(01)
①〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
② { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
③〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
に於いて、
① に対して、② であれば、〈 が「不足」し、
① に対して、③ であれば、 〉が「不足」する。
従って、
(01)により、
(02)
①( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
② ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
③( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) )
に於いて、
① に対して、② であれば、( が「不足」し、
① に対して、③ であれば、 )が「不足」する。
然るに、
(03)
②{ 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
③〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
に対して、
②( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
③( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) )
の場合は、「括・弧」の「過不足」が、「極めて、見えにくい」。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
に対する、
①( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
の場合は、「極めて、読みにくく」、それ故、「役に立たない」。
従って、
(04)により、
(05)
( )
( )( )
( ( ) )
( ( ( ) )( ) )
( ( ( ( ) )( ) )( ) )
( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
といふ「括弧」等ではなく、
( )
( )( )
〔 ( ) 〕
[ 〔 ( ) 〕( ) ]
{ [ 〔 ( ) 〕( ) ]( ) }
〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
といふ「括弧」等を、『括弧』とする。
(06)
① 3 2 1=
① 3〔2(1)〕。
に於いて、
① 2( )⇒( )2
① 3〔 〕⇒〔 〕3
といふ「移動」を行ふと、
① 3〔2(1)〕⇒
① 〔(1)2〕3=
① 1 2 3。
(07)
② 2 3 1=
② 2(3〔1)〕。
に於いて、
① 2( )⇒( )2
① 3〔 〕⇒〔 〕3
といふ「移動」を行ふと、
② 2(3〔1)〕⇒
② (〔1)2〕3=
② 1 2 3。
然るに、
(08)
①〔 ( ) 〕
②( 〔 ) 〕
に於いて、
① は『括弧』であるが、
② は『括弧』ではない。
(09)
③ 4 3 2 1=
③ 4[3〔2(1)〕]。
に於いて、
③ 2( )⇒( )2
③ 3〔 〕⇒〔 〕3
③ 4[ ]⇒[ ]4
といふ「移動」を行ふと、
③ 4[3〔2(1)〕]⇒
③ [〔(1)2〕3]4=
③ 1 2 3 4。
(10)
④ 2 3 4 1=
④ 2(3〔4[1)〕]。
に於いて、
④ 2( )⇒( )2
④ 3〔 〕⇒〔 〕3
④ 4[ ]⇒[ ]4
④ 2(3〔4[1)〕]⇒
④ (〔[1)2〕3]4=
④ 1 2 3 4。
(11)
⑤ 2 4 3 1=
⑤ 2(4[3〔1)〕]。
に於いて、
⑤ 2( )⇒( )2
⑤ 3〔 〕⇒〔 〕3
⑤ 4[ ]⇒[ ]4
⑤ 2(4[3〔1)〕]⇒
⑤ ([〔1)2〕3]4=
⑤ 1 2 3 4。
然るに、
(12)
③[ 〔 ( )〕 ]
④( 〔 [ ) 〕 ]
⑤( [ 〔 ) 〕 ]
に於いて、
③ は『括弧』であるが、
④ は『括弧』ではなく、
⑤ も『括弧』ではない。
従って、
(06)~(12)により、
(13)
『括弧』は、
② 2<3 >1
④ 2<3 4>1
⑤ 2<4 3>1
といふ「順番」を、
② 1<2<3
④ 1<2<3<4
⑤ 1<2<3<4
といふ「順番」に「並び替へ(ソート)す」ることが、出来ない。
従って、
(13)により、
(14)
A、B、C が、「正の整数」であるとき、『括弧』は、
B<C>A &(B=A+1)
といふ「順番」を、
A<B<C
といふ「順番」に「並び替へ(ソート)す」ることが、出来ない。
然るに、
(15)
上中下点(上・下、上・中・下)は、
一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる。数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁改)
従って、
(15)により、
(16)
(ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
に於いて、
(ⅰ)を挟んで「返る」場合に、
(ⅱ)を用ひ、
(ⅱ)を挟んで「返る」場合には、
(ⅰ)を用ひない。
従って、
(16)により、
(17)
⑥ 下 三 二 一 中 三 二 一 上
⑦ 三 下 二 一 中 三 二 一 上
に於いて、
⑥ は、『返り点』として、「正しい」ものの、例へば、
⑦ は、『返り点』として、「正しくない」。
然るに、
(18)
⑥ 下 三 二 一 中 三 二 一 上
⑦ 三 下 二 一 中 三 二 一 上
といふ「順番」は、
⑥ 9 3 2 1 8 6 5 4 7
⑦ 3 9 2 1 8 6 5 4 7
といふ「順番」に「等しい」。
然るに、
(19)
⑥ 9 3 2 1 8 6 5 4 7=
⑥ 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}。
に於いて、
⑥ 2( )⇒( )2
⑥ 3〔 〕⇒〔 〕3
⑥ 5( )⇒( )5
⑥ 6〔 〕⇒〔 〕6
⑥ 8[ ]⇒[ ]8
⑥ 9{ }⇒{ }9
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}⇒
⑥ {〔(1)2〕3[〔(4)5〕67]8}9=
⑥ 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
然るに、
(20)
⑥{ 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
は、『括弧』であって、尚且つ、
⑥ 9 3 2 1 8 6 5 4 7
の中には、
⑥ B<C>A &(B=A+1)
といふ「順番」がない。
然るに、
(21)
⑦ 3 9 2 1 8 6 5 4 7=
⑦ 3〔9{2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}。
に於いて、
⑥ 2( )⇒( )2
⑥ 3〔 〕⇒〔 〕3
⑥ 5( )⇒( )5
⑥ 6〔 〕⇒〔 〕6
⑥ 8[ ]⇒[ ]8
⑥ 9{ }⇒{ }9
といふ「移動」を行ふと、
⑦ 3〔9{2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}⇒
⑦ 〔{(1)2〕3[〔(4)5〕67]8}9=
⑦ 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
然るに、
(22)
⑦〔 { ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
は、『括弧』ではなく、尚且つ、
⑦ 3<9>2 1 8 6 5 4 7
の中には、
⑦ B<C>A &(B=A+1)
といふ「順番」がある。
従って、
(16)~(22)により、
(23)
(ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
に於いて、
(ⅰ)を挟んで「返る」場合に、
(ⅱ)を用ひ、
(ⅱ)を挟んで「返る」場合には、
(ⅰ)を用ひない。
といふ「ルール」に「違反」しないならば、そのときに限って、
(ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
が付く「順番」に対しては、『括弧』を付けることが、出来る。
然るに、
(24)
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
に於ける、
(ⅰ)と(ⅱ)の「関係」は、
(ⅱ)と(ⅲ)の「関係」に「等しく」、
(ⅱ)と(ⅲ)の「関係」は、
(ⅲ)と(ⅳ)の「関係」に「等しい」。
従って、
(23)(24)により、
(25)
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『5種類の、括弧』で、「不足」が生じない限り、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅴ)天 地 人
といふ『返り点』で表すことが出来る「順番」は、『括弧』でも、表すことが出来る。
然るに、
(26)
(ⅵ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「レ点」は、「1つ上にしか、返らない」。
従って、
(25)(26)により、
(27)
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『5種類の、括弧』で、「不足」が生じない限り、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
(ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ『返り点』で表すことが出来る「順番」は、『括弧』でも、表すことが出来る。
然るに、
(28)
然るに、
(29)
⑧ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕。秦必疑(楚)、不〔信(周)〕。是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也。周不〔敢不(受)〕]}〉⇒
⑧ 何〈{人(韓公叔)謂[秦之敢(周)絶而(韓)伐者、(東周)信也、公何〔(周地)与(質使)発(楚)之〕不。秦必(楚)疑、〔(周)信〕不。是韓(伐)不也]曰、又(秦)謂[韓彊(周地)与、将〔以(周於秦)疑〕也。周〔敢(受)不〕不]曰}令〉不=
⑧ 何ぞ〈{人をして(韓の公叔に)謂ひて[秦の敢へて(周)を絶って(韓を)伐たんとするは、(東周を)信ずればなり、公何ぞ〔(周に地を)与へ(質使を)発して(楚に)之かしめ〕ざる、秦必ず(楚を)疑ひ、〔(周を)信ぜ〕ざらん。是れ韓(伐たれ)ざらんと]曰ひ、又(秦に)謂ひて[韓彊ひて(周に地を)与ふるは、将に〔以て(周を秦に)疑はしめんと〕するなり。周〔敢へて(受け)ずんば〕あらずと]曰は}令め〉ざる。
従って、
(28)(29)により、
(30)
⑧ レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ
といふ『返り点』が表す「順番」は、
⑧〈{( )[( )( )( )〔( )( )( )〕( )〔( )〕( )]( )[( )〔( )〕〔( )〕]}〉
といふ『括弧』でも、表すことが出来る。
従って、
(27)(30)により、
(31)
「事実上」、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
(ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ『5種類の、返り点』で表すことが出来る「順番」は、
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『5種類の、括弧』で、表すことが出来る。
加へて、
(32)
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『括弧』の方が、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
(ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ『返り点』よりも、「簡単(シンプル)」である。
①〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
② { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
③〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
に於いて、
① に対して、② であれば、〈 が「不足」し、
① に対して、③ であれば、 〉が「不足」する。
従って、
(01)により、
(02)
①( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
② ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
③( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) )
に於いて、
① に対して、② であれば、( が「不足」し、
① に対して、③ であれば、 )が「不足」する。
然るに、
(03)
②{ 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
③〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
に対して、
②( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
③( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) )
の場合は、「括・弧」の「過不足」が、「極めて、見えにくい」。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
に対する、
①( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
の場合は、「極めて、読みにくく」、それ故、「役に立たない」。
従って、
(04)により、
(05)
( )
( )( )
( ( ) )
( ( ( ) )( ) )
( ( ( ( ) )( ) )( ) )
( ( ( ( ) )( ( ( ) ) ) ) )
といふ「括弧」等ではなく、
( )
( )( )
〔 ( ) 〕
[ 〔 ( ) 〕( ) ]
{ [ 〔 ( ) 〕( ) ]( ) }
〈 { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉
といふ「括弧」等を、『括弧』とする。
(06)
① 3 2 1=
① 3〔2(1)〕。
に於いて、
① 2( )⇒( )2
① 3〔 〕⇒〔 〕3
といふ「移動」を行ふと、
① 3〔2(1)〕⇒
① 〔(1)2〕3=
① 1 2 3。
(07)
② 2 3 1=
② 2(3〔1)〕。
に於いて、
① 2( )⇒( )2
① 3〔 〕⇒〔 〕3
といふ「移動」を行ふと、
② 2(3〔1)〕⇒
② (〔1)2〕3=
② 1 2 3。
然るに、
(08)
①〔 ( ) 〕
②( 〔 ) 〕
に於いて、
① は『括弧』であるが、
② は『括弧』ではない。
(09)
③ 4 3 2 1=
③ 4[3〔2(1)〕]。
に於いて、
③ 2( )⇒( )2
③ 3〔 〕⇒〔 〕3
③ 4[ ]⇒[ ]4
といふ「移動」を行ふと、
③ 4[3〔2(1)〕]⇒
③ [〔(1)2〕3]4=
③ 1 2 3 4。
(10)
④ 2 3 4 1=
④ 2(3〔4[1)〕]。
に於いて、
④ 2( )⇒( )2
④ 3〔 〕⇒〔 〕3
④ 4[ ]⇒[ ]4
④ 2(3〔4[1)〕]⇒
④ (〔[1)2〕3]4=
④ 1 2 3 4。
(11)
⑤ 2 4 3 1=
⑤ 2(4[3〔1)〕]。
に於いて、
⑤ 2( )⇒( )2
⑤ 3〔 〕⇒〔 〕3
⑤ 4[ ]⇒[ ]4
⑤ 2(4[3〔1)〕]⇒
⑤ ([〔1)2〕3]4=
⑤ 1 2 3 4。
然るに、
(12)
③[ 〔 ( )〕 ]
④( 〔 [ ) 〕 ]
⑤( [ 〔 ) 〕 ]
に於いて、
③ は『括弧』であるが、
④ は『括弧』ではなく、
⑤ も『括弧』ではない。
従って、
(06)~(12)により、
(13)
『括弧』は、
② 2<3 >1
④ 2<3 4>1
⑤ 2<4 3>1
といふ「順番」を、
② 1<2<3
④ 1<2<3<4
⑤ 1<2<3<4
といふ「順番」に「並び替へ(ソート)す」ることが、出来ない。
従って、
(13)により、
(14)
A、B、C が、「正の整数」であるとき、『括弧』は、
B<C>A &(B=A+1)
といふ「順番」を、
A<B<C
といふ「順番」に「並び替へ(ソート)す」ることが、出来ない。
然るに、
(15)
上中下点(上・下、上・中・下)は、
一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる。数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁改)
従って、
(15)により、
(16)
(ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
に於いて、
(ⅰ)を挟んで「返る」場合に、
(ⅱ)を用ひ、
(ⅱ)を挟んで「返る」場合には、
(ⅰ)を用ひない。
従って、
(16)により、
(17)
⑥ 下 三 二 一 中 三 二 一 上
⑦ 三 下 二 一 中 三 二 一 上
に於いて、
⑥ は、『返り点』として、「正しい」ものの、例へば、
⑦ は、『返り点』として、「正しくない」。
然るに、
(18)
⑥ 下 三 二 一 中 三 二 一 上
⑦ 三 下 二 一 中 三 二 一 上
といふ「順番」は、
⑥ 9 3 2 1 8 6 5 4 7
⑦ 3 9 2 1 8 6 5 4 7
といふ「順番」に「等しい」。
然るに、
(19)
⑥ 9 3 2 1 8 6 5 4 7=
⑥ 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}。
に於いて、
⑥ 2( )⇒( )2
⑥ 3〔 〕⇒〔 〕3
⑥ 5( )⇒( )5
⑥ 6〔 〕⇒〔 〕6
⑥ 8[ ]⇒[ ]8
⑥ 9{ }⇒{ }9
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}⇒
⑥ {〔(1)2〕3[〔(4)5〕67]8}9=
⑥ 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
然るに、
(20)
⑥{ 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
は、『括弧』であって、尚且つ、
⑥ 9 3 2 1 8 6 5 4 7
の中には、
⑥ B<C>A &(B=A+1)
といふ「順番」がない。
然るに、
(21)
⑦ 3 9 2 1 8 6 5 4 7=
⑦ 3〔9{2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}。
に於いて、
⑥ 2( )⇒( )2
⑥ 3〔 〕⇒〔 〕3
⑥ 5( )⇒( )5
⑥ 6〔 〕⇒〔 〕6
⑥ 8[ ]⇒[ ]8
⑥ 9{ }⇒{ }9
といふ「移動」を行ふと、
⑦ 3〔9{2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}⇒
⑦ 〔{(1)2〕3[〔(4)5〕67]8}9=
⑦ 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
然るに、
(22)
⑦〔 { ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
は、『括弧』ではなく、尚且つ、
⑦ 3<9>2 1 8 6 5 4 7
の中には、
⑦ B<C>A &(B=A+1)
といふ「順番」がある。
従って、
(16)~(22)により、
(23)
(ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
に於いて、
(ⅰ)を挟んで「返る」場合に、
(ⅱ)を用ひ、
(ⅱ)を挟んで「返る」場合には、
(ⅰ)を用ひない。
といふ「ルール」に「違反」しないならば、そのときに限って、
(ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
が付く「順番」に対しては、『括弧』を付けることが、出来る。
然るに、
(24)
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
に於ける、
(ⅰ)と(ⅱ)の「関係」は、
(ⅱ)と(ⅲ)の「関係」に「等しく」、
(ⅱ)と(ⅲ)の「関係」は、
(ⅲ)と(ⅳ)の「関係」に「等しい」。
従って、
(23)(24)により、
(25)
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『5種類の、括弧』で、「不足」が生じない限り、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅴ)天 地 人
といふ『返り点』で表すことが出来る「順番」は、『括弧』でも、表すことが出来る。
然るに、
(26)
(ⅵ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「レ点」は、「1つ上にしか、返らない」。
従って、
(25)(26)により、
(27)
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『5種類の、括弧』で、「不足」が生じない限り、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
(ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ『返り点』で表すことが出来る「順番」は、『括弧』でも、表すことが出来る。
然るに、
(28)
然るに、
(29)
⑧ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕。秦必疑(楚)、不〔信(周)〕。是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也。周不〔敢不(受)〕]}〉⇒
⑧ 何〈{人(韓公叔)謂[秦之敢(周)絶而(韓)伐者、(東周)信也、公何〔(周地)与(質使)発(楚)之〕不。秦必(楚)疑、〔(周)信〕不。是韓(伐)不也]曰、又(秦)謂[韓彊(周地)与、将〔以(周於秦)疑〕也。周〔敢(受)不〕不]曰}令〉不=
⑧ 何ぞ〈{人をして(韓の公叔に)謂ひて[秦の敢へて(周)を絶って(韓を)伐たんとするは、(東周を)信ずればなり、公何ぞ〔(周に地を)与へ(質使を)発して(楚に)之かしめ〕ざる、秦必ず(楚を)疑ひ、〔(周を)信ぜ〕ざらん。是れ韓(伐たれ)ざらんと]曰ひ、又(秦に)謂ひて[韓彊ひて(周に地を)与ふるは、将に〔以て(周を秦に)疑はしめんと〕するなり。周〔敢へて(受け)ずんば〕あらずと]曰は}令め〉ざる。
従って、
(28)(29)により、
(30)
⑧ レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ
といふ『返り点』が表す「順番」は、
⑧〈{( )[( )( )( )〔( )( )( )〕( )〔( )〕( )]( )[( )〔( )〕〔( )〕]}〉
といふ『括弧』でも、表すことが出来る。
従って、
(27)(30)により、
(31)
「事実上」、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
(ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ『5種類の、返り点』で表すことが出来る「順番」は、
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『5種類の、括弧』で、表すことが出来る。
加へて、
(32)
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ『括弧』の方が、
(ⅰ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
(ⅱ)上 中 下
(ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(ⅳ)天 地 人
(ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ『返り点』よりも、「簡単(シンプル)」である。