沖縄県が999万9千人と発表していた2018年度(18年4月~19年3月)の県内入域観光客数の集計に一部報告漏れがあり、実際には1千万人台に届いていた可能性が高いことが12日、分かった。
全日本空輸(ANA)が18年7、8月に運航した伊丹―石垣の夏季臨時増便の実績が統計に含まれておらず、現在県は計算をし直している。18年度の数字が改めて確定すれば修正値を発表する見通し。
入域客数は観光消費額の数字などにも影響してくる。新垣健一県文化観光スポーツ部長は「数字を精査している。タイミングを見てしかるべき対応をしたい」と話した。
ANAによると18年から伊丹―石垣路線で夏季臨時便を運航しており、今年も7、8月に運航した。18年7、8月の伊丹―石垣(下り)の旅客数は6240人だった。本来だと県在住者が搭乗する割合を除いた観光客数の推計値を出して、各月の入域客数に反映させる必要があった。
今年7月分の輸送実績を県に提出した際に、前年の伊丹―石垣路線のデータが報告されていなかったことが気付いたという。
ANAの担当者は琉球新報の取材に、18年の報告漏れについて「新たに追加された分のデータを見落としてしまった」と話した。
玉城デニー知事が4月に発表した18年度の入域観光客数は対前年度比4.4%(41万9100人)増の999万9千人で、年度目標の1千万人に千人届かなかった。
このうち18年7月は同2.6%(2万3800人)減の88万4100人、同8月は同3.5%(3万5400人)増の103万7900人だった。
沖縄観光速報社が発行する「観光とけいざい」が今年10月1日号で、18年度の入域観光客数が1千万人を超えることを指摘する記事を掲載していた。