とある休日,滋賀県信楽町の信楽焼きの店で賑わう国道から,交通量の多さに辟易し,逃げるように滋賀県道334号へと向かった.滋賀県道334号は大変な狭路で,多羅尾という山奥へ向かう道だ.髙宮神社は途中で林道中垣外線を経由して,少し進んだ先にある.
この辺りは本能寺の変の後,徳川家康が多羅尾一族および甲賀武士らに助けられながら,命からがら伊賀越えをしたと言われる御斎峠へと通ずる場所である. . . . 本文を読む
六所神社で参拝を済ませた後は,この冬一番の寒さに心が折れて,帰路へと向かうことにした.それでも寒さで脳の感覚が麻痺してしまったのか,宇治田原町と和束町をつなぐ舗装林道,鷲峰山線へと体が勝手に動いていた.
鷲峰山線の途中には,金胎寺という古くから山岳修行の地だった寺院がある.辺りには小雪がちらついていた.ここでオートバイを停めて,金胎寺を目指して歩いていくことにした.
傾斜のき . . . 本文を読む
この冬一番の寒さの中,三国越林道では,ここまでオートバイはおろか,対向車すら見かけなかった.残雪もなく童仙房の山村まで無事に到着した.とても狭い農道を越えていき,今では珍しくなったという茅葺き屋根の社,六所神社を訪れた.鳥居を前にしただけで,気持ちが引き締まってくるような気がした.
鳥居の前で一礼をしてから,100メートルくらいある参道を歩いて行く.鳥居の方を振り返ってみると,整然と . . . 本文を読む
今日は午後から晴れの予報だったが,午前中から晴れ間が見えていた.前日はどんよりとした雪雲が一日中,立ち込めていて,オートバイに乗れなかったので,寒さのことなど忘れて相棒に跨り出かけることにした.風がつよくて,ときおり雪が舞っていた.
朝はやく自宅を出た甲斐があって,茶畑には前日に降ったと思われる雪が少し残っていた.雪をかぶった茶畑は,粉砂糖をまぶした抹茶ケーキを連想させる.
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龍に魅せられて,東山区にある京都最古の禅寺,建仁寺へやってきた.鎌倉時代の建仁二年(1202年)の開創,開基は源頼家.臨済宗建仁寺派の大本山.昼前に訪れたが,深夜から早朝にかけて降った雪が,すこし残っていた.
白砂に緑苔と巨石を配した大雄苑と称される枯山水の前庭は,「ここにいるだけで,こころ静かに自らと向き合える」,と謳われている.庭を前にして,しばらくの間,腰かけてみた.静かな時が刻 . . . 本文を読む
今日は京都南部でも大雪注意報が出ていて,朝早くから小雪がちらついていた.北風が強く,ときおり吹雪の様な荒れ模様になったかと思うと,急に晴れ間がさしたり,とにかく不安定な天候だ.こんなときは,オートバイは潔くあきらめて,観光でもするに限る.鈍行列車にゆられながら,京都市は東山区にある東福寺を訪れた.
東福寺は臨済宗の東福寺派大本山で,嘉禎2年(1236年)から建長7年(1255年)まで . . . 本文を読む
この日は,年末以来となるすっきりとした晴れ間のある天候だ.相変わらず寒さは厳しいが,奈良県は宇陀市室生までオートバイを走らせた.自動車もオートバイも少なくて,あっという間に室生ダムに到着した.今日はこの先にある龍鎮神社を目指すことにした.
龍鎮神社へ行くには,室生ダムの湖畔沿いを少し進んだところにオートバイを停めて,渓流沿いを歩いていく必要がある.陽の届かない山深いところで,川のせせ . . . 本文を読む
京都府は木津川市にある天神神社の参道は,苔で覆われていて大変美しい.参道の先にある階段を登って,参道を振り返ってみた.絶妙な配色と空間設計であると感じた.偶然によるものか,考えられてつくられたものかは誰にもわからない.
階段を登った先は,すぐに拝殿となっており,またすぐその奥に本殿がある.長い参道とは対照的に,限られたスペースにきちんと建物が配置されている.拝殿は吹きさらしであるが, . . . 本文を読む
午後から雨予報の休日.午前中だけでもオートバイに乗って出かけようと,寒さに負けずに自宅を出た.いつものように京都お茶の町,和束町の茶畑を駆け抜けていくのだった.
関西にきてからオートバイで出かけるとき,茶畑のお茶の葉を見ないことはない.お茶は一年を通して,常に栽培されているようだ.冬の寒空の下,茶畑の緑の波の中を進んで行くのも,意外と気持ちがいい.
峠を越えて,里山を走り,京 . . . 本文を読む
剣豪の里,奈良市柳生町にある天石立神社の一刀岩を見た後は一路,宇陀市の室生へ向かった.水の神,龍神を祀る室生龍穴神社にやってきた.鳥居をくぐる前から,その威厳のある雰囲気に圧倒されて,思わず足を止めてしまった.
宇陀市観光サイトによると,龍穴神社では奈良時代から平安時代にかけて,朝廷からの勅使により,雨乞いの神事が営まれていたそうだ.さらに山中の奥に行くと、渓流近くに竜神がいるという . . . 本文を読む