首里城の記録を再建の議論に―。個人や団体でつくる沖縄デジタルアーカイブ協議会(真喜屋力会長)は、みらいファンド沖縄内に「首里城アーカイブ基金」を立ち上げた。基金で首里城復元に関する資料の収集や復元に携わった人にインタビューを行う。集まった情報をデジタルアーカイブとして、再建に向けた議論などのために県民と広く共有していく。
基金は、1千万円を目標に募金で広く募る。首里城の復元に関する写真や資料なども募集している。既に首里城焼失に関連した映像資料を同会に託す人も出てきている。17日に定例研究発表会で報告する。
基金では、デジタルアーカイブを活用した首里の新たな観光コンテンツ開発や、首里城周辺地域のまちづくりの中で首里城の位置付けを再検討する議論もする予定。
真喜屋会長は「建物は燃えたけど、技術や文化は残っている。首里城がない間に歴史や文化をつないでいくのはアーカイブだ」と話した。
みらいファンド沖縄副代表理事の平良斗星さんは「再建に向けた動きの前に、首里城がシンボルたり得たのは何だったのか、首里地域のまちづくりの視点から見たらどうかなど、もっと議論が必要。デジタルアーカイブの側面からできることがあるはず」と期待を込めた。
首里城アーカイブ基金の問い合わせ先はみらいファンド沖縄(電話)098(884)1123。