従来の博物館イメージを刷新した実験的な試み
の中に、アートとの融合を目指した博物館展示研究の、強い意志が伺えました。

写真に限らず、物事を掘り下げていく情熱。実現にこぎ着けた企画力。携わった
スタッフの高い知識と技能。その集積は、賞賛に値すると思います。表現の本質
を再考すると共に、初心を思い返す時間をプレゼントして貰った展覧会でありました。

毎回、会期終了間近のご案内で、まことに心苦しいのですが、興味を持たれた方
は、ぜひ、お出かけ下さい。(すみません。 今週の金曜日 まででっす!!)

* もし、お時間がおありの方は、常設の展示についても、ボランティアスタッフの方にお訪ね下さい。
  興味深いお話が聞けること請け合いです。スタッフの皆様、ありがとうございました。 *


「東京大学コレクション 写真家上田義彦のマニエリスム博物誌」 
2007年4月27日(金)まで。土日祝日休館 10:00~17:00(入館は16:30まで)

今日の写真はお休みです。展覧会レポートで、関係ない写真をお見せすると、とっちらかってしまう気が?
↑もともと、とっちらかりブログなんですけどね ・・・。↑


あ、さて。来週の「お菓子だぁ~い好き!」は、1週お休みさせて下さい。
連休を利用して、写真の整理を行う予定です。(果たして、終わるのだろうか?)
皆様、楽しいゴールデンウィークをお過ごし下さいね~。