農業分野で外国人労働者を受け入れる県の区域計画が決定したことで、人材不足に悩む県内農業に解決の道筋が開かれた。農業支援外国人の受け入れが確定的になり、県は課題解決と農業生産の後押しを期待する。沖縄の農業は産出額が増加する一方で、高齢化や後継者不足から外国人受け入れの要望が強かった。訪日外国人客が増える観光業との連携や海外輸出の拡大など、外国人材を活用して、さらなる農業の成長産業化を加速させる。
農業支援外国人は「即戦力」としての期待が大きい。日本の農業技術を学んで母国に生かす外国人技能実習生と異なり、技能実習生を経験するなど一定の語学力や技術を身に付けた人材が農業現場を支援できるからだ。同じ研修先のみで農業を学ぶ技能実習の制限もなく、複数の就労先で作業することができ、一時帰国が可能なことも農業支援外国人の特長だ。
県は外国人客への通訳対応や貿易に関わる作業のサポートなど、農作業に付随する分野でも外国人材の活用を見込む。
一方で、すでに特区に指定されている他地域との間で、人材の取り合いも想定される。受け入れ側の希望ばかりが先行すれば、入国する外国人材の目的と隔たりができる恐れもある。外国人材にとって働きやすい環境整備が課題だ。次世代の県内農業を担う後継者への施策も並行し、特区の趣旨に沿った人材活用へ着実な準備が求められる。/ (大橋弘基)
波打ち際にサンゴの卵が打ち寄せられ海が赤く染まった
=30日、午前6時30分ごろ、沖縄県伊江村川平の魚類養殖場海岸
沖縄県伊江村の伊江港西側にある魚類養殖場海岸に29日から30日にかけて大量のサンゴの卵が打ち寄せ、砂浜が帯状に赤く染まっているのが30日、確認された。この現象は近年、同時期に阿良の浜や伊江ビーチなど伊江島の南海岸で広範囲にわたり見られる。
満月となった29日、大潮前にサンゴが産卵し、南風に乗って波打ち際に流れ着いた。いつもは青く透明な海が無数の卵で赤くなり、周囲には潮の香りを強くしたような特有のにおいが漂っていた。
伊江漁協の「伊江島海の会」は、島周辺の海域に生息するサンゴ礁の生態系を管理、保全するための活動を行っている。同漁協の八前隆一組合長は「島の周囲にはきれいなサンゴ礁が広がっている。神秘的な光景が毎年見られるよう、今後も環境保全やサンゴの自然再生に向けて取り組んでいきたい」と話した。
(金城幸人通信員)
廃校となった国頭村立佐手小学校辺野喜分校を利活用し、介護サービスやんばる(山川勇代表取締役)が福祉施設「グループホーム国頭」と「トレーニングリハビリ国頭」を開所した。今年3月から「通所介護(デイサービス)」を、5月からは「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」を実施している。開所を記念したライブが13日、同村の辺野喜区公民館2階ホールで開催された。
ライブには、しゃかりのチアキさん、「コンフント・アレグリア」(バイオリン・くによしさちこ、パーカッション・玉城チコ、キーボード・白川ミナ)、和太鼓の永山流太鼓塾のほか、グループホーム国頭・デイサービスおおぎみの職員らも出演。村内外から約100人が会場に足を運び、多彩な音楽のライブを楽しんでいた。
ライブでは、チアキさんとコンフント・アレグリアのコラボもあった。
グループホーム国頭管理者の山川明さんは、施設職員や音楽仲間と一緒に演奏を披露。「やんばるのために福祉の仕事をやりたいと思い、国頭のこのような場所で仕事をすることができて光栄に思います。職員一同、一生懸命頑張っていきます」とあいさつした。
出席した宮城久和国頭村長は「廃校利活用について、地域との行政懇談会で要望が多かった福祉施設が2年間かけて実現して良かった。高齢者が地域で安心して暮らせるようにこれからも行政として支援していきたい」とあいさつした。 (新城高仁通信員)