沖縄県は24日までに、世界8都市に住む金融資産1億円以上、手取り収入年間1千万円以上の富裕層を対象に初めて旅行事情を調査し、結果をまとめた。
旅行目的は国ごとに異なり、日本、北米、英国の富裕層が夫婦などの少人数での「文化・歴史」体験、「非日常空間でのリラックス」を求める一方、中国、台湾、韓国、香港では「海などの自然」「美食」など、家族で楽しめる旅行を求める傾向が強いことが分かった。(沖縄タイムス政経部・平島夏実)
調査は、世界8都市の富裕層各85人にウェブ上で実施した。富裕層の旅行調査は全国的にも例がないという。県は「2021年度に観光収入1・1兆円」の目標に向け、ニーズに沿った国別の誘客戦略を立てて富裕層を多く呼び込みたい考え。
富裕層全体のうち、旅に求めるものを文化や歴史と答えた割合は最多の37・8%。北米では47%に上った。海などの自然は24・6%、リラックス14・0%、美食5・0%、ゴルフ4・5%、美容・健康1・0%と続いた。
ブランド品など高級品の買い物は中国や台湾、東南アジアが多く5・1%。スキーは中国、香港、韓国が多く2・6%。カジノは0・8%だった。
旅行メニューごとの年間消費額などを加味すると、富裕層の旅行市場規模は347兆4千億円。うち、高級品の買い物、スキー、カジノを除く旅の提供で沖縄が狙えるのは最大275兆5千億円と推計した。
居住地別では、欧州が最高の91兆3千億円(33・1%)。北米75兆4千億円(27・4%)、中国31兆6千億円(11・5%)、日本、南米、東南アジアがそれぞれ約12兆円で続いた。
富裕層は北米、欧州、日本、中国、東南アジアの順番に多いとされるが、沖縄が狙えるのは北米よりも欧州が多額との結果になった。