沖縄でまた米軍機のトラブルが発生した。23日夜に沖縄県渡名喜村のヘリポートに米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)所属のAH1攻撃ヘリコプターが不時着した。沖縄で相次ぐ米軍機トラブルは今月8日に同県読谷村の廃棄物処分場の敷地に同型機が不時着したばかり。県民からは「またか」と悲痛な声が漏れ、あきれと憤りが広がった。
「警察や消防が集まり、辺りは騒然としている」。渡名喜村内で民宿を営む南風原(はえばる)豊さん(58)は、午後9時ごろに知人からの電話で米軍ヘリの不時着を知り現場に駆けつけた。南風原さんによると、米軍ヘリが不時着したのは村北西部の港近くにあるヘリポートで、普段はドクターヘリなどが発着するという。
近くには幼稚園や小中学校もあり、ヘリポート付近は地元住民の散歩ルートにもなっている。この日は日中から、米軍ヘリが演習のために上空を旋回していたという。南風原さんは「またかという思いだ。もし今、村民が病気になっても、米軍機がヘリポートを占領していて病院にも行けない」と憤った。
ヘリポート近くにある小中学校の守衛を務める男性(76)によると、学校には日中、児童生徒が約30人通っている。男性は「普天間でも小学校にヘリの窓が落ちたばかり。子供たちに何かあったらと思うと、本当に恐ろしい」と話した。
翁長雄志知事を支える比嘉京子県議は「米軍はあまりにもずさん過ぎる。言葉がない。県民の命を軽視する米軍の運用を許し、黙認しているのは日本政府であり、これは米軍ではなく日本政府の問題だ。このままではいつか大事故が起こる」と怒りをあらわにした。
宜野湾市議会はこの日、米軍機のトラブルや事故が相次いでいることに対する抗議決議を全会一致で可決し、在沖縄米軍などを訪れて普天間飛行場の一日も早い閉鎖返還などを要請したばかり。要請に参加した桃原功市議は「ひどい。とにかく米軍には『飛ぶな』と言うしかないが、我々はどうしたらいいんだろう」と語った。【宮崎隆、柿崎誠、佐藤敬一】