詳細は一切判らないが、古い硬貨の入った小箱を母からもらった。
くすんだ小さい小箱の中に、主として戦後の間もない頃の1円とか5円とか、10銭、50銭なんて言う硬貨、大正時代の1銭、5銭、それより昔の寛永通宝などが入っている。
金貨、銀貨ってのは無いので、価値はあまり無いけれど、戦前と戦後のアルミの10銭とか見ると、戦況に応じてか厚みが薄くなっていたりするところが面白い。
でまぁ、古銭…ってのは興味ないので、集めたりもしていないのだけれど、誰かのコレクションだったのか、お小遣いだったのか知らんが、これが入っていた「小箱」の方が気になって、汚れを落してみたりすると、精緻な細工がしてあったりで、なかなかの品物だと判った次第。
桜の樹皮を加工した工芸品…なのだが、茶筒とか有名だったりする。そうした仲間なんだろうと思うが、仕事が異様に細かい…ってのは、正直驚いてしまった。
樹皮なので、にかわ…とか、そうした接着剤的な物で張り合わせているのだけれど、それだけでなく、樹皮同士をかみ合わせて接合部をしっかりと止めていたりする。木の皮にこんなコトしたら、ボソっ…と逝ってしまいそうな感じなのだが、実に細かく仕上げてある。
あちこち見ると、木の皮の小さく欠落した部分を別の皮をあてがって補っていたり、今で言う『クラフトマンシップ』…ってのが見えたり出来るのである…。
箱の上面にはいかにも…な装飾が掘られているのか、貼ってあるのか、施してあるのだけれど、それも皮の目…ってモノに合う感じが意図されているのが見てとれる。
うむぅ…。やるなぁ…昔の人は…。ちょっと大き目のマッチ箱位の大きさしかないのに、妥協ってモノが感じられない。
表面の仕上げとして、にかわみたいなのが塗ってあったのだろう。ボロボロで、痛んでしまっていたので、これを慎重に削る。1000番、2000番のサンドペーパーでそおっと…汚れた薄皮を落してあげた。
それほど皮自体が美しいモノでまとめられているワケでは無さそうなので、箱として実用できればいいかな…ってモノなのだと思うんだが、今、こんなモノを作るとしたら、なんやかやで、5000円以上はかかってしまうだろう。じゃあ、5100円で売れるかって言えば、300円かそこいらがやっとで、採算なんか全く合わないモノなのである。100均とかで、もっと機密性の良い樹脂製のモノの方が全然実用出来るだろうし。
まぁ、そうした素材も技術も「これしかなかった…」って時代のモノだから、そう比べてしまうとひどく気の毒なコトには違いないが、そこに詰まってしまった『技術』は雲泥の差だったりするワケで、汚い小箱で終わらせてしまうのがもったいない。
んで、あれこれ眺めているうちに、『浦島太郎』を思い出してしまった…。
ふさ付きの紐でも合わせれば、『玉手箱』のまんま…って気もしなくはないのである。
うむぅ…。ひょんなコトから伝統工芸を手にしてしまったが、妙にいろいろと考えさせられるのであるなぁ…。透明なウレタンでも吹いて、末永く形状を保てる様にしてあげようかとも思うが、このまま朽ち果てる…ってのも本来のあり方なのかと思うし…。まぁ、傷んでいるわけでは無いので、まだ心配するコトも無いんだが…。
ちなみに、同じ様な工芸品は今でも作られていて、茶筒の他に、タバコケースなんてのも見掛けた事がある。5~6千円だったかなぁ。装飾なし…だったねぇ。普通に欧米風のシガレット・ケースの方がかさばらないので、そっちを買ってしまったが、ちょっと変わった感じが気にはなったのだけれどね。
本来は、何を入れるのかな? 単3乾電池だと無理して4本。銀塩フィルムだと1本。普通に見掛けるマッチ箱はギリギリ入らないし…。さて?
くすんだ小さい小箱の中に、主として戦後の間もない頃の1円とか5円とか、10銭、50銭なんて言う硬貨、大正時代の1銭、5銭、それより昔の寛永通宝などが入っている。
金貨、銀貨ってのは無いので、価値はあまり無いけれど、戦前と戦後のアルミの10銭とか見ると、戦況に応じてか厚みが薄くなっていたりするところが面白い。
でまぁ、古銭…ってのは興味ないので、集めたりもしていないのだけれど、誰かのコレクションだったのか、お小遣いだったのか知らんが、これが入っていた「小箱」の方が気になって、汚れを落してみたりすると、精緻な細工がしてあったりで、なかなかの品物だと判った次第。
桜の樹皮を加工した工芸品…なのだが、茶筒とか有名だったりする。そうした仲間なんだろうと思うが、仕事が異様に細かい…ってのは、正直驚いてしまった。
樹皮なので、にかわ…とか、そうした接着剤的な物で張り合わせているのだけれど、それだけでなく、樹皮同士をかみ合わせて接合部をしっかりと止めていたりする。木の皮にこんなコトしたら、ボソっ…と逝ってしまいそうな感じなのだが、実に細かく仕上げてある。
あちこち見ると、木の皮の小さく欠落した部分を別の皮をあてがって補っていたり、今で言う『クラフトマンシップ』…ってのが見えたり出来るのである…。
箱の上面にはいかにも…な装飾が掘られているのか、貼ってあるのか、施してあるのだけれど、それも皮の目…ってモノに合う感じが意図されているのが見てとれる。
うむぅ…。やるなぁ…昔の人は…。ちょっと大き目のマッチ箱位の大きさしかないのに、妥協ってモノが感じられない。
表面の仕上げとして、にかわみたいなのが塗ってあったのだろう。ボロボロで、痛んでしまっていたので、これを慎重に削る。1000番、2000番のサンドペーパーでそおっと…汚れた薄皮を落してあげた。
それほど皮自体が美しいモノでまとめられているワケでは無さそうなので、箱として実用できればいいかな…ってモノなのだと思うんだが、今、こんなモノを作るとしたら、なんやかやで、5000円以上はかかってしまうだろう。じゃあ、5100円で売れるかって言えば、300円かそこいらがやっとで、採算なんか全く合わないモノなのである。100均とかで、もっと機密性の良い樹脂製のモノの方が全然実用出来るだろうし。
まぁ、そうした素材も技術も「これしかなかった…」って時代のモノだから、そう比べてしまうとひどく気の毒なコトには違いないが、そこに詰まってしまった『技術』は雲泥の差だったりするワケで、汚い小箱で終わらせてしまうのがもったいない。
んで、あれこれ眺めているうちに、『浦島太郎』を思い出してしまった…。
ふさ付きの紐でも合わせれば、『玉手箱』のまんま…って気もしなくはないのである。
うむぅ…。ひょんなコトから伝統工芸を手にしてしまったが、妙にいろいろと考えさせられるのであるなぁ…。透明なウレタンでも吹いて、末永く形状を保てる様にしてあげようかとも思うが、このまま朽ち果てる…ってのも本来のあり方なのかと思うし…。まぁ、傷んでいるわけでは無いので、まだ心配するコトも無いんだが…。
ちなみに、同じ様な工芸品は今でも作られていて、茶筒の他に、タバコケースなんてのも見掛けた事がある。5~6千円だったかなぁ。装飾なし…だったねぇ。普通に欧米風のシガレット・ケースの方がかさばらないので、そっちを買ってしまったが、ちょっと変わった感じが気にはなったのだけれどね。
本来は、何を入れるのかな? 単3乾電池だと無理して4本。銀塩フィルムだと1本。普通に見掛けるマッチ箱はギリギリ入らないし…。さて?