たんぽぽ舎です。【TMM:No3375】
◆ 世界に伝えた母たちの願い・子どもたちを被ばくから守って!
“避難の選択は間違っていない”の言葉が避難者を勇気づける!
5月27日(日)「スペースたんぽぽ」で、国連人権理事会でのスピーチ・欧州での講演活動、母子避難の苦労、区域外避難と住宅問題等の報告会が開かれた。
発言者は森松明希子さん(郡山市から大阪に母子避難。東日本大震災避難者の会 Thanks&Dream代表)、Yさんと高校生の息子さん(いわき市から東京に避難)、鴨下祐也さん(ひなん生活をまもる会代表、福島原発被害東京訴訟原告団長)。
3月13日から10日間、福島第一原発事故で今も母子避難を続けている親子3組8人がスイス・ジュネーブ~フランス~ドイツの各地で講演し、地元の市民たちと交流を深めた様子が、映像とお話を通して手に取るように伝わってきた。
今回の国連活動等は、短期間に多くの方々のカンパと、さらに多くの方々の支援によって実現することが出来て本当に感謝しているとの報告があった。
◆ ジュネーブの国際機関日本代表部・一等書記官の女性との感動的な面談
約束の15分が30分以上に及んだ。福島の現状や子どもたちを被ばくから守りたい一心で避難した人びと、避難できず不安を持ち続けながら福島で暮らしている人びとの艱難辛苦を必死で訴えた森松さんやYさんたちの言葉に、書記官は涙を流しながら「自分も人権理事会の会場にいるので、緊張しないでスピーチ頑張って!」「貴女たちの本をぜひ買って読みたい」と励ましてくれたエピソードには、心が洗われた。
生まれて初めて訪れたジュネーブで緊張しきった彼女たちへの最高の激励だったと思う。
◆ 本番の人権理事会でのスピーチは何と僅か2分!
重責を担った森松さんは弁護士に相談しながら2分かっきりの原稿を作る時一番参考になったのは、山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)の国連スピーチだったそうだ。沖縄の闘う魂が彼女たちを支えてくれたようだ。
しかし3月16日の人権理事会が国連職員のストのため中止との急報を受け、彼女たちは大混乱。幸いなことに3月19日(日)にそのままスライドされて、森松さんは見事に英語で2分間のスピーチを行ない、東電福島第一原発事故の現状や避難者たちの訴えが世界に発信された。日本ではNHKしか報道せず。
実は3月16日は東京訴訟の判決日で、私たちは多くの仲間と東京地裁前で区域外避難者の権利を認めた“勝訴判決”に歓喜していた。
その報告集会で、東京とジュネーブの現地にいる森松さんたちとスカイプ中継でつながり、喜び合った事が思い出された。この判決も森松さんたちの勇気の後押しになったであろう。
◆ フランス・グルノーブル市立図書館での講演
グルノーブルの近くには老朽化した原発があり、参加者の関心の高さにYさんたちは驚いたそうだ。市民・市議会議員・地元紙の新聞記者が100名も参加し、質疑応答では質問者が多く途切れる事がなかった。
3.11当日東京にいたフランス人の女性は「仏政府がチャーター機を出すので全員帰国するようにとの事ですぐ帰国した。その後映像で福島の現状を見て帰国した事にずっと罪悪感を持っていた」と。
Yさんは「貴女の選択は間違っていない。罪悪感をもたないで。私たちも同じ経験がある。選択は間違っていないと言われた時、母親が子どもを守る事は絶対に正しいのだと思えて凄く嬉しかった」と励ました。
Yさんの言葉は全ての避難者の共通の思いであろう。
フランスは原発大国(54基)で、長年脱原発運動を取り組んできたが何も変わらず、市民たちは絶望感を抱く人も多く、福島の原発事故から学びたいという思いがにじみ出ていたようだ。
◆ 高校生の話
まだ少年のような表情の彼が一言一言考えながら話す言葉に、私は目頭が熱くなった。「学校では、避難者である事は一度も話した事がない。話せない。それが辛い」「ジュネーブに行く時は、母が先生に話してくれた。自分は何も話せない」…だからジュネーブや欧州での貴重な体験や感動も同級生や先生に一言も話せないのだ。
私にも30代の息子がいる。思春期の真っただ中にいる高校生の彼は、ナイーブな感性、とぎすまされた感覚は、原発事故と国や東電の不誠実で加害責任を全くとろうとしない理不尽さを受け入れ難く、どれだけの怒りを内在させているのだろうか。
言葉に何一つ重みもなければ、嘘の上塗りだけの安倍総理を始めとする腐敗しきった政治家たちは、彼ら子どもたちの命や心、未来を奪い続けている。
脱原発の闘いを、性根を据えて取り組まねばと強く心に刻みつけられた報告会であった。(他にもたくさんの貴重な報告がありましたが、紙面の都合で書ききれない事が残念です)
『地震と原発事故情報』(2018年5月29日)
◆ 世界に伝えた母たちの願い・子どもたちを被ばくから守って!
“避難の選択は間違っていない”の言葉が避難者を勇気づける!
横田朔子(たんぽぽ舎ボランティア)
5月27日(日)「スペースたんぽぽ」で、国連人権理事会でのスピーチ・欧州での講演活動、母子避難の苦労、区域外避難と住宅問題等の報告会が開かれた。
発言者は森松明希子さん(郡山市から大阪に母子避難。東日本大震災避難者の会 Thanks&Dream代表)、Yさんと高校生の息子さん(いわき市から東京に避難)、鴨下祐也さん(ひなん生活をまもる会代表、福島原発被害東京訴訟原告団長)。
3月13日から10日間、福島第一原発事故で今も母子避難を続けている親子3組8人がスイス・ジュネーブ~フランス~ドイツの各地で講演し、地元の市民たちと交流を深めた様子が、映像とお話を通して手に取るように伝わってきた。
今回の国連活動等は、短期間に多くの方々のカンパと、さらに多くの方々の支援によって実現することが出来て本当に感謝しているとの報告があった。
◆ ジュネーブの国際機関日本代表部・一等書記官の女性との感動的な面談
約束の15分が30分以上に及んだ。福島の現状や子どもたちを被ばくから守りたい一心で避難した人びと、避難できず不安を持ち続けながら福島で暮らしている人びとの艱難辛苦を必死で訴えた森松さんやYさんたちの言葉に、書記官は涙を流しながら「自分も人権理事会の会場にいるので、緊張しないでスピーチ頑張って!」「貴女たちの本をぜひ買って読みたい」と励ましてくれたエピソードには、心が洗われた。
生まれて初めて訪れたジュネーブで緊張しきった彼女たちへの最高の激励だったと思う。
◆ 本番の人権理事会でのスピーチは何と僅か2分!
重責を担った森松さんは弁護士に相談しながら2分かっきりの原稿を作る時一番参考になったのは、山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)の国連スピーチだったそうだ。沖縄の闘う魂が彼女たちを支えてくれたようだ。
しかし3月16日の人権理事会が国連職員のストのため中止との急報を受け、彼女たちは大混乱。幸いなことに3月19日(日)にそのままスライドされて、森松さんは見事に英語で2分間のスピーチを行ない、東電福島第一原発事故の現状や避難者たちの訴えが世界に発信された。日本ではNHKしか報道せず。
実は3月16日は東京訴訟の判決日で、私たちは多くの仲間と東京地裁前で区域外避難者の権利を認めた“勝訴判決”に歓喜していた。
その報告集会で、東京とジュネーブの現地にいる森松さんたちとスカイプ中継でつながり、喜び合った事が思い出された。この判決も森松さんたちの勇気の後押しになったであろう。
◆ フランス・グルノーブル市立図書館での講演
グルノーブルの近くには老朽化した原発があり、参加者の関心の高さにYさんたちは驚いたそうだ。市民・市議会議員・地元紙の新聞記者が100名も参加し、質疑応答では質問者が多く途切れる事がなかった。
3.11当日東京にいたフランス人の女性は「仏政府がチャーター機を出すので全員帰国するようにとの事ですぐ帰国した。その後映像で福島の現状を見て帰国した事にずっと罪悪感を持っていた」と。
Yさんは「貴女の選択は間違っていない。罪悪感をもたないで。私たちも同じ経験がある。選択は間違っていないと言われた時、母親が子どもを守る事は絶対に正しいのだと思えて凄く嬉しかった」と励ました。
Yさんの言葉は全ての避難者の共通の思いであろう。
フランスは原発大国(54基)で、長年脱原発運動を取り組んできたが何も変わらず、市民たちは絶望感を抱く人も多く、福島の原発事故から学びたいという思いがにじみ出ていたようだ。
◆ 高校生の話
まだ少年のような表情の彼が一言一言考えながら話す言葉に、私は目頭が熱くなった。「学校では、避難者である事は一度も話した事がない。話せない。それが辛い」「ジュネーブに行く時は、母が先生に話してくれた。自分は何も話せない」…だからジュネーブや欧州での貴重な体験や感動も同級生や先生に一言も話せないのだ。
私にも30代の息子がいる。思春期の真っただ中にいる高校生の彼は、ナイーブな感性、とぎすまされた感覚は、原発事故と国や東電の不誠実で加害責任を全くとろうとしない理不尽さを受け入れ難く、どれだけの怒りを内在させているのだろうか。
言葉に何一つ重みもなければ、嘘の上塗りだけの安倍総理を始めとする腐敗しきった政治家たちは、彼ら子どもたちの命や心、未来を奪い続けている。
脱原発の闘いを、性根を据えて取り組まねばと強く心に刻みつけられた報告会であった。(他にもたくさんの貴重な報告がありましたが、紙面の都合で書ききれない事が残念です)
『地震と原発事故情報』(2018年5月29日)
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