尚家の史料や玉座など400点余りが焼けた首里城の火災で、全体の約3分の2に当たる1075点の収蔵品が無事である可能性が出てきた。この中には県指定有形文化財3点も含まれており、首里城を管理する一般財団法人「沖縄美ら島財団」が確認作業を進める。
財団職員は2日も警察や消防とともに現場に入り、火災や収蔵品の状況を調べた。財団によるとこの日、消防が南殿と寄満(ゆいんち)の収蔵庫を開け、焼損の状況を確認。その後、財団職員も確認したところ、収蔵品が入ったケースは無事だったという。
現場に立ち会った財団幹部は取材に「耐火性がある収蔵庫はかなり頑丈だったということだ」と語った。一方で「一部はぬれている可能性がある」とも説明。ケースを開ける際に破損することがないよう、これらを運び出した上で専門家と一緒に確認することから、財団は「現時点では無事とは言えない」としている。
財団によると、南殿収蔵庫は県指定有形文化財の絵画「白澤之図(はくたくのず)」など454件724点、寄満収蔵庫には県指定有形文化財の工芸品「黒漆菊花鳥虫七宝繋沈金食籠(くろうるしきっかちょうちゅうしっぽうつなぎちんきんじきろう)」や「黒漆牡丹七宝繋沈金食籠(くろうるしぼたんしっぽうつなぎちんきんじきろう)」を含む248件351点が収蔵されている。