沖縄で働き始めたデデン・ドイ・ペルマディさん(左から2人目)、ギタリカ・フィトラーリャンさん(中央)、ムハンマド・イルファンさん(左から4人目)と、歓迎するKPGホテル&リゾートの田中正男社長(左)、大屋美季さん(右)=21日、恩納村のカフーリゾートフチャクコンド・ホテル
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沖縄県恩納村のカフーリゾートフチャクコンド・ホテルなどを運営するKPGホテル&リゾート(田中正男社長兼COO)は本年度、インドネシアからイスラム教徒(ムスリム)の従業員3人を採用し、14日から恩納村の同ホテルでの勤務を始めた。
うち1人はムスリム女性が巻くスカーフ「ヒジャブ」を着用して勤務している。宿泊業界でヒジャブ着用を認める例は全国的にもまれという。性別や宗教の違いに関わらない多様性のある職場づくりや、増加が見込まれるムスリム観光客への対応を進める。
KPGが採用したのはムハンマド・イルファンさん(22)、ギタリカ・フィトラーリャンさん(23)、デデン・ドイ・ペルマディさん(26)の3人。現地の4年制大学で日本語を専攻したり、日本に留学経験があるなど日本に深い知識を持つ。
グローバル人材の活用を目指す県の「グローバルプラットフォーム構築事業」で昨年11月に開かれた就職イベントにKPGが参加し、面接を経て採用を決めた。
深刻な人手不足を背景に、県内外のホテルでは外国人人材の雇用が進む。一方、国内のホテルは制服など厳格な服装規定を運用する例が多く、ムスリム女性がヒジャブを巻いて勤務できる例はまだ少ないという。
ギタリカさんは面接時、田中社長に勤務中のヒジャブ着用を要望し、許可された。田中社長は「ヒジャブは眼鏡や時計などと同じく必要な生活用具の一部だ。巻くのは構わない」と語る。
学生時代に高知県へ留学したギタリカさんは「高知では珍しそうに見られることが多かったが、沖縄では外国人が多いせいか、他人に見られずに仕事ができている」と笑顔で語った。
イルファンさんは将来、インドネシアに戻り日本食レストランを開くのが夢だ。「KPGでマネジメントなどのノウハウを学びたい」と意気込んだ。
工学部出身のデデンさんは「サービスの質を効果的に高める仕組みに興味がある。このホテルで長い時間働きたい」と笑顔で語った。