![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/55/55a55b81d918a6e30c185852cc4ded4b.jpg)
アンリ・ルソー:Henri Julien Félix Rousseau, (1844年5月21日 - 1910年9月2日)
前回は、当時11年ごとに開かれたパリ万博を追って技術や産業の発展と社会への影響をみてきました。 技術革新のおかげで食料生産が飛躍的に伸び、人口増加につながります。 そして労働者階級、中流階級の成長で消費社会の定着がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/59/08e85493dbf5566f02ac429bf1567c36.jpg)
ワシリー・カンディンスキー:Wassily Kandinsky、(1866年12月4日- 1944年12月13日)
今回は同時期の美術芸術の流れの概要をみてみましょう。 19世紀末から20世紀初頭の文化、芸術は、仏でアール・ヌーボー(Art Nouveru)、英でアーツ・アンド・クラフト(Art & Crafts)、独でユーゲント・シュティール(Jugendstil)と言った動きがありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/18/d27cfeb4ddc13c21d811b24a08ab888f.jpg)
アンリ・マティス:Henri Matisse, (1869年12月31日 - 1954年11月3日)
アール・ヌーボーは、日本語で表すと「新出芸術」と言った感じでしょうか、従来の様式を離れ新しく出てきた芸術の流れで、建造物、工業品やポスターなどのデザインに活用されました。 植物的な曲線を多用した装飾で、よく知られています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/2c/d954846674cd9fde5e7f8235499e45f7.jpg)
ジョルジュ・ルオー:Georges Rouault, (1871年5月27日 - 1958年2月13日)
アール・ヌーボーの動きで重要な点は、鉄やガラスを使った工芸品が新しく制作され、芸術の一般化が始まったことだと思います。 つまりガラス製の花瓶や家具、調度品,そして壁紙などの中に芸術が加味されたのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/9f/9464bb5d811fba0c9846e76a7fc95ea9.jpg)
ピエト・モンドリアン:Piet Mondrian、( 1872年3月7日 - 1944年2月1日)
ヨーロッパを中心にアール・ヌーボーの動きが大勢を占めると、今まで見てきた絵画の歴史と同様、飽きられて新しい動きが出てきます。 自由曲線の過剰な装飾を抑えたアート・デコー(Art Deco)の登場です。 生産技術の進歩で自然の造形美から機能を重視した人口の造形美が加わったのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/50/cab39634c34ee2d5b79c9ad497c4bf6f.jpg)
フランシス・ピカビア:Francis-Marie Martinez Picabia, (1879年1月22日 - 1953年11月30日)
アート・デコーは、1910年代半ばから30年代にかけて、モダン・デザインの出現によって出来た、新しいデコレーション・スタイルの美術工芸の動きになりました。 アール・ヌーボーの反動で簡素化が進み幾何学的模様や機能を生かしたデザインに移っていきます。 そして美術工芸の大衆化、商業、工業デザインの普及です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/18/87561c3ccab81c53378b7b473571d1f8.jpg)
パウル・クレー:Paul Klee、(1879年12月18日 - 1940年6月29日)
1925年に開かれたパリ万国装飾美術博覧会、(Exposition Internationale des Arts Decoratifs et Industriels modernes)は、アール・デコ博とも呼ばれ、アート・デコーの名前の元になりました。
しかしアート・デコーの流れの中心は、産業の発展と共にパリからニューヨークに移るのです。
量産された工芸品は、新しい芸術品として当時の先進国の都市で同時に大量に消費され始めるのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/ba/d8d8a967a73634736a163f56736c9f82.jpg)
アンドレ・ドラン:Andre Derain, (1880年6月10日 - 1954年9月8日)
そういった中、絵画美術の動きは、印象主義以来古い考え方や規制から解放され、新しい観念の模索、変化で混迷の過渡期を迎えていました。 社会の変化と共に変わっていく、20世紀初頭の近代美術(Modern Art)の流れをみてみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/ac/9e7e4b7f8195655bc2df0eafdcde5cf2.jpg)
フェルナン・レジェ:Fernand Léger、(1881年2月4日-1955年8月17日)
印象派の色使いや点描画の色彩で、色の使い方がそれぞれ工夫されてきましたが、もっとより自由に感情を表現するために色を使おうと言う考えが出てきました、フォーヴィズム(Fauvisme)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/76/b01c0f40cfc74c9140e4b8b280e7214c.jpg)
パブロ・ピカソ:Pablo Picasso、(1881年10月25日 - 1973年4月8日)
フォーヴィズムは野獣主義と訳されていますが、自然に見える色だけでは満足出来ず、アーティストが自由に自分の色を使い始め、今までにない強烈な色の対比から強い印象の感情豊かな絵画を描いたと言えるでしょう。 この鮮烈な色使い、まさに野獣のような激しさと力強さが特徴です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/f9/6efd45b604159e8a201edb34985f5f18.jpg)
パブロ・ピカソ:Pablo Picasso、(1881年10月25日 - 1973年4月8日)
一連の色彩の開放に続いて形態の解放の動きが出てきます。 ピカソやブラックが始めたと言われるキュービズム(Cubism)です。 今までの遠近法や透視図法にこだわらず、また多角的視点からのイメージを組み合わせて平面のキャンヴァス上により立体的感覚を描こうとしたのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/04/a38d64927bbc2a6c3c25ab95c7bda03f.jpg)
ジョルジュ・ブラック:Georges Braque, (1882年5月13日 - 1963年8月31日)
同じ頃にカンディンスキーやモンドリアン等が始めた抽象絵画の動きも見逃せません。
こう言った新しい美術的観念の模索が続き、ダダイズムそしてシュールレアリスムと現代美術(Contemporary Art)の流れは動いて行きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/f4/65240340020f0ec6db6fd6232a15ff56.jpg)
モーリス・ユトリロ:Maurice Utrillo, (1883年12月26日 - 1955年11月5日)