「ゆきゆきて、神軍」の主人公・奥崎謙三さん死去 (読売新聞) - goo ニュース
自分が心おきなくビデオ鑑賞できる様になった頃だから、かれこれ20年近くも昔になると思う。ひと通り好きな映画を見飽きた頃に、後輩に勧められてみたのが「ゆきゆきて、神軍」だった。
ドキュメンタリー映画ではあるが、そこにあるのは「日常」ではなく、何かフィクションでは無いのだろうかと思いたくなる現実がわらわら出てくる。だが、紛れも無く「ドキュメンタリー」であり、現実である。
見終わった後に残る「不快感」とも「爽快感」ともつかない不思議な感覚。怒れる男を追い続けたカメラ越しに見る「現実」を、きちんと消化できる事は難しいのでは無いかと、当時は思った。
その「男」が逝った。「バカ野郎っ!」と、怒声を残し、怒れるまま逝ったと言う。
改めて「ゆきゆきて、神軍」を観ても、そこから出てくる現実を消化する事が出来ないでいる。何が解決で、清算で、贖罪で、犯罪で…何もかもが判らなくなる。彼の怒りの矛先がいったい、どこへ向けられていたのかさえも、判らなくなる。戦争なのか? 天皇陛下なのか? 上官なのか? 社会なのか?
そうした「現実」を残して、逝ってしまった。残してはいけないモノを残したのか、残さなければいけなかったモノを残したのか、答えは出ない。答えは出ないけれども、奥崎謙三と言う怒れる男はしっかりと、かなりの強さを持って「残る」事だけは間違いないと思う。
自分が心おきなくビデオ鑑賞できる様になった頃だから、かれこれ20年近くも昔になると思う。ひと通り好きな映画を見飽きた頃に、後輩に勧められてみたのが「ゆきゆきて、神軍」だった。
ドキュメンタリー映画ではあるが、そこにあるのは「日常」ではなく、何かフィクションでは無いのだろうかと思いたくなる現実がわらわら出てくる。だが、紛れも無く「ドキュメンタリー」であり、現実である。
見終わった後に残る「不快感」とも「爽快感」ともつかない不思議な感覚。怒れる男を追い続けたカメラ越しに見る「現実」を、きちんと消化できる事は難しいのでは無いかと、当時は思った。
その「男」が逝った。「バカ野郎っ!」と、怒声を残し、怒れるまま逝ったと言う。
改めて「ゆきゆきて、神軍」を観ても、そこから出てくる現実を消化する事が出来ないでいる。何が解決で、清算で、贖罪で、犯罪で…何もかもが判らなくなる。彼の怒りの矛先がいったい、どこへ向けられていたのかさえも、判らなくなる。戦争なのか? 天皇陛下なのか? 上官なのか? 社会なのか?
そうした「現実」を残して、逝ってしまった。残してはいけないモノを残したのか、残さなければいけなかったモノを残したのか、答えは出ない。答えは出ないけれども、奥崎謙三と言う怒れる男はしっかりと、かなりの強さを持って「残る」事だけは間違いないと思う。