貿易業のビンコウHD(那覇市、方徳輝社長)、瑞穂酒造(那覇市、玉那覇美佐子社長)、南島酒販(西原町、大岩健太郎社長)は15日、沖縄県那覇市内で会見し、琉球泡盛を中国で展開すると発表した。
中国で親しまれている白酒にちなみ「琉球白酒」の名称でPRするとともに、アルコール度数53度の原酒「琉球王国貢酒」を売り出す。
今後、通関手続きやボトルのデザインなど海外展開の準備を進め、11月に上海で行われる第1回中国国際輸入博覧会に出展する考えだ。
瑞穂酒造の泡盛原酒をビンコウHDが中国展開し、南島酒販が訪日観光客向けの泡盛PRを行う。2022年までに輸出量100キロリットルを目指す。
「白酒」は穀物を原料として作られる蒸留酒で、中国のアルコール市場の65%を占める。ビンコウHDの中原英越専務は「中国人には泡盛は『泡』の文字のイメージが強くお酒だと思われない。中国人に親しまれる白酒をネーミングすることで、手に取ってもらいやすくなるだろう」と話した。
アルコール度数を高くした「琉球王国貢酒」について中原氏は「今回、白酒市場に切り込むのは、日本円で1万円以上の高級酒市場。中国の高級な白酒は53度が主流だ」と述べた。
「貢酒」という名前については、琉球王国時代に進貢船で泡盛を中国に送っていた歴史などを挙げ、ストーリー性を盛り込むとともに、中国となじみ深い酒であることをPRする狙いという。
中国展開と同時に訪日中国人観光客も狙う考えで、県内外の土産品店などに同じ商品を置く予定だ。