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芸術鑑賞 001 アルフレッド・アイゼンシュタッド

2011年04月28日 00時33分02秒 | 芸術鑑賞
クニヨシの回顧展カタログの翻訳中にフロクで20世紀初頭の写真家を紹介したかったが出来なかった。 そんな訳でこの絵画鑑賞のカテゴリーでそれをやってみようと思っている。 絵画鑑賞を絵画写真鑑賞に変えた方が良いのかも知れないが、彫刻作品をテーマにすると絵画写真彫刻鑑賞となる。
色々やるとややこしくなるので、今後は芸術鑑賞で行こうと思う。

そもそもケニス・ミラーが、リーグでクニヨシにドーミエのドローイングを紹介したのが始まりで、
その時の流れで偶然と言うか、為るように成してナダールにつながった。 その後写真機、現像技術の進歩によって単なる記録的媒体から芸術表現手段の一つとして成長して行く。 その過程で20世紀初頭は写真愛好家にとって興味深い時期だったと思います。

前置きが長くなってしまった、本題に入ろう。


Life Magazine, cover picture by Alfred Eisenstaedt.

最初に登場する写真家は、アルフレッド・アイゼンシュタッド。
1898年(明治31年)12月6日にウエスト・プルシアで生まれています。 1906年に家族はベルリンに移り、6年後の彼14歳の時イーストマン・コダックのフォールディング・カメラを与えられました。 1935年(昭和10年)にアメリカに移り翌年の1936年から1972年までライフ・マガジンのカメラマンとして働き、多くの印象的写真を世に送り、報道写真の父と呼ばれています。 
彼の写真は、一貫して自然光を重視したカメラ・ワークで、庶民の目線での作品が多いように思う。


Alfred Eisenstaedt. Unidentified Photographer.

"My style hasn't changed much in all these sixty years," he explained. "I still use, most of the time, existing light and try not to push people around. I have to be as much a diplomat as a photographer. People often don't take me seriously because I carry so little equipment and make so little fuss. When I married in 1949, my wife asked me. 'But where are your real cameras?' I never carried a lot of equipment. My motto has always been, 'Keep it simple.'"


Children in Paris phtographed by Albert Eisenstaedt. 1963

最初に紹介したいのは、やはり私の一番好きな写真の一つで、子供達が驚いている写真である。
初めてこの写真と出くわした時、だいぶ前の事だが、子供達はいったい何を見て驚いているのだろうと思ったのが第一印象であった。 長い間イメージだけは覚えていても何も知らなかったが、ある日偶然にもこの写真のタイトルを知ることになった。 写真の題目は、「チルドレン・アット・パッペット・ショー」とあった、それで、なるほど子供達は人形劇を見ていたのだと分かった。

Children at the puppet theater in Tuileries, Paris. 1963

"It took a long time to get the angle I liked, but the best picture is the one I took
at the climax of the action. It carries all the excitement of the children screaming,
"The dragon is slain!" Very often this sort of thing is only a momentary vision,
my brain does not register, only my eyes and finger react. Click."


Children watching the story of "Saint George and the Dragon." at the Puppet theater in Tuileries, Paris, 1963.

しかしその後子供達は、いったい何の人形劇を見ていたのだろうと思い始めたが、この芸術鑑賞の取材おかげで「セント・ジョージとドラゴン」の題目で、丁度ドラゴンが殺されるシーンであったのが分かった。
アイゼンシュタッドによれば、気に入ったアングルを決めるのに随分時間がかかったそうだが、子供達が「ドラゴンが殺される!」と叫んだクライマックスの瞬間は、頭で考えることなく目と指の反射だけでシャッターを押したそうです。


ヒトラーとムッソリーニが、1934年(昭和9年)6月13日にヴェニスで会った時の写真。
1935年にアメリカに移る前ですから、多分2 1/2 Rolleiflex Cameraをつかったのでしょう。
"When Hitler and Mussolini met on June 13, 1934, in Venice, Mussolini was the big shot. It was the first meeting between the two dictators, and the last time Hitler appeared in mufti, before taking full power. Two months later, Hitler became the Fuhrer of the Third Reich."


"A mother and her child in the bombed landscaped of Hiroshima, Japan". 1946
「ヒロシマの爆撃された地にいる母と子、ジャパン」、1946年


"Atomic scientists Albert Einstein and J. Robert Oppenheimer", at the Princeton Institute for Advanced Study, 1947.
"I was so excited about photographing these two great scientists that I at first forgot to put film in my camera. When I discovered it, I sneaked out pretending that something was wrong with my camera."
1947年にプリンストン・インスティテュート・フォー・アドヴァンスド・スタディでの原子論科学者アルバート・アインシュタインとジェイ・ロバート・オッペンハイマー。
二人の偉大な科学者の写真が取れることに興奮し、最初はカメラにフィルムを入れ忘れたそうです。 しかしこの二人は、上の写真の景色に責任があります。


これは、アルフレッド・アイゼンシュタッドの説明の必要ない作品の一つです。

今日は庭の草刈りに、ネヴァダ・チェストナットとチャイニーズ・エープリコットの移植の為の穴掘りをして疲れた、今年の春は雨が多くて体がなまっているのだろう。 明日は、畑を耕さなければならないし今回は、ここまで次回をお楽しみに。
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