沖縄県那覇市と平和通り商店街振興組合でつくる「アーケード検討委員会」が17日までに、平和通りのアーケードの撤去も含めた代替案を示す報告書をまとめた。29日の同組合総会に提案する。総会で合意されれば、老朽化するアーケードの代替案や、平和通りの新たなまちづくりのビジョンについて組合全体で協議を始める。
検討委員会では、全撤去費用を約8千万円、撤去後の日よけ設置費を約1億4300万円、建て替え費用を約9億5千万円以上と算出。アーケードは、組合や通りの店主らが設置し管理するため、撤去や建て替えに行政の補助金が使えず、全額個人負担となる。
委員会では、整備案として(1)現状維持(2)補修・補強(3)一部撤去・整備(4)全撤去・整備(5)建て替え・整備―の5案を検討した。委員会では全撤去を「安全面やコスト面から優位性が高い。アーケード撤去後の課題をオーニング(日よけ)設置などによる代替案での対応を検討する」と評価した。一部撤去は「工期が長くなり、費用負担も増加」と、建て替えは「コストが膨大」と課題が残ると判断した。
一方、組合員からはアーケードの維持や建て替えを求める声も根強く、報告書では「状況の変化によっては建て替えも視野に入れる」とした。検討委員会委員長で組合の饒平名康臣副理事長は「商店街の5年先、20年先の将来を見据えた議論。撤去ありきではない」と話した。
平和通りのアーケードは、1981年に1億3千万円の施工費用をかけて設置した。施工から36年経過し、一部テントが破れたり、柱が腐食し穴が空いたりした箇所もある。建築基準法や道路法、消防法の違反状態にもある。