じいじのひとりごと

高齢者の悲哀と愚痴を綴っています
唯一の相棒、mシュナウザーのベルが残り人生を伴走してくれます

「マーリー」

2006年11月14日 | 日々のこと
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たまたま犬を飼い始めた時期に書店で見つけたこの本、とりわけラブラドール・レトリーバーを飼う人なら読み進むにつれ共感に咽ぶだろう。

1991年、若い新婚カップルだったジョンと妻のジェニーは、ラブラドール・レトリーバーの仔犬を買って、マーリーとなづけた。
ラブラドール・レトリーバーはアメリカ随一の人気犬種で犬の本には「気質は愛らしく、穏やかで、子どもにも優しく、攻撃性とは無縁、陽気で楽しい」などと褒め言葉が並んでいた。ところがそんな一般論を見事に裏切って、マーリーはとんでもない問題犬だった。凡そなんでも飲み込む、なんでも壊す、ひどい雷恐怖症で大暴れし壁だろうと床だろうと鋼鉄製の頑丈な檻だろうと、巨体とバカ力に物言わせてとにかく何でも破壊してしまう。留守中には何度となく網戸を破られる。訓練教室に入れてもたちまち失格の烙印を押され追い出される始末・・・・

それでも底抜けの明るさとあふれる愛情とゆるぎない忠誠心を具えたマーリーは、健やかなる時も病めるときもいつも家族の一員だった。マーリーと過ごした13年間に、ジョンとジェニーには3人の子どもが出来、マーリーとまるで兄弟のように育った。

犬は人間の5~7倍の速さで老いていく。マーリーも老犬となり最後のお別れのとき、ジョンはマーリーの耳元で「おまえは最高の犬だったよ」とささやく。犬を愛したことがある人、愛する犬を失った経験を持つ人なら、きっとジョンの言葉に深く共感せずには居られないはず。

印象に残った言葉
「ペットが私たちと過ごす一生はとても短いし、その大半は、家に帰ってくる私たちを待つことに費やされます。」
「犬との暮らしにはなにかと苦労がつきものだけれど、ともに過ごす犬が与えてくれる喜びや恩恵はこの上なく大きい。例え問題だらけの犬だろうと、とりわけ愛情と忠誠心の点では、どんな人間もおよびもつかない。」


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サイネン

2006年11月14日 | 前立腺がん
無意識にアクセルを踏む足に力がはいり、車をごぼう抜きに追い越していた。
多分もしも人が見れば、下唇をかんでかなり深刻な顔つき、前方の一点を見つめてがむしゃらな運転をしていたのでしょう。「サイネン」という言葉が脳裏を占めて・・
高速道路瀬戸大橋、午後5時をとっくに過ぎて夕日はすっかり海に沈んでいました。

朝の計画では、診察後岡山か倉敷でどこか紅葉を探索して、帰りには瀬戸大橋の与島PAに寄って夕日を撮影してこよう、などと考えていたものです。
それが、検査と待ち時間、診察にたっぷり1日かかり、終わったのが午後4時半、朝食も昼食も摂らずおなかが空いているのも忘れてぶっ飛ばしていた。
ハッと我に返りスピードを落とす。

最初のがんの告知の際には、もっと深刻で頭が真っ白になり、暫らく尾を引いた。
その後何ら自覚症状もなく、ホルモン治療と放射線治療によって腫瘍マーカー(PSA)値が改善されるにつれてがんなどすっかり忘れてしまうほどになり、前立腺がんなどというモノは、成人病の一つ、程度の軽い気持ちでこの4,5年過ごしてきたものでした。

それが今日の検査と診察結果で一撃を食らった、というわけです。
主治医はPSA値を告げながら、「男性ホルモンが立派に回復しましたね」などと言った。
「先生、それは再燃ということですか」と問い返すと、そうかもしれませんが・・・・
さらに胸部CTスキャンの結果をパソコンで何度も何度もスキャンさせ、前回(4月)の写真と比較しながら首をひねっている。画面には放射線科からの所見コメントが数行に渡り書かれていて、傍目には読み取れないが異常ありの様子。
何度か往復スキャンさせた後、ある写真を止めて前回の画像と比較する、素人目にも明らかな差異がわかる。左肺の胸側上部のそれと分かる陰影が4月のものよりも大きくなっていた。「これねえ・・・」というだけでなにも言わない。
「骨シンチの方はまったく異常なし」医師はこれにはやたら自信をもって告げられた。
喜んでいいのか・・・・
今日のところははっきり再燃とは告げられなかったが、しっかり覚悟はしておかねば。
がんと判って何事もなく丸5年が経過した。これから正念場を迎えることになるのかも知れない。

0611121
煙突の天辺に生えているのは、「イヌビワ」と「カワラヨモギ」らしい。



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