上の続きです。
いつの間にか、確定申告の時期となりました。
去年の今頃は、骨折していた腕の針金を抜く手術を受けていました。母も落ち着きましたし、退院したらあれもしたい、これもしたいと、宝塚観劇の計画を立てたりしておりました。
それが結局、コロナ禍が一年も続き、現在、世界中が悪い夢を見ているような状況です。
雪組公演『f f f -フォルティッシッシモ-』『シルクロード~盗賊と宝石~』初日舞台映像(ロング)
望海さん真彩さんの退団公演、初日舞台映像が出ました。
結局、一度も生で見ること無く、お二人は退団されてしまいますが、ウエクミ先生の『f f f -フォルティッシッシモ-』、実に見応えがありそうです。
望海さんがベートーヴェンで、真彩さんはどうも、音楽の精霊のような感じがして、普通に恋人ではなさそうですね。
朝夏まなとさんの退団公演「神々の土地」がそうだったのですが、ウエクミ先生って、退団公演の場合、どうも、歴史上に現実にあった動乱の時代の人間群像を描きたがっておられるようで、「神々の土地」も、いろいろ設定は変えてあっても、ロシア革命時に実在した人物を出しています。
そして『f f f -フォルティッシッシモ-』も、フランス革命、ナポレオン戦争に続きます、ドイツ国民創世の中で生まれたベートーヴェンという天才の苦悩を描いているのではないかなあ、と思えて、ライブ配信が楽しみです。
私、シーボルトの娘、おイネさんの伝記を書こう(今度こそちゃんと書き上げよう)としていまして、このシーボルトが、ベートーヴェンの息子くらいの世代で、おまけに、ドイツ西部の大司教領で生まれた、という共通点があります。いま、あれこれとベートーヴェンの伝記を読み直していまして、歴史観には、また多少の文句は出てこようかと思いますが、それがまた楽しみでもあったりします(笑)
1月11日、wowowで、「誠の群像」を見ました。
上に、「実は一昨年の春、『誠の群像』の宝塚公演が高松に来ると知り、切符を買ってたんです。ところがその直前、歴史探訪旅行に参加しまして、宇和島城の天守閣で転げ、足を折ってしまいました」と書いておりますが、あれは2018年、平成30年のことでした。
『誠の群像』の主人公・土方歳三には、私、昔けっこうはまっておりまして、このブログにも、下のように「土方歳三」というカテゴリーがあったりします。
私が土方さんにはまりこみましたのは、あきらかに、司馬遼太郎氏の「燃えよ剣」と「新選組血風録」を読んだから、です。
で、この「誠の群像」、もともとは1997年(平成9年)に、「燃えよ剣」と「新選組血風録」を原案とし、 石田昌也氏作・演出で、星組トップ・麻路さきさん主演で演じられたもののようです。
麻路さきさんを、私は知らないのですが、望海さん、似合ってました!
といいますか、私が知っています宝塚のトップさんの中で、望海さん以上に、土方に似合う方って、いません。いくら私がキキ沼にはまっていても、キキちゃんに京都時代の土方が似合うとは、思えません。
望海さんは、非常に端正なお顔立ちなんですが、アクがあって、黒い役もこなされますし、スパッと決断力に満ちた感じ、苛烈な雰囲気を、見事に出されるんです。
望海さんは素敵でした。スタイリッシュで苛烈な、土方歳三そのものでした。
が、しかし。
にもかかわらず私、「20年前の作品かあ。なんか古いイメージだよねえ」と、思ってしまったんです。
一つには、京都時代が長すぎました。
どなたに聞いたんだったか、「北海道へ行ってからの土方」が中心、というイメージをもっていまして、かつて放送されましたNHKの正月時代劇「土方歳三 最期の一日」に近いものを、想像してしまっていたんです。
私は、フィクションの材料としまして、京都時代の新撰組よりも、北海道へ行ってからの土方さんの方が、好きです。
京都時代は、どうしても内部抗争が中心ですから、話が陰惨になります。
もっとも、上のコメント欄で述べていますが、会津本藩だって、長州だって、長州奇兵隊だって、当時は日本国中、内部抗争だらけです。
なんというんでしょうか、意図的に世界から孤立して作り出しました太平の世が長すぎて、当時の日本には、ろくに軍隊がなかったんですね。武士とは、日本全国ほとんどの地域で、軟弱なお役人でしかありませんでした。
欧米諸国に対抗して軍隊を作り、国防を整えるためには、武士だけでは到底数が足りませんで、世の中の構造を、根本から変えていかなくてはなりません。幕末とは、既得権益と急進改革派がぶつかりあい、血を見ないではおさまらない日々だった、といえます。
えーと。ともかくです。
「誠の群像」は、けっこう長く芹沢鴨を出して、内部抗争を描いているんですね。必要だったのかなあ、という気がしました。
彩風咲奈さんの山南敬助は、よかったです。恋人の明里を演じたひらめちゃん(朝月希和)も、ぴったりお似合いでした。ひらめちゃんって、雪組でいい演技してたんですねえ。
彩風さんは二役で、榎本武揚もやってたんですが、これもなかなかで、私は、今まで見た「壬生義士伝」「ファントム」のときよりも、今回の彩風さんの方が好みでした。
一番残念だったのは、真彩さんの出番が少なく、望海さんとのデュエットがほとんどなかったことです。
恋物語が中心ではないですから、仕方がないといえばないんですけど、なんとかしようがあったはず、と思ったりします。
彩凪翔さんの勝海舟は、ねえ。彩凪さんがどーのといいますより、勝海舟の描き方が、私のイメージから大きくかけ離れていました。
重要人物として描くなら、勝ではなく、松本良順でしょ、と思ったんですが、石田昌也先生、「壬生義士伝」で出してこられてましたね。凪七瑠海さんが演じておられました。
私、今まで知らないでいて驚いたのですが、2019年に望海さんが主演なさった「壬生義士伝」は、同じ石田昌也氏の作・演出だったんですね。
うーん。石田昌也先生ご自身が、「誠の群像」よりも現代的で望海さんに似合う新撰組を、と、「壬生義士伝」を作られたんでしょうか。
えーと。「壬生義士伝」、原作小説を読んでいませんし、映画もテレビも見ていません。
宝塚のみ見た感想ですが、望海さんも真彩さんも、すばらしい歌唱、見事な演技、でした。
ですけれども。現実離れのしすぎ、と感じるのは、私だけなんでしょうか?
いや、なにがって、武士の妻が3人目の子を身ごもって、このままでは一家で食べるものがなくなるからと、口減らしに入水自殺をはかるなんて、ありえない!!! と私は感じます。まあ、これは、私が南国に生まれ育ったから、なのかもしれませんが、いくら南部藩でも、ちょっと、首をかしげてしまいます。
で、望海さん演じる主人公が、妻子を飢え死にさせないために、脱藩して京へ出て新撰組に入るって、いったいなんなんでしょう???
理解に苦しみます。
南部藩で飢えるというならば、です。ゆかりのあります蝦夷地へ出て、当時、箱館奉行所は下っ端役人を募集していたようですから、広瀬常さんのお父さんのように、北方の守りにつく、という方がはるかに現実的です。
私はもう、「これ、なんの冗談?」と、ストーリーになじめませんでしたので、望海さん真彩さんの熱演にも、「すばらしいんだけど、でもねえ」と、感動できませんでした。
とは言いますものの、次のような記事が、日野市観光協会のサイトにありましたので、石田昌也先生が、「今だったら壬生義士伝」と思われたのも、無理はないかもしれないんですけれども。
http://makoto.shinsenhino.com/archives/fes/100430193833.php
要するに、「司馬新選組に酔い、浅田新選組に涙する」というほど、「壬生義士伝」は持ち上げられているようなんですが、私にはさっぱり、そのよさがわかりませんでしたです、はい。
やっぱり、私の好みからしますと、五稜郭の土方さんを、やって欲しいです。
望海さんはご卒業されてしまいますので、キキちゃんトップで。
洋装の土方さんならば、キキちゃん、似合います。
上に書いておりますが、箱館戦争においては、複数のフランス人も、土方さんの戦友でした。
といいますか、そもそも、この「普仏戦争と前田正名」シリーズは、前田正名が宝塚の主人公になった! と聞き、びっくりして調べてみましたら、ものすごーいデタラメ物語だったものですから、つい、深追いして楽しんで書いてしまいました。
いや、なんと、いま調べてみましたら、音月桂さん主演の雪組公演ですね。彩風さん、月城さんも、出ていらしたみたいです。
映画『燃えよ剣』予告映像(90秒)近日公開!
検索をかけていましたら、『燃えよ剣』の映画の新作に行き当たりました。
実際、かならずしも「燃えよ剣」が古く、「壬生義士伝」が新しい、ということは、ないと思うんですのよ。
しかし、うわーっ! 岡田准一が土方さんって、あんまりです! 年行き過ぎだし、まったくもって似合わない!
もう、ぜひとも、キキちゃん主演で、五稜郭の土方さんを、お願いします!!!