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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

現実を逆転しただけ、儚い願望でしかない「一億総活躍」

2015年11月28日 | 格差社会
 ◆ 終わりの始まり (東京新聞【本音のコラム】)
竹田茂夫(法政大教授)

 一億総活躍などという宣伝文句を真面目に受け取る人はいない。
 五年後の名目GDP六百兆円、希望出生率1・8、介護離職ゼロの組み合わせとは、低成長、人口減少、破綻しつつある社会保障の現実を逆転しただけ。はかない願望でしかない三点セットだ。
 今や死語と化したアベノミクスの失敗を糊塗するだけでなく、どんなステヅプで実現するのかさえ説明できない。
 これまで実際に効いたのは財政出動だけで、黒田日銀のインフレ目標はきつね火のように遠ざかり、デフレ脱却の効果はゼロだ。確かに円安と株高は生じたが、案に相違して輸出増や消費拡大に結び付かない。信じれば空を飛べると言い続けるピーターパン総裁は孤立を深める。
 成長戦略はどうか。
 成長のために消費の底上げが必要だから、最低賃金や介護離職や高齢者の貧困化も少しは気にかけるというわけだが、消費不振の本質低賃金、貧困、格差の広がりと非正規層や貧困高齢者の将来不安であることに現政権は気が付かない。
 逆に、最近の派遣法改悪残業代ゼロ解雇の金銭解決等の法案論議で、働く国民の不安と不満は確実に高まっているのだ。
 日本人は「次々になりゆく」現実を追認していくだけとは思われない。
 過労死一歩手前にまで追い詰められれば、勤労者は反撃せざるを得ない。

『東京新聞』(2015/11/26【本音のコラム】)

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