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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

フィンランドの教育(4)逆行する日本

2006年11月25日 | 人権
5.いまの日本の教育改革は全く逆

◎そうしますと,いまの日本の教育改革は……
中嶋:全く逆ですね。フィンランドの教育は,競争・比較と無縁の,発達の強調。生徒との相互交流による形成的評価。OECDも言っています。ペーパーテストによる評価は,やめなさいと。生徒と話し合いをしで,まず信頼関係ができで……。
 教科書検定は1990年代初めからありません。
 ちょっとこの教科書を見で下さい。この絵で,始業の日に先生は,今日からABCを学びましょう,と言っている。
 この子は,やおらペットボトルを取り出しで,がぶがぶ飲みました。というのは,彼は学校が大好きで早く来て,待ちくたびれてフットボールをして汗をかいたので,一休みしているのです。
 こんなことが,教科書のごく初めのページに書いてある。人権第一主義です。ヒューマニズム。教科書が,きれいで,夢があって,おとぎの国ですよ。
 子どもは,学校に来るのが楽しくで楽しくてしょうがないから来る。来るな,と言っても子どもは来るのです。それが本当の教育ではないでしょうか。こんにち,文科省の方では,生徒指導の要点を不寛容にするような動きがあります。厳しくやる,と
 フィンランドの教育の一番の原理は寛容,許すということです。バレンタイン方式。それも学力の中に全部入ってしまうのです。
 一方,日本では,人間を大事にすることを教え,公徳心を培うのではなくて,愛国心。国を愛することを教えて,それが成績に反映されるなんて,順序が逆ではないでしょうか。
 比較・国際教育学を専攻する者としで,いまの教育基本法の「改正」を黙っで見でいるわけにはいきません。
 いま言われている平和・民主・人権・共生の教育は,全部いまの教育基本法にあるのです。
 さきほど申しましたように,フィンランドの前にスウェーデンが影響を受け,そして,フランス,ブラジル,メキシコ,フィリピン,コスタリカ……。日本の教育基本法を参考にしている国は多いのです。それは,日本に対する敬愛,信頼にもつながっているんです。

 最後に,教育基本法ができたころのエピソードを1つ,申しましょう。私は終戦の翌年復員し,二度戦死したことになっており戸籍を抹消され,そのために住民票と米穀通帳がもらえませんでした。そこで,G.H.Q.に直訴し,その日から働かせてもらい,翌年大学に入り直して,東京国際記者クラブに夜間勤務要員としで3年間務めました。その間吉田総理のSP役をも仰せつかったものです。
 教育基本法の文案は,吉田総理が教育権の独立を主張する田中文相に深い理解を示し,G.H.Q.には図らずに教育刷新委員会で独自につくられました。
 日本の教育のすべてがC.I.E.(民間情報教育局)によって管理されていた当時としては,唯…の例外ともいうべきものでありましょう。
 その証拠に,私がGHQ勤務時代の1947年3月,ライシャワー博士のまな弟子にあたる人が,こんなことを言っでいましたよ。教育基本法についで,「自分たちが知らない間に,日本人はどえらいものをつくった。」と。その3月の31目に,教育基本法は公布されるのです。
(完)

じっきょう「地歴・公民科資料№63」

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