(01)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 22&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(この結果は事実上、強化して相互導出可能にすることができる。)この連式の妥当性から、
ひとつだけの対象がFを持っているならば、∃x∃y(Fx&Fy)ということが帰結する。
言い換えると、相異なる変数「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する異なった対象が存在する、
ということは、帰結しないのである(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、210頁)。
然るに、
(02)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
(ⅰ) ∃y(Fy)
(ⅱ)(Fa∨Fb∨Fc)
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)である。
然るに、
(03)
「選言(∨)の真理表」により、
(ⅱ)(Fa∨Fb∨Fc)
といふ「論理式」は、
①(Fa )∨
②( Fb )∨
③( Fc)∨
④(Fa&Fb )∨
⑤(Fa &Fc)∨
⑥( Fb&Fc)∨
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「論理式」に「等しい」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)は、
といふ「論理式」は、
①(Fa)
② (Fb)
③ (Fc)
④(Fa&Fb )
⑤(Fa &Fc)
⑥( Fb&Fc)
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
然るに、
(05)
「冪等律」により、
①(Fa)
②(Fb)
③(Fc)
といふ「3つの論理式」は、それぞれ、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
といふ「3つの論理式」に「等しい」。
従って、
(04)(05)により、
(06)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)は、
といふ「論理式」は、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
然るに、
(07)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}∨
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}∨
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
であるため、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
である。
然るに、
(08)
「交換法則」により、
①(Fa&Fb)
②(Fc&Fa)
③(Fa&Fc)
④(Fc&Fa)
⑤(Fb&Fc)
⑥(Fc&Fb)
に於いて、
①=④
②=⑤
③=⑥
従って、
(07)(08)により、
(09)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb) ∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fc)}
である。
従って、
(09)により、
(10)
「交換法則・結合法則」により、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)}
である。
然るに、
(11)
1 (1){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb) ∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc) ∨(Fb&Fc)} A
2 (2){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb) ∨(Fc&Fc)} A
2 (3){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)}∨(Fc&Fc) 2結合法則
4 (4){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)} A
5 (5) (Fa&Fa) A
5 (6) Fa 5&E
5 (7) Fa∨Fb 6∨I
5 (8) Fa∨Fb∨Fc 7∨I
9 (9) (Fb&Fb) A
9 (ア) Fb 9&E
9 (イ) Fa∨Fb ア∨I
9 (ウ) Fa∨Fb∨Fc イ∨I
4 (エ) Fa∨Fb∨Fc 4589ウ∨E
オ (オ) (Fc&Fc) A
オ (カ) Fc オ&E
オ (キ) Fb∨Fc カ∨I
オ (ク) Fa∨Fb∨Fc キ∨I
2 (ケ) Fa∨Fb∨Fc 24エオク∨E
コ (コ) {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc) ∨(Fb&Fc)} A
コ (サ) {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨(Fb&Fc) コ結合法則
シ (シ) {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)} A
ス (ス) Fa&Fb A
ス (セ) Fa ス&E
ス (ソ) Fa∨Fb セ∨I
ス (タ) Fa∨Fb∨Fc ソ∨I
チ (チ) Fa&Fc A
チ (ツ) Fa チ&E
チ (テ) Fa∨Fb ツ∨I
チ (ト) Fa∨Fb∨Fc テ∨I
シ (ナ) Fa∨Fb∨Fc シスタチト∨E
ニ(ニ) (Fb&Fc) A
ニ(ヌ) Fb ニ&E
ニ(ネ) Fa∨Fb ヌ∨I
ニ(ノ) Fa∨Fb∨Fc ネ∨I
コ (ハ) Fa∨Fb∨Fc コシナニノ∨E
1 (ヒ) Fa∨Fb∨Fc 12ケコハ∨E
従って、
(11)により、
(12)
①{(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)}
② (Fa∨Fb∨Fc)
に於いて、
①⇒② である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}
といふ「論理式」も、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
従って、
(06)(13)により、
(14)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)
といふ「論理式」と、
∃x{∃y(Fx&Fy)}
といふ「論理式」は、両方とも、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
従って、
(01)(14)により、
(15)
ひとつだけの対象が、性質Fを持っているならば、∃x{∃y(Fx&Fy)}ということが帰結する。
言い換えると、相異なる変数「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する異なった対象が存在する、
ということは、帰結しないのである(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、210頁)。
といふ「説明」は、「正しい」。