郎女迷々日録 幕末東西

薩摩、長州、幕府、新撰組などなど。仏英を主に幕末の欧州にも話は及びます。たまには観劇、映画、読書、旅行の感想も。

ロミオとジュリエットの悲劇 VOL1

2022年02月20日 | 宝塚

 

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宝塚の前田正名 VOL2 - 郎女迷々日録 幕末東西

OGPイメージ宝塚の前田正名VOL1-郎女迷々日録幕末東西ご無沙汰しました。OGPイメージ宝塚キキ沼に落ちてvol17-郎女迷々日録幕末東西...

宝塚の前田正名 VOL2 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 上の続きです。

 去年の後半、私は宝塚スカイステージに加入しました。

https://www.tca-pictures.net/skystage/

 要するに、一日中、宝塚の番組を放送しているチャンネルでして、なぜ入ったかと言えば、もちろん、キキ沼に落ちたからです。
 全部見る時間はありませんし、どうしようかなあ、と思ったのですが、見たいものはとりあえず録画すればいい、と自分を納得させました。

   そして、去年のスカイステージでは、『ロミオとジュリエット』の過去の舞台映像が放送されていまして、その中には、これまでDVDにもなっていなかったものが、ありました。

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宝塚キキ沼に落ちて vol1 - 郎女迷々日録 幕末東西

「桐野利秋in宝塚『桜華に舞え』観劇録後編下」の続きであり、「幕末維新はエリザベートの時代vol1」の続きでもあります。といいますか私、「宝...

宝塚キキ沼に落ちて vol1 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 私は、上のリンクに、以下のように書きました。

 次いで「ロミオとジュリエット」ですが、これはフレンチ・ミュージカルです。演出はまたしても小池修一郎氏。
 初演は2010年星組、2011年雪組、2012年月組、2013年星組再演でした。そしてこれまた、外部でも上演しています。
 キキちゃん(芹香斗亜さん)は星組で初演を経験。明日海さんは月組で、役代わり主演を務めていました。
 明日海さんのロミオは、すばらしく美しかったそうです。

 阪急系のホテルでは、どこでもスカイステージを無料で見ることができます。  
 去年、中村様と観劇のために泊まっていたホテルで、偶然、2012年星組初演のものを見ました!
 キキちゃんは、モンタギュー家の若者の一人で、いわゆるモブだったんですが、私、目を皿のようにして見て、結局、中古DVDを買いました。

 私がスカイステージに加入したときには、ロミジュリ放送は終わりに近づいていたのですが、月組、雪組も、なんとか録画することが、できました。

 私、『ロミオとジュリエット』の音楽は、大好きだったんですが、ただ、これまでどれも、今ひとつな気がしていたのは、肝心の主演、ロミオとジュリエットが、どうも、あまりピンとこなかったからです。

Romeo et Juliette 15. Aimer (English Subtitles)

 上は本家フランスのロミオとジュリエットですが、もちろん、ジュリエットは高音がきれいに出ていますし、二人の歌のハーモニーに聞き惚れます。

 宝塚のこれまでのロミジュリで、もっとも足らなかったのは、ジュリエットの歌唱力でした。
 ロミオはそこそこ歌える方が演じているのですが、ジュリエットはなぜか、みなさん高音が出ていなくて、難しい曲なのかしら? と首をかしげていたんです。

 ところが、録画しました2011年雪組、ジュリエット役代わりで、唯一DVDにもなっていなかった夢華あみさんのバージョンを見たとき、そのすばらしさに驚きました。
 下手だからDVDになっていなかったのかと思っていたのですが………、ちがっていたんです。

 そして、主演の音月桂さんは、言葉を失って見入ってしまうほどに、ロミオそのもの、でした。

 この舞台は、まずヴェローナの広場で、モンタギュー、キャピュレット、敵対する両家の若者たちが争っているところから始まります。
 しかし、その中に、ロミオはいません。

 続く場面で、モンタギュー夫人とキャピュレット夫人が、両家の男たちの不和を嘆き、そして、ようやく、ロミオが登場します。なんと、綿毛のタンポポを手に持って、です。
 ロミオはモンタギュー家の跡取りですが、争いごとは好まないタイプで、その美貌ゆえに女たちに追いかけられている様子です。しかし、彼が夢見るのは真実の恋。運命の相手をさがしています。
 同じ舞台上、階をちがえて、ジュリエットの居室。
 16歳のなにも知らない乙女は、しかし、運命の恋を予感しています。例え死んでも、けっして離れることのない絆で結ばれた相手が、現れるのだと。

Romeo et Juliette 3. Un Jour (English Subtitles)

 まだ出会っていない二人は、「いつか」という歌のデュエットによって、その真情を吐露するんです。
 これがけっこうな大ナンバーなのですが、音月さんと夢華さんの歌は、フランスの舞台にも負けないほどに、心地よくも、美しいものでした。

 次いでキャピュレット家には、一人娘のジュリエットへの求婚者・パリス伯爵が現れ、身分もよく金持ちの求婚者に、両親はすっかり乗り気ですが、ジュリエットは、「愛のない結婚はいやだ」と反発します。
 一方、モンタギュー家の若者たちは、ロミオもまじえて、「世界の王」を歌い踊ります。

Romeo et Juliette 6. Les Rois Du Monde (English Subtitles)

 日本語の歌詞は、ほぼ、次のような内容です。 
年寄りが寝ている間に、生きている今を感じ、愛しあいたい。俺たち若者は、権力者に手を貸したりしない。新しいルールは俺たちがつくる

 街頭デモだとか、集団での暴走だとか、大人たちに反発し、無茶ぶりを楽しむぞ!、という、時代を超えて、若者たちに通じる歌です。

 歌が終わり、マキューシオの誘いで、その夜、ベンヴォーリオとロミオは、敵対するキャピュレット家の仮面舞踏会に、乗り込むことになります。

 そして、一人になったロミオが歌います。

Romeo et Juliette 7. J'ai Peur (English Subtitles)

 日本語では「僕は怖い」という題名の歌です。

 いまぼくは、兄弟より親しい友とともに笑い、遊び、青春を駆けぬけている。
 しかし、いつか来る死の影が、ぼくらの背後にしのびよる。
 僕は怖い。死ぬのが怖い。
 放蕩と無頼に明け暮れた先に待っているのは、明るい夜明けじゃない。
 いつか来る終わりが、ぼくには見えるんだ。

 おおよそ上のように歌われる、とてもきれいな歌なのですが、実のところこの歌は、事件が起こった後に再び、絶望の中でも歌われます。 
 正直、音月桂さんのロミオを見るまで、なぜロミオは、ジュリエットと出会う前にこの歌をうたうのか、いまひとつ、必然性を感じていませんでした。
 どなたのロミオも、分別くさい感じに見えて、友を憂える予言なのかな、と聞き流し、ストレートに胸に響かなかったんです。

 それが………。
 音月さんの歌を聞いて初めて、ああ、ロミオは青春の光と影をリアルに見る人なんだ!と、納得がいったんです。

 青春のただ中にいるからこそ、死をリアルに感じることって、ありますよね。
 年をとるということは、ある意味、鈍感になることですから、死の深淵がぽっかり口をあけていても、あまり真剣に受け取らなかったりします。
 一途に恋に死ぬロミオという若者は、感受性が鋭く、影を知っている人であってこそ、リアリティをかもしだせるんだ、と、音月さんのロミオに、心が震えました。

 そして………。
 わからないのは、なぜ、こんなにもすばらしい、音月さんと夢華さんの『ロミオとジュリエット』が埋もれてしまったのか、ということでして、次回は、そのことを取り上げてみたいと思います。
  

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宝塚の前田正名 VOL2

2022年02月19日 | 宝塚

 

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宝塚の前田正名 VOL1 - 郎女迷々日録 幕末東西

ご無沙汰しました。OGPイメージ宝塚キキ沼に落ちてvol17-郎女迷々日録幕末東西宝塚キキ沼に落ちてvol16-郎女迷々日録幕末東西上の続き...

宝塚の前田正名 VOL1 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 上の続きです。

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『Samourai』 - 宝塚クリエイティブアーツ公式ショッピングサイト|キャトルレーヴオンライン

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宝塚クリエイティブアーツ公式ショッピングサイト|キャトルレーヴオンライン

 

 原作の題名は『巴里の侍』ですが、宝塚の舞台は『Samourai(サムライ)』という題名です。

 幕開きは、歌舞伎の連獅子のような舞踏。トップの音月さんを中心に、2番手、3番手の男役さんが舞います。
 本筋に関係のない舞踏ですが、サムライらしさをあらわそうとしているのでしょうか。悪くはない感じです。

 次いで、前田光子とアイヌの民族衣装を着た娘さんが出て来て、ともに『モン・パリ』を歌い出したのには、驚きました。

モン巴里 ~宝塚少女歌劇団花組~

 『モン・パリ』は昭和2年(1927)、宝塚花組で演じられた、日本初のレビューなんです。
 この翌年、月組、雪組で再演されますが、雪組の舞台には、若き日の前田光子、文屋秀子が立っていたんです。

https://www.akanainu.jp/culture/maeda_mitsuko/

https://www.ippoen.or.jp/about/m_mitsuko.html

 文屋秀子さんが、正名の次男と結婚して前田光子となりましたとき、すでに正名くんはこの世の人ではなかったわけですから、直接明治初年のパリの話を聞いたはずもないんですが、「めずらしき外国(とつくに)の うるわしき思い出や」という歌詞が胸にしみ、平成の雪組の舞台に光子さんが登場していたことに、私は感激しました。
 光子さんにお子さんはなかったそうですが、夫の父・正名から受け継いだ、北海道の前田一歩園を守り、自然保護に尽くし、アイヌ文化を守ることに尽力を惜しまなかったタカラジェンヌが、舞台に登場したわけですから、これはもう、とてつもなくつまらない原作を離れて、いい話になっているかもしれない、と見入ったのですが。

 音月桂さんは、とても素敵でした。
 ものすごくキラキラした、和装の似合うお顔立ちですし、お歌もお芝居も、すばらしいんです。
 ただ、お話がやはり、まったくもって、おもしろくありません。

 まあ、ですね。普仏戦争の時のパリのモンブラン邸を、わずかな史料をもとに、あれこれ想像し続けていた私が見るから、よけいにおもしろくなくは、あるのでしょうけれども。

 史実を離れるのは仕方がないとしましても、なにより、ちがうだろう、と感じましたのは、宝塚としては肝心のはずの恋の描き方が、無茶苦茶、どーでもいい感じになっていることです。

 正名くんのお相手は、モンブランが拾ってきて育てているということになっています架空のフランス娘、なのですが、恋愛しているのかどうかさえ、はっきりとはわかりません。
 どうせ史実は無視しているんですから、もう少し劇的に、恋の相手は、元会津藩か元旗本かの娘で、薩長を恨んでいて、日本を飛びだしパリに来ていた、とか。

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普仏戦争と前田正名 Vol6 - 郎女迷々日録 幕末東西

普仏戦争と前田正名Vol5の続きです。巴里の侍(ダ・ヴィンチブックス)月島総記メディアファクトリーまたちょっと「巴里の侍」に話を返します。こ...

普仏戦争と前田正名 Vol6 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 上のリンクに書いておりますが、実のところ、函館戦争には、数名のフランス人が、 旧幕府側の助っ人として参戦していまして、局外中立違反の外交問題になりかねませんでしたので、フランス公使は、自国の軍艦を函館に送り、五稜郭降伏寸前に脱出させます。
 彼らのうち、本国まで送還されましたのは、陸軍のジュール・ブリュネ大尉、海軍見習い士官だったアンリ・ポール・イポリット・ド・ニコールと、フェリックス・ウージェーヌ・コラッシュの3人なのですが、当然のことながら、この3人は普仏戦争に参加し、ニコールは戦死しました。

 五稜郭には女がいた、という伝説もあるくらいですから、元幕臣の娘が箱館戦争に参加していて、兄か誰かが、フランス軍艦に託して、パリに送り出し、その娘はパリで正名くんに出会って愛しあった、というのは、どうでしょうか。
 しかし、なにかの事情で結婚はできないで、それぞれに子孫を残し、娘さんの孫が、お祖母さんが大切にしていた日記を読んで、阿寒湖のほとりに前田光子さんを訪ねてくる、とか。
  ともかく、どうにでも、劇的にする方法は、あったと思うんですね。

 それと、原作や劇中で語られますサムライ精神を、尚武の個人的勇気と解釈しますと、実のところ、箱館戦争に参加しましたフランス人たちは、義侠心と勇気において、当時の大方の日本人よりも勝っていました。

 あと、どうにも、パリ・コミューンを礼賛しすぎなんですね。
 ブリュネ大尉は反対陣営ですし、コラッシュにも、参加した気配はありません。

 まあ、ですね。
 モンブラン伯爵は、どうもフリーメイソンだったみたいですので、反コミューンではなかったでしょうし、モンブランと親交があって、やはり幕末からの日本通だったレオン・ド・ロニーは、父親の代からの共和主義者であったようなんですね。
 しかし、コミューンには粗暴な側面があり、カトリックの聖職者を殺したりもしていますので、愛国、よりは、国民の分列を促進するものでした。結局、モンブランはもちろん、ローニーもコミューンに参加はしていませんし、国を愛しているからコミューン! みたいなこの原作と劇のいいかげんなのりには、私は到底、ついていけません。

 だいたい、モンブラン伯爵は、フランス貴族であると同時に、インゲルムンステルを根城とするベルギー貴族でもあります。
 インゲルムンステル男爵領は、フランス王朝のドイツ人部隊を率いていましたドイツ人のプロート家が開拓したもので、跡取りがいなくなり、フランス革命の後、モンブランの叔母がプロート家に嫁いでいたがため、父親が受け継いだわけなんです。
 したがいましてモンブランは、プロシャ商人も出入りさせていたようでして、フランス人意識がなかったとは言いませんが、どういった形のフランス人意識であったのか、ちょっと複雑です。

 やはり、上のリンクに書いているのですが、登場人物の度会晴玄は、あきらかに渡六之介(正元)がモデルです。
 宝塚では、早霧せいなさんが演じておられて、とてもいい演技を見せてくださいますが、パリ・コミューンに参加したあげくに、戦死しちゃうんです!!! そんなバカなっ! としか言いようがありません。
 いや、私、渡六之介氏のご子孫からご連絡をいただき、ご本までいただいていたので、もしおもしろければ、DVDをプレゼントしようかなあ、と思いついていたのですが、これじゃあ、ねえ。
 なんでも、作・演出の谷正純先生は、皆殺しの谷、と呼ばれておられるんだそうですが。

 現雪組トップの彩風咲奈さんは、相当にお若い頃ですが、ジャーナリストで、けっこう目立つ役をもらっておられます。
 しかし、もう2期お若い、現月組トップの月城かなとさんは、どこにおられるのやら、画面で見つけることは困難でした。

 ともかく、です。次回は、正名くんを演じられました音月桂さんについて、ちょっとお話してみたいと思います。

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宝塚の前田正名 VOL1

2022年02月18日 | 宝塚

ご無沙汰しました。

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宝塚キキ沼に落ちて vol17 - 郎女迷々日録 幕末東西

宝塚キキ沼に落ちてvol16-郎女迷々日録幕末東西上の続きです。宝塚カフェブレイク★宙組男役の芹香斗亜は戦国BASARAをやったり、冗談やっ...

宝塚キキ沼に落ちて vol17 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

の続きであり、下の続きでもあります。

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普仏戦争と前田正名 Vol10 - 郎女迷々日録 幕末東西

普仏戦争と前田正名Vol9の続きです。なんといえばいいのでしょうか。前田正名が主人公だというので「巴里の侍」(ダ・ヴィンチブックス)を読み、...

普仏戦争と前田正名 Vol10 - 郎女迷々日録 幕末東西

 


 なんというんでしょうか。そもそも、十数年前にこのブログを書き始めましたのは、モンブラン伯爵についての情報が欲しかったためですが、現在、かなりの情報は得ていまして、このブログにまとめると同時に、ウィキペディアにも書いております。

シャルル・ド・モンブラン - Wikipedia

 で、下のリンクに書いておりますように、モンブラン伯爵は、駐仏日本公使代理(領事ですかね?)に就任して、離日するとき、前田正名を伴っていますので、私は早い段階で、明治初期の薩摩藩フランス留学生である正名くんを知り、司馬遼太郎氏がエッセイで、普仏戦争と正名くんについて書いていることも知りました。

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龍馬の弟子がフランス市民戦士となった??? - 郎女迷々日録 幕末東西

一昨日、『剣豪商人』の載っていた本を探してまして、司馬遼太郎氏の歴史エッセイ本の目次を、次々にめくって見ていたんです。そうしましたら、『余話...

龍馬の弟子がフランス市民戦士となった??? - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 上の記事を書きまして、ほぼ5年後、2011年の1月、コメント欄にお客様が見えられて、前田正名を主人公としましたライトノベル『巴里の侍』(月島総記氏著)が発刊されたことを教えてくださいました。
 そして、その1年後に書きましたのが、下の記事です。

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普仏戦争と前田正名 Vol1 - 郎女迷々日録 幕末東西

一応、モンブラン伯の長崎憲法講義の続きでしょうか。これ以降、前田正名のことをまとめて書いたことは、なかったと思いますので。あけましておめでと...

普仏戦争と前田正名 Vol1 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 幕末友だち(現在は宝塚友だちでもあります)の中村様は、私より先に『巴里の侍』を読まれていまして、「つまらない」とのお話でしたので、結局、私は読まなかったんです。
 それが、なぜ読んだかと言いますと、上に書いています通りに、宝塚でやることになった!と、聞いたためです。 

 当時、私は、一度も宝塚を観劇したことはなかったのですが、正名くんは実にいい男でして、もしも小説を読んで少しでも見所があると思いましたら、見に行っていたかもしれません。
 正名くんの写真の中で、もっとも若くていい男!に見えますのは、集合写真ですが、明治6年(1873年)3月のパリ、帰国する大久保利通を見送るため集まった、在パリ薩摩人の中で笑っているものでして、当時23歳。ネット上で可能ならばリンクを張ろうと思ったのですが、無理でした。
 結局その後、私は中村様とともに、桐野利秋が主人公になった!というので、宝塚を初観劇しました。

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桐野利秋in宝塚『桜華に舞え』観劇録 前編 - 郎女迷々日録 幕末東西

桐野利秋、宝塚登場!星組公演『桜華に舞え』の続きです。といいますか、行ってまいりました。宝塚へ。突然仕事が入ったり、その他もろもろで、ブログ...

桐野利秋in宝塚『桜華に舞え』観劇録 前編 - 郎女迷々日録 幕末東西

 

 それで、ですね。なんでいま突然、前田正名? 
 ということなんですけれど、下、正名くんが主人公の宝塚公演DVDを、買って見たんです。

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『Samourai』 - 宝塚クリエイティブアーツ公式ショッピングサイト|キャトルレーヴオンライン

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宝塚クリエイティブアーツ公式ショッピングサイト|キャトルレーヴオンライン

 

 いまさら、10年も前の公演のDVDをなぜ? ということなんですが、答えの一つは………。
 主演の音月桂さんが、すばらしいトップさんだったと、いまさらながらに知ったから、です。

 そしてもう一つは、先月、東京までミュージカル観劇に出かけたんですが、空き時間、中村様にお誘いいただき、前田正名のお墓に詣でたからです。

 東京タワー近くにある増上寺の別院・妙定院ですが、徳川家に縁の深いこのお寺に、なぜ正名君のお墓があるのかは、わかりませんでした。

 次回、さっそく、音月桂さん主演、『SAMOURAI(サムライ)』の感想を。

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