日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(131)「象は鼻が長い。」の「述語論理」の解説(Ⅱ)。

2019-01-06 08:08:31 | 「は」と「が」
-「記事(127)」を書き直します。―
(01)
② 象は鼻以外は長くない
③ 兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。
に於いて、
②&③ は、「矛盾」しない。
然るに、
(02)
① ある象は兎である。
② 象は鼻以外(例へば、耳)は長くない
③ 兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。
に於いて、
①&②&③ であるならば、
① ある象は、鼻以外(例へば、耳)は長くないのに、その象の、耳は長い。
といふことになる。
然るに、
(03)
① ある象は、鼻以外(例へば、耳)は長くないのに、その象の、耳は長い。
といふことは、
① 耳は短いのに、耳の長い、象がゐる。
といふことに、他ならない。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ある象は兎である。
② 象は鼻以外は長くない
③ 兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。
に於いて、
①&②&③ は、「矛盾」する。
従って、
(04)により、
(05)
① ある象は兎である。
② 象は鼻以外は長くない
③ 兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。
に於いて、すなはち、
① ∃x(兎x&象x)。
② ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。 
③ ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
① あるxは兎であって、そのxは象である。
② すべてのxについて、xが象ならば、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
③ すべてのxについて、xが兎ならば、あるyはxの耳であって、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。
に於いて、
①&②&③ は、「矛盾」する。
従って、
(01)(02)(05)により、
(06)
① あるxは兎であって、そのxは象である。
② すべてのxについて、xが象ならば、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
③ すべてのxについて、xが兎ならば、あるyはxの耳であって、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。
に於いて、すなはち、
① ∃x(兎x&象x)。
② ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。 
③ ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
① ある象は兎である。
② 象は鼻以外は長くない。
③ 兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。
に於いて、
②&③ である。ならば、
① は、「否定」しなければ、ならない。
cf.
背理法(Rreductio Ad Absurdum)。
然るに、
(07)
① ある象は兎である。
① ∃x(兎x&象x)。
の「否定」は、
④ すべて象は兎でない。
④ ∀x(象x→~兎x)。
の「肯定」である。
然るに、
(08)
1    (1) ∃x(兎x&象x)                     A
 2   (2)    兎a&象a                      A(代表的選言項)
 2   (3)    兎a                         2&E
 2   (4)       象a                      2&E
  5  (5)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}            A
  5  (6)   象a→∀z(~鼻za→~長z)             5UE
 25  (7)      ∀z(~鼻za→~長z)             46MPP
 25  (8)         ~鼻ba→~長b              7UE
   9 (9)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
   9 (ア)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  9UE
 2 9 (イ)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  3アMPP
 2 9 (ウ)      ∃y(耳ya&長y)               ウ&E
    エ(エ)         耳ba&長b                A(代表的選言項)
    エ(オ)         耳ba                   エ&E
    エ(カ)             長b                エ&E
 2 9 (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  イ&E
 2 9 (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 9エ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
 259エ(コ)              ~長b              8ケMPP
 259エ(サ)           長b&~長b              カコ&I
 259エ(シ)        ∃y(長b&~長y)             サEI
 259 (ス)        ∃y(長b&~長y)             ウエシEE
1 59 (セ)        ∃y(長b&~長y)             12スEE
  59 (ソ)~∃x(兎x&象x)                     1セRAA
  59 (タ)∀x~(兎x&象x)                     ソ量化子の関係
  59 (チ)  ~(兎a&象a)                     タUE
  59 (ツ)  ~兎a∨~象a                      チ、ド・モルガンの法則
  59 (テ)  ~象a∨~兎a                      ツ交換法則
  59 (ト)   象a→~兎a                      テ含意の定義
  59 (ナ)∀x(象x→~兎x)                     トUI
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
② 象は鼻以外は長くない。然るに、
③ 兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、
④ 象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(10)
② 象は鼻が長い。
といふのではなく、
② 象は鼻は長い。
といふのであれば、
② 象は、鼻以外も、長いのかも、知れないし、
② 象は、鼻以外は、長くないのかも、知れない。
従って、
(10)により、
(11)
② 象は鼻以外は長くない
といふのであれば、
② 象は鼻長い。
といふ風に、言はなければ、ならない。
従って、
(09)(11)により、
(12)
② 象は鼻長い。然るに、
③ 兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、
④ 象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(13)
③ 兎の耳は鼻ではない。
といふことは、「常識」である。
従って、
(12)(13)により、
(14)
② 象は鼻が長い。然るに、
③ 兎の耳は長い。故に、
④ 象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(09)(14)により、
(15)
② 象は鼻長い=象は鼻以外は長くない。然るに、
③ 兎の耳は長い=兎は耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、
④ 象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
② 象は鼻が長い。然るに、
③ 兎の耳は長い。故に、
④ 象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」を、「妥当(Valid)」であると、するならば、
② 象は鼻長い=象は鼻以外は長くない
といふ「等式」を、認めざるを得ない。
然るに、
(17)
② 象は鼻長い。
といふのであれば、
② 象は鼻長い=象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
といふ風に、理解するのが、「普通」である。
然るに、
(18)
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}=
② すべてのxにいて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(19)
1    (1) ∃x(兎x&象x)                     A
 2   (2)    兎a&象a                      A(代表的選言項)
 2   (3)    兎a                         2&E
 2   (4)       象a                      2&E
  5  (5)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}            A
  5  (6)   象a→∀z(~鼻za→~長z)             5UE
 25  (7)      ∀z(~鼻za→~長z)             46MPP
 25  (8)         ~鼻ba→~長b              7UE
   9 (9)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
   9 (ア)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  9UE
 2 9 (イ)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  3アMPP
 2 9 (ウ)      ∃y(耳ya&長y)               ウ&E
    エ(エ)         耳ba&長b                A(代表的選言項)
    エ(オ)         耳ba                   エ&E
    エ(カ)             長b                エ&E
 2 9 (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  イ&E
 2 9 (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 9エ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
 259エ(コ)              ~長b              8ケMPP
 259エ(サ)           長b&~長b              カコ&I
 259エ(シ)        ∃y(長b&~長y)             サEI
 259 (ス)        ∃y(長b&~長y)             ウエシEE
1 59 (セ)        ∃y(長b&~長y)             12スEE
  59 (ソ)~∃x(兎x&象x)                     1セRAA
  59 (タ)∀x~(兎x&象x)                     ソ量化子の関係
  59 (チ)  ~(兎a&象a)                     タUE
  59 (ツ)  ~兎a∨~象a                      チ、ド・モルガンの法則
  59 (テ)  ~象a∨~兎a                      ツ交換法則
  59 (ト)   象a→~兎a                      テ含意の定義
  59 (ナ)∀x(象x→~兎x)                     トUI
に於いて、
  5  (5)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}            A
といふ「仮定」を、
  5  (5)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「仮定」に、「書き換へ」たとしても、
  59 (ナ)∀x(象x→~兎x)                     トUI
といふ「結論」に、「変り」は無い。
従って、
(16)~(19)により、
(20)
② 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}=
② すべてのxにいて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「述語論理」に、対応する。