また、緑色のが来たので、ガチャピンかと思ったら、電気保安協会の人だった…。
体中にいろんな機械を隠し持っていて、ひょこひょこと取り出して検査をして、去って行った…。問題は無かったらしい。去り際に、
「何か、電気でお困りのコトはございませんか?」
そう尋ねられたが、まさかこの人に原発の制御棒がどーのこーの聞いてもダメだろうと思うし、オール電化のCMで鈴木京香のだんな役はいったい誰で、あのコナンモドキな少年はどこの子供なのか聞いても答えは出て来ないと思ったので「何もありません…」と答えてしまった…。
そう言えば、来る予定になっていたな…と、思い返しながら、お茶にする…。
陽気も良く、陽に当たるのが気持ちよくなってきたが、陽の射さない室内はちょっと寒いな…とか思っていたら、外が騒がしい…。カーテン越しに門扉のあたりに目をやると、なにやら白い塊がイゴイゴ…している…。
「やべぇ! また何か来たっ!」
慌てて外へ出ると、白い塊がビクビク…している。色と大きさから言えばミッフィーかキティーちゃんの様だ…。
困ったなぁ。子供はいないのに。姪でも呼んでくるか…。
でも、様子が少し変だ…。ビクビク…とはするが、他に動きが無い…。ちょっと怖いが、声を掛けてみることにした…。
「もしもし…何か御用の方ですか?」
すると、白い塊が真横にごろーん…と半回転して、薄汚れた面をこちらに向けた…。
「うわっぁ…カブトナシのひこにゃんだぁ!」
正直、そんな「ひこにゃん」は知らない。知らないが、顔からしてその様だし、他に例えても伝わらないだろう…。そう思ったまま見下ろしていると、ひこにゃんは横には回転するが、起き上がる感じが無い…。
「あ、起き上がれないのか…」
手を貸して起こすと、ガチャピンと同じ位にデカイコトが判る…。横も高さも…。
「カブトはどうしたんですか? いつも被ってるでしょ?」
たまに「刀」も持っていたりするらしい…。職質が気にならないのか心配だが、当人はそんなコトはどうでも良いらしく、私の手を取り、通りにひっぱって行こうとする。
「ああああっ!」
通りに出ると、直ぐのトコロに清涼飲料水の自販機が並んでいるのだが、そこにカブトのツノが見事に刺さっていた。
ひこにゃんは何もしゃべらないし、目もガチャピンみたいに動いたりしないので、正しくは解かりかねるが、どうやら小銭を入れて、シンジョーデザインのD-1コーヒーを買う所まではうまく行っていたらしい。それを取ろうと、かがみ込んだ際に、ズブッ! っとやってしまった様子…。あぶねーなー、ツノ…。
「あんた、怒られるよ、これ。クワガタみたいの刺さっちゃってさぁ…」
そう言いながら、コーヒーを取ってあげて、ひこにゃんに差し出すと、いきなり返して寄こした…。くれるらしい…。
良く見ると、ガチャピンよりは使い道のありそうな指が生えてるが、プルタブを引き起こすのは無理そうだ…。
もしかしたら、開けろ…ってコトか?
尋ねようとしたら、ひこにゃんはカブトを自販機から引っこ抜こうともがいていた。
「ズビョッ…メキメキっ…」
グリグリしながら強引に引き抜くもんだから、自販機には遠慮なくダメージが広がるのである。
「ああっ! すげえぇよ、コレ。中見えちゃってるよ、中が!」
そうこうしてると、通りがかった車からおばちゃんが…
「あんたたち何してんのっ! 荒らしてんのぉっ!」
非常にヤバイ状況になってしまった…。コーヒー片手に呆然としている場合じゃ無いのだが、どーもこーも出来ない…。ひこにゃんに目をやると、カブトを被ろうとまたもがいている。手が短くて、巨大なアタマに被るに被れないのだ…。
「あんたっ! ひこにゃんでしょっ! なにやってんのっ!」
おばちゃんの鋭い追及に、ビックリしたのか、ひこにゃんが大きくビクついたかと思うと、その手からカブトが離れ、おばちゃんの乗っている軽自動車に…!
「あああっ!!!」
ツノが後部座席の上辺りの屋根に突き刺さってしまった…。あぶねーぞ、ツノ…。
一瞬なのか、暫くなのか、沈黙の時間が流れた…。
「あ、逃げたっ! ひこにゃん逃げたっ!」
おばちゃんの絶叫にひこにゃんを目で追うと、すんげぇダッシュで遠ざかっていく白い塊が…。
「あっ! こけたっ! ひこにゃん、こけたっ!」
どうでもいいコトを絶叫するおばちゃん…。おばちゃんは、ツノが刺さったままの車でひこにゃんを追いかけて行く…。ひこにゃんはえぇぇ…。
…目を覚ますと、点いたままのTVからひこにゃんの特集が流れていた。
「ツノ、柔らかそうだけどなぁ…」
彦根市が産んだベストヒットキャラクターの暗黒面をサブリミナル的に見た覚えがしてならない…。

体中にいろんな機械を隠し持っていて、ひょこひょこと取り出して検査をして、去って行った…。問題は無かったらしい。去り際に、
「何か、電気でお困りのコトはございませんか?」
そう尋ねられたが、まさかこの人に原発の制御棒がどーのこーの聞いてもダメだろうと思うし、オール電化のCMで鈴木京香のだんな役はいったい誰で、あのコナンモドキな少年はどこの子供なのか聞いても答えは出て来ないと思ったので「何もありません…」と答えてしまった…。
そう言えば、来る予定になっていたな…と、思い返しながら、お茶にする…。
陽気も良く、陽に当たるのが気持ちよくなってきたが、陽の射さない室内はちょっと寒いな…とか思っていたら、外が騒がしい…。カーテン越しに門扉のあたりに目をやると、なにやら白い塊がイゴイゴ…している…。
「やべぇ! また何か来たっ!」
慌てて外へ出ると、白い塊がビクビク…している。色と大きさから言えばミッフィーかキティーちゃんの様だ…。
困ったなぁ。子供はいないのに。姪でも呼んでくるか…。
でも、様子が少し変だ…。ビクビク…とはするが、他に動きが無い…。ちょっと怖いが、声を掛けてみることにした…。
「もしもし…何か御用の方ですか?」
すると、白い塊が真横にごろーん…と半回転して、薄汚れた面をこちらに向けた…。
「うわっぁ…カブトナシのひこにゃんだぁ!」
正直、そんな「ひこにゃん」は知らない。知らないが、顔からしてその様だし、他に例えても伝わらないだろう…。そう思ったまま見下ろしていると、ひこにゃんは横には回転するが、起き上がる感じが無い…。
「あ、起き上がれないのか…」
手を貸して起こすと、ガチャピンと同じ位にデカイコトが判る…。横も高さも…。
「カブトはどうしたんですか? いつも被ってるでしょ?」
たまに「刀」も持っていたりするらしい…。職質が気にならないのか心配だが、当人はそんなコトはどうでも良いらしく、私の手を取り、通りにひっぱって行こうとする。
「ああああっ!」
通りに出ると、直ぐのトコロに清涼飲料水の自販機が並んでいるのだが、そこにカブトのツノが見事に刺さっていた。
ひこにゃんは何もしゃべらないし、目もガチャピンみたいに動いたりしないので、正しくは解かりかねるが、どうやら小銭を入れて、シンジョーデザインのD-1コーヒーを買う所まではうまく行っていたらしい。それを取ろうと、かがみ込んだ際に、ズブッ! っとやってしまった様子…。あぶねーなー、ツノ…。
「あんた、怒られるよ、これ。クワガタみたいの刺さっちゃってさぁ…」
そう言いながら、コーヒーを取ってあげて、ひこにゃんに差し出すと、いきなり返して寄こした…。くれるらしい…。
良く見ると、ガチャピンよりは使い道のありそうな指が生えてるが、プルタブを引き起こすのは無理そうだ…。
もしかしたら、開けろ…ってコトか?
尋ねようとしたら、ひこにゃんはカブトを自販機から引っこ抜こうともがいていた。
「ズビョッ…メキメキっ…」
グリグリしながら強引に引き抜くもんだから、自販機には遠慮なくダメージが広がるのである。
「ああっ! すげえぇよ、コレ。中見えちゃってるよ、中が!」
そうこうしてると、通りがかった車からおばちゃんが…
「あんたたち何してんのっ! 荒らしてんのぉっ!」
非常にヤバイ状況になってしまった…。コーヒー片手に呆然としている場合じゃ無いのだが、どーもこーも出来ない…。ひこにゃんに目をやると、カブトを被ろうとまたもがいている。手が短くて、巨大なアタマに被るに被れないのだ…。
「あんたっ! ひこにゃんでしょっ! なにやってんのっ!」
おばちゃんの鋭い追及に、ビックリしたのか、ひこにゃんが大きくビクついたかと思うと、その手からカブトが離れ、おばちゃんの乗っている軽自動車に…!
「あああっ!!!」
ツノが後部座席の上辺りの屋根に突き刺さってしまった…。あぶねーぞ、ツノ…。
一瞬なのか、暫くなのか、沈黙の時間が流れた…。
「あ、逃げたっ! ひこにゃん逃げたっ!」
おばちゃんの絶叫にひこにゃんを目で追うと、すんげぇダッシュで遠ざかっていく白い塊が…。
「あっ! こけたっ! ひこにゃん、こけたっ!」
どうでもいいコトを絶叫するおばちゃん…。おばちゃんは、ツノが刺さったままの車でひこにゃんを追いかけて行く…。ひこにゃんはえぇぇ…。
…目を覚ますと、点いたままのTVからひこにゃんの特集が流れていた。
「ツノ、柔らかそうだけどなぁ…」
彦根市が産んだベストヒットキャラクターの暗黒面をサブリミナル的に見た覚えがしてならない…。
